書店の書棚に並んでいるのは何度か見掛けていたが、実際に読んだ事の無い漫画「築地魚河岸三代目」。この作品が実写化&公開されたので、早速映画館に足を運んでみた。作品内容を良く知らないにも拘わらず観に行ったのは、偏に好きな脇役が大勢出演しているからだ。
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「築地魚河岸三代目」
都内の総合商社に勤務する赤木旬太郎(大沢たかお氏)は30代半ばにして人事課長に抜擢され、私生活でも恋人の明日香(田中麗菜さん)との結婚を決意する等、傍目には順風満帆と思われる人生を送っていた。しかし上司の漆原(佐野史郎氏)に小間使いの如く使われ、挙句にリストラの陣頭指揮を押し付けられた彼は、自分の生き方に疑問を感じ始める。
そんな時、装飾デザイナーの仕事をしている明日香の実家が築地市場の仲卸「魚辰」で在る事を知る。そして父で二代目の徳三郎(伊東四朗氏)が体調を崩して入院した為、本職を続け乍ら「魚辰」の手伝いをし始めた明日香を気遣い、旬太郎は自分が代わりに手伝う事を申し入れる。早朝には仲卸として、そしてそれが終わると商社マンとして働く日々。ド素人という事で厄介者扱いされる彼。そればかりか十代の頃からこの店で働き、周囲から兄貴分と慕われている英二(伊原剛志氏)が明日香に惚れていると思っている店員達から、白い目で見られてしまう。
しかし持ち前の根性と明るさで仲卸業を体得して行く旬太郎は、活気に満ちた魚河岸の世界に魅了され、自身の人生を大きく変える或る決断を下す事に・・・。
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社会人としてのいろはを教えてくれた大恩人の元上司・金谷(大杉漣氏)を、理不尽な理由でリストラ勧告しなければならず、苦しみ悩む旬太郎。余命の短い愛妻を抱えつつ、退職の道を選んだ金谷が口にした「幸せとは、自分の気持ちに正直に生きる事なんだと気付いたよ。」という台詞は印象に残ったし、二人の遣り取りには心が揺さぶられた。又、終盤の英二と明日香の遣り取りには、不覚にも涙腺が緩んでしまった。この作品は全体的に台詞のスピードの緩やかで、それが実に心地良い。
伊東四朗氏や大杉漣氏、柄本明氏、荒川良々氏等、好きな脇役達が予想通りの良い演技を見せてくれている。徳三郎とは大親友の寿司屋の主人・正治郎を柄本氏が務めているのだが、彼と伊東氏の軽妙な遣り取りには何度も爆笑させられた。英二に対して密かに思いを寄せる小料理屋の女主人・千秋を演じた森口瑤子さんも、実に魅力的。
TV番組が面白かった時代のホームドラマに似た、「笑わせて、時にほろっとさせる。」という内容。原作とはやや異にしている部分が在る様だが、今後シリーズ化を期待したい作品だ。*1
総合評価は星4つ。
*1 クレジット・タイトルが流れている途中で離席してしまったのだが、どうもその後に「続編決定」との告知が為されていた様だ。
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「築地魚河岸三代目」
都内の総合商社に勤務する赤木旬太郎(大沢たかお氏)は30代半ばにして人事課長に抜擢され、私生活でも恋人の明日香(田中麗菜さん)との結婚を決意する等、傍目には順風満帆と思われる人生を送っていた。しかし上司の漆原(佐野史郎氏)に小間使いの如く使われ、挙句にリストラの陣頭指揮を押し付けられた彼は、自分の生き方に疑問を感じ始める。
そんな時、装飾デザイナーの仕事をしている明日香の実家が築地市場の仲卸「魚辰」で在る事を知る。そして父で二代目の徳三郎(伊東四朗氏)が体調を崩して入院した為、本職を続け乍ら「魚辰」の手伝いをし始めた明日香を気遣い、旬太郎は自分が代わりに手伝う事を申し入れる。早朝には仲卸として、そしてそれが終わると商社マンとして働く日々。ド素人という事で厄介者扱いされる彼。そればかりか十代の頃からこの店で働き、周囲から兄貴分と慕われている英二(伊原剛志氏)が明日香に惚れていると思っている店員達から、白い目で見られてしまう。
