「芸能界の“常識”は、一般社会の“非常識”。」という面が在ったりする。一番強く感じるのは、“犯罪を犯した者に対する扱い”で、特に“薬物犯罪を犯した芸能人に対する芸能界の扱い”は非常に甘かった。今でこそ変わって来たが、以前は「薬物犯罪を犯した芸能人が、何度も芸能界に復帰出来る甘さ。」が在り、「一般企業なら、薬物犯罪を犯したら一発でアウト!所属していた企業のみならず、他でも働き場所は中々見付からないのに。」と、其の“常識の違い”が不思議でならなかった。
他にも・・・。
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「和田アキ子、中条きよし参院議員の国会での新曲PRに憤慨・・・『完全に個人的な事・・・こんな事言う?』」(11月20日、スポーツ報知)
歌手・和田アキ子が20日、MCを務めるTBS系「アッコにおまかせ!」(日曜・午前11時45分)に生出演した。
番組では、日本維新の会の中条きよし参院議員が15日に、参院文教科学委員会の質疑中に自身の新曲をPRした【動画】問題を報じた。
中条氏は16日に国会内で記者団に、「大変申し訳なく思っている。宣伝だとは全く知らずに、新しい舞台で頑張らせて戴くという積りだったのですが、そう受け取られたので在れば、不適切だった。」と述べた。12月のディナー・ショーを最後に、芸能活動を引退する意向も表明した。
和田は今回の問題に「笑っちゃうんだけど。」とし、「(宣伝とは)知らなかったって言う割には、タイトル迄言っているんですよ。こんなん、質疑応答の後に言う?」と憤慨した。
更に中条氏とは、此れ迄に「何回も一緒に仕事もしてたし、良く飲んだりもしてた。」と明かし、「だけど、聞いた時に“何?”って。一寸一寸って。」と繰り返し、憤りを露にしていた。
更に「完全に個人的な事でしょ。況してタイトル迄言ってさ。御買い上げ下さいですよ、そんな事言う?」と疑問を投げ掛けていた。
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当該動画を見た。肝心の質疑内容は別にして、新曲&ディナー・ショーのPRは“蛇足”どころか、全く戴けない。「国民の代表が国民の生活を守るべく真剣に議論する“公の場”で、そういうPRをする。」というのは、全く理解出来ないし、許される事では無い。「少し時間が余ったから、まあ良いだろう。」という話では無い。だから、今回の和田さんの主張は全く正論。
中条氏が謝罪しているシーンも見たが、「批判されたから、取り敢えず謝っておこう。」という姿勢が在り在り。「宣伝だとは全く知らずに、新しい舞台で頑張らせて戴くという積りだったのですが、そう受け取られたので在れば、不適切だった。」の「そう受け取られたので在れば」という部分に、彼の不満が溢れ出ている。「宣伝とは全く知らずに」というのを“本当に”思っていたとしたら、余りに常識が無い。与野党共に“非常識な政治家”が少なく無いけれど、個人的に言えば「日本維新の会所属の政治家は、其の議員数を考えると、“問題児”が多過ぎる。」という気がしてならない。
唯、中条氏が「何が問題なの?」と“本当に”思っていたとしたら、其の根底には「芸能界では“常識”だけれど、一般社会では“非常識”。」という、或る意味、“芸能界の悪慣習”が横たわっている様な気もしている。
過去に何度か指摘しているが、「TV放送やラジオ放送は公共の場で在る筈なのに、番組内で出演者が“当たり前の様に”自身の“商品”のPRをするのはおかしい。」と思っている。「自身の商品とはCDや出版物、ライヴ等。」だ。「其の局で放送され、自身も出演している番組のPR。」というので在れば、まあ“グレー・ゾーン”では在るけれど、看過出来る。でも、“自身のCD等のPR”となると、其れは問題だ。公共の場で自身の商品のPRをしたいなら、所属事務所等がきちんと広告費を払って“枠”を購入した上で、CMとして流すのが筋。「そんな堅苦しい事を言いなさんな。」と言われるかも知れないが、公共の場という概念を曖昧にしてはいけない。
そんな芸能界の悪慣習に染まっていたとしたら、中条氏が「何が問題なの?」と思っても、おかしくは無いだろう。
今回、和田さんは正論を吐いているけれど、そんな彼女でも番組内で自身の商品のPRを行っているのを、何度か見掛けた事が在る。「国会という公共の場で、自身の商品のPRは駄目。」と言うので在れば、番組内で自身の商品のPRをするというのも、同様におかしい筈だ。
もうずいぶん前のことで記憶があいまいですが、あるバラエティ番組でお笑い系の芸能人が、番組スポンサーとは関係のないメーカーの商品名を出して称賛したことがあり、それが縁になったのか、後日そのメーカーの商品のCMに起用されたとか。
そんな「成功体験」からか、一時期バラエティ番組では放送内容に関係なく商品名を連呼する芸風が流行っていたように記憶します。
あさましいといえばあさましく、涙ぐましい努力といえば言えなくもない(苦笑)、芸能界や放送界とは不思議な世界ですね。。
一時期、ステマ(ステルレス・マーケティング)が問題になりましたね。ステマとは「消費者に宣伝広告である在る事を隠し、悟られない様にセールス・プロモーション活動を行う事。」を意味しますが、「然も自分が私生活で使い、とても良かったから“好意”で教えて上げている。」という体を取り乍ら、実際には「商品の販売元からセールス・プロモーションを依頼され、実際には使ってもいないのに、『良い商品!』と宣伝し、広告料を貰う。」というスタイルを取っていた著名人が続々。絡繰りがばれた事で、彼等は信頼を失い、消えて行きましたが。
「家電製品に詳しい“家電製品芸人”が、御薦めの家電製品を番組で紹介する。」なんていう番組は今も在りますが、此れなんぞも“グレー・ゾーン”と言えましょう。「芸人なら、本業の芸で生計を立てろよ。」と自分なんぞは思ってしまいますが。
思えば“往年のスター達”は概して、こういう浅ましい事をしていなかった。有名人の質が下がった事で、浅ましいビジネスに励む有名人が増え、延いては本当のスターが消えて行ったのかも知れません。