「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供達の65%は、大学卒業時に、今は存在していない職業に就くだろう」。
2011年8月、デューク大学のキャシー・デビッドソン教授がニューヨーク・タイムズ紙のインタヴューで語った予測だ。技術革新やグローバル化が急速に進む世の中に在って、65%という高い割合になるかどうかは別にしても、近未来に“今は存在しな職業”が、少なからず創出されている可能性は高い様に思う。
先月話題になったのは、オックスフォード大学でAI(人工知能)等の研究を行っているマイケル・A・オズボーン准教授の予測。「コンピューター技術革新が凄まじい勢いで進む中、此れ迄は人間にしか出来ないと思われていた仕事の多くが、ロボット等の機械に取って代わられる。」とし、アメリカの702の職種に付いて分析した結果、「今後10~20年程度で、アメリカの総雇用者の約47%の仕事が、自動化されるリスクが高い。」と結論付けたのだ。
此方に詳細が記されているが、「90%以上の確率で“消える職業”及び“無くなる仕事”として「銀行の融資担当者」、「スポーツの審判」、「不動産ブローカー」、「レストランの案内係」、「保険の審査担当者」、「動物のブリーダー」、「電話オペレーター」、「給与&福利厚生担当者」、「レジ係」、「娯楽施設の案内係&チケット捥り係」、「カジノのディーラー」、「ネイリスト」、「クレジット・カード申込者の承認&調査を行う作業員」、「集金人」、「パラリーガル&弁護士助手」、「ホテルの受付係」、「電話販売員」、「仕立屋(手縫い)」、「時計修理工」、「税務申告書代行者」、「図書館員の補助員」、「データ入力作業員」、「彫刻師」、「苦情の処理&調査担当者」、「薄記、会計、監査の事務員」、「検査、分類、見本採集、測定を行う作業員」、「映写技師」、「カメラ&撮影機材の修理工」、「金融機関のクレジット・アナリスト」、「眼鏡&コンタクト・レンズの技術者」、「殺虫剤の混合&散布の技術者」、「義歯制作技術者」、「測量技術者&地図作成技術者」、「造園&用地管理の作業員」、「建設機器のオペレーター」、「訪問販売員」、「路上新聞売り」、「露店商人」、「塗装工」、「壁紙張り職人」等が挙げられている。
「そうだろうなあ。」と思う職業や仕事が在る一方で、「彫刻師」や「造園の作業員」等、“感性”も求められる職業は、必ずしも完全に機械に取って代われる事は無さそうな気がする。又、アメリカと日本とでは国状が異なるし、飽く迄も感覚的にだが、日本の場合は「露店商人」というのは無くならないのではなかろうか。
「ロボットが、人間の仕事を奪う。」といった話は、過去に小説や映画等で結構取り扱われている。確かにそういった事も在るだろうが、「人間だって馬鹿じゃないのだから、人間しか出来ない様な職業や仕事を、次々に作り上げて行くのではないか。」と思ったりも。
エレベーターガール(一部デパートには存在)
検札係(自動改札になっていない有人駅は案外と多い。結構利用者数の多い大きい駅だと金沢駅、松山駅。北陸、山陰、四国、九州の東側には無い駅が多い。ただ、鉄道が何気に盛んな富山駅にはあるし、金沢も新幹線開通後には当然設置予定)
アメリカでは地位が低い、あるいは10年どころか5年以内になくなりそうな仕事だが日本ではまだ一部で「憧れの職業」であるもの
秘書・機内乗務員、だそうです。
(アメリカの「秘書」は日本の昔のOLに該当する場合もあり。機内乗務員は1960年代頃までであれば欧米でも花形職業。これは日本の「デパガ」や「バスガール」の盛衰史にも重なるかも。もっとも、日本でも機内乗務員は「デパガ」同様に必ずしもその会社の正社員とは限らないのが現実です)
調査担当者群はなくすのは無理と思うんですよねー。
日本では昔はそれほど多くなかった仕事(保険会社等の調査員)は今はかなり多いようですし。又聞きですがこれは昔の「交通戦争」の頃私立の総合病院が交通事故患者目当てに雨後のたけのこのように沢山出来たのですが、その頃は医者とグルで保険の慰謝料をもらうために長々と入院・通院しているものも結構おりましたが、めったなことでは査察は入らなかった。今は結構すぐ来るようです。保険会社の経営が危ないと騒ぎになった時期がありましたが、それ以降はそんな感じのようです。
「ターミネーター」や「マトリックス」の世界が現実になると警告しているわけです。今は笑い話のようでも、100年前には手回し計算機さえも無かったのですから、今後20年でこの分野がどれだけ進んでいることか。
子供の頃、きつい、汚い、危険な仕事は全部ロボットがやって、人間は自分の好きなことだけすればいい、なんてユートピアな未来が語られた事もありましたが、70億もの人口を養えるのかを考えると、現実はそう甘くは無いようです。。
「高速の料金係」、「エレヴェーター・ガール」、「検札係」等は、確かにもう無くなっていたり、機会に置き換わっていてもおかしくない感じは在りますね。
「高速の料金係」や「検札係」の場合は、機会に不慣れな高齢者への配慮というのも在りそうな気がします。又、「エレヴェーター・ガール」の場合は、「何でも彼んでも機械化してしまうと、社会に“潤い”が無くなってしまう。」という面も在りそう。「機械化し様と思えば出来るだけれど、“感性”やら“潤い”を完全排除はしたく無い。」という気持ちが、無くなりそうで無くならない職業&仕事には、結構在るのかもしれませんね。
調査担当者群に関しては、「成る程。」と思いました。人間がする事は、“良くも悪くも”機械でスパッと“分けられる”事許りでは無いからこその事でしょう。
ホーキング博士、そんな警告をされていたのですね。確かに「機械化が進み過ぎると、人間の仕事が無くなってしまうのではないか?」という懸念は、自分も在ります。でも、記事でも触れた様に、「人間ってそんなに愚かでは無い。」という楽観的な思いも、同時に在ります。
18世紀半ばから19世紀に掛け、産業革命が起こった。様々な分野で機械化が進み、其の過程で“消えて行った職業&仕事”は結構在ったと思うのですが、一方で機械化によって人間は“新たな職業&仕事”を生み出していったという“強かさ”が在る。そういった部分を信じたいし、期待もしています。