しかし持ち前の根性と明るさで仲卸業を体得して行く旬太郎は、活気に満ちた魚河岸の世界に魅了され、自身の人生を大きく変える或る決断を下す事に・・・。
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社会人としてのいろはを教えてくれた大恩人の元上司・金谷(大杉漣氏)を、理不尽な理由でリストラ勧告しなければならず、苦しみ悩む旬太郎。余命の短い愛妻を抱えつつ、退職の道を選んだ金谷が口にした「幸せとは、自分の気持ちに正直に生きる事なんだと気付いたよ。」という台詞は印象に残ったし、二人の遣り取りには心が揺さぶられた。又、終盤の英二と明日香の遣り取りには、不覚にも涙腺が緩んでしまった。この作品は全体的に台詞のスピードの緩やかで、それが実に心地良い。
伊東四朗氏や大杉漣氏、柄本明氏、荒川良々氏等、好きな脇役達が予想通りの良い演技を見せてくれている。徳三郎とは大親友の寿司屋の主人・正治郎を柄本氏が務めているのだが、彼と伊東氏の軽妙な遣り取りには何度も爆笑させられた。英二に対して密かに思いを寄せる小料理屋の女主人・千秋を演じた森口瑤子さんも、実に魅力的。
TV番組が面白かった時代のホームドラマに似た、「笑わせて、時にほろっとさせる。」という内容。原作とはやや異にしている部分が在る様だが、今後シリーズ化を期待したい作品だ。*1
総合評価は星4つ。
*1 クレジット・タイトルが流れている途中で離席してしまったのだが、どうもその後に「続編決定」との告知が為されていた様だ。
「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」に続く松竹人情喜劇長期連載シリーズのようですね。「築地魚河岸三代目」
よって最初から複数本は制作予定に入っているのかしら。
「釣りバカ」も第一作目からかれこれ20年経っていますから、キャストも老齢化し世代交代のためのシリーズでしょう。
どちらも「漫画が原作」そして「死んだ魚を扱う」事が共通項ですねw
エンドロールの最後を見逃したんですね。(笑)
それにしても、松竹の看板映画の世代交代なんでしょう。
大沢たかお&田中麗奈でずっと続けられるのかってところでしょうけどね
仰る様に「釣りバカ日誌」シリーズのレギュラー陣が高齢化しておりますので、その“次の顔”としてこの作品をシリーズ化しようという思いが松竹には在るのでしょうね。
記憶違いで無ければ、松竹としては「男はつらいよ」シリーズの次に「虹をつかむ男」(監督:山田洋次氏、主演:西田敏行氏)をシリーズ化したかった様です。興行的に振るわなかったのかどうかは判りませんが、結局この作品は第二作で終了。その後に同じ西田氏主演で制作された「釣りバカ日誌」が大好評でシリーズ化される事になるのですから、面白いものです。
P.S. 御存知かもしれませんが、t○ka.氏の令弟が16日に御亡くなりになられたそうです。「ひかり荘」時代から「もふもふ」のHNを使われ、博多からの配信で顔を出されていた彼がt○ka.氏の令弟に当たられる方だとは全く知らなかったのですが、2年近い闘病生活の末亡くなられたとか。随分ゲッソリ痩せられ、最近は配信が突然中止される事が少なくなかったt○ka.氏。1ヶ月程前の配信では、これ迄に見た事の無い様な悪酔いをしていたのですが、今となってみれば辛い思いを抱えていたのだなあと理解出来ました。合掌。
そりゃあ力入ってますね。昨年の総興行収入は東宝の独り勝ちと言って良い状況で、松竹としては何とか“軸”となるシリーズをもう一つ作り上げたいという思いが在るのでしょう。