「手軽に取れる所から取る」という発想

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「『飼い犬税』導入を検討」（６月２７日、共同通信）

 

大阪府泉佐野市が、放置された犬の糞対策の財源とする為に、飼い主に法定外の「飼い犬税」を課す検討を始めた事が２７日判った。千代松大耕市長が市議会で明らかにした。

 

総務省と市によると、１９５５年度には２，６８６自治体で、飼い主等に「犬税」を課していたが、徴税コスト等を理由に相次いで廃止。１９８２年３月末に長野県旧四賀村（現松本市）が廃止して以来、ペットへの課税例は無いと言う。

 

市によると、市内の道路や公園で糞が放置されるケースが在り、２０１１年度には、少なくとも３２件の苦情が寄せられた。千代松市長は啓発や取り締まりの強化を前提とした上で「改善されない場合には、早ければ２年後に導入する。」と説明している。

 

市によると、狂犬病予防法に基づき登録されている市内の犬は約５，４００匹。飼い犬税の税収は、放置を見回るスタッフや掃除の人件費等に充てる方針。市は徴税コスト等の算出を今後進め、税額を検討する。

 

市は２０１２年１月から、環境美化の目的で、公共の場所での煙草、空き缶のポイ捨てや犬の糞の放置に対して、過料千円を徴収出来る改正市環境美化推進条例を施行。現時点で徴収事例は無いと言う。

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長年飼っていた愛犬が昨年亡くなって以降、其の喪失感の大きさから新たな犬を飼うには到っていないけれど、何れは又飼いたいと思っている。そんな犬大好き人間の自分が、今回のニュースに関して私見を。

 

４年前、「自民党の動物愛護管理推進議員連盟が、犬や猫等の飼い主に課税する『ペット税』の導入を検討している。」との報道が在った際、自分は“懸念点”を挙げた上で、「“原則としては”、導入に反対では無い。」とした。詳細は其の記事「ペット税」を読んで戴ければと思うが、要はペット税を導入する事で「ペットを大っぴらに捨てるアホな飼い主が増える可能性。」、「天下り組織の新設や訳の判らない事柄対して、ペット税が費やされる可能性。」等を懸念したのだ。

 

今回の泉佐野市の場合、「狂犬病予防法に基づき登録されている市内の犬は約５，４００匹。」という事なので、徴収額は天下り組織を新設する程の規模では無いと思われる。だから、其の点では懸念が無いのだけれど、訳の判らない事柄に飼い犬税が費やされる可能性は否定出来ない。

 

「放置された糞対策」という事ならば、「室内“だけ”で飼われているペット以外は、全て課税すべきでは？」という思いも在る。最近でこそ無いけれど、以前は我が家の庭に入り込み、糞をして行く猫に悩まされた時期が在ったし。唯、実際問題としては、「登録制度が無い。」等の理由から、飼い犬以外に今回の様な税金を課すのは難しいのだろう。

 

「一部の不埒な飼い主のせいで、きちんと糞を処理している飼い主迄もが負担をさせられる。」というのは納得が行かない所も在るけれど、「放置された糞の対策を、真剣に行政がしてくれる。」というのならば、自分は飼い犬税導入は止むを得ないと考える。

 

とは言え、「手軽に取れる所から取る。」といった感の在る課税には、疑問を感じる。財政難の泉佐野市の場合、「府外の自治体等から同市を視察に訪れる議員や職員１人に付き千円を徴収する。」事を決める等、言葉は悪いけれど「安直な歳入源確保の姿勢」が目立つので。