今年の日本シリーズは、ジャイアンツとゴールデンイーグルスが対戦する事となった。先日での記事でも記した様に「日本シリーズは、リーグ優勝をしたチーム同士が闘うべき。」と一貫して考えているので、両リーグの覇者が闘う事になったのは、非常に良かったと思っている。
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「投打に関する、両チームの主な成績(レギュラー・シーズン終了時)」
ジャイアンツ
【防御率】3.21
【セーヴ】48
【ホールド】108
【完投】8
【完封勝利】16
【打率】.262
【得点】597
【安打】1,285
【本塁打】145
【盗塁】90
【犠打】109
【四球】432
ゴールデンイーグルス
【防御率】3.47
【セーヴ】36
【ホールド】67
【完投】13
【完封勝利】16
【打率】.267
【得点】624
【安打】1,287
【本塁打】96
【盗塁】62
【犠打】110
【四球】487
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投打共に、似通ったチームという感じがする。投手陣は良いし、打率や安打数、犠打数も略同じ。大きな違いを挙げるとするならば、「投手陣が良いというのは同じでも、ジャイアンツの場合はリリーフ陣の良さが際立っているのに対し、ゴールデンイーグルスの場合は先発投手の頑張り、特に今季は『24勝0敗1セーヴ』と1つも負けなかった田中将大投手の獅子奮迅振りが際立っている。」、「ジャイアンツは本塁打と機動力で圧倒。一方、ゴールデンイーグルスは相手投手の球を確りと見極めて四球を稼ぎ、得点圏で確実に点を奪う。」事ではなかろうか。
「ダルビッシュ有投手が抜け、日本球界に於ける“大エース”は田中投手で在る。」というのは以前にも書いたが、今季の彼は本当に凄かった。不調の試合も無かった訳では無いけれど、シーズンを通して「非の打ち所が無い投球」をしたと言っても良いだろう。
だが、彼だって人間だ。幾ら凄いからと言って、同じプロの飯を食っている打者達が、此処迄も遣られっ放しというのは、余りにも情け無い。「星飛雄馬や番場蛮が繰り出す様々な魔球を、ライヴァル達が知恵を振り絞り、努力を重ねる事で打ち崩して行った様に。」と書くと、「其れは漫画やアニメの話だから。」と一笑に付されてしまいそうだが、否々現実の試合の中でも、例えば「江夏豊投手を、プッシュ・バント攻撃で沈めた。」等、相手チームが策を弄して大投手を攻略したケースは結構在るのだ。打者に対してで在り、且つ成功したとは言えないけれど、嘗てカープが生み出した「王シフト」なんぞは、其の斬新さも含めて「天晴れ!」と言えたし。
ジャイアンツ・サイドとしては、「プッシュ・バントを仕掛けたり、花巻東の千葉翔太選手の様なカット打法で球数を多く投げさせる事で、田中投手の体力を奪う。」というのが現実的な策だろうが、実際問題として「其れでも攻略は難しいだろうな。」と正直思う。
極論だが、「田中投手が先発する試合は負ける物と計算し、他の試合を絶対に落とさない。」といった思考の切り替えが必要かもしれない。田中投手以外が先発した試合は常にジャイアンツがリードした状態で、田中投手のリリーフをも許さない。」位の考え方じゃないと、ジャイアンツの日本一は無理な気がする。
で、「何方が日本一になるか?」だけれど、「4勝2敗でゴールデンイーグルス。」と予想する。短期決戦では、「絶対的なエースの存在」は脅威だから。万が一ジャイアンツが日本一になるとすれば、田中投手を1試合でも打ち崩し、「4勝3敗」でという事になるのではないかと。
ゴールデンイーグルスに対しては恨みも何も無いけれど、如何せん“大嫌いなおっさん”が指揮を執っているチームなので、例年以上にジャイアンツには日本一を達成して貰いたいのだが。
9回までリードを許さずに持ちこたえられれば、延長に入ればさすがのマー君も交代する、リリーフ陣は彼より劣る投手だけだ、と。
実際、マリーンズの1勝は先発の則本が降板したあとリリーフを打ち崩してのものでした。
相手が田中投手で在っても、自チームの投手陣が相手チームに1点も与えなければ、試合は最悪でも引き分けに終わり、負ける事は無い。況やジャイアンツのリリーフ陣は鉄壁ですから、田中投手が降板する迄にジャイアンツの投手陣が無失点で在れば、確かに田中投手の降板後にジャイアンツ打線が得点し、勝つ可能性は充分在る訳ですが・・・。
今季で言えば、ジャイアンツの先発陣で完封出来そうな投手が、正直見当たらないんです。強いて言えば菅野投手でしょうが、新人投手に其処迄求めてしまうの酷。
四球を多く稼いでいる事からも、ゴールデンイーグルスの打者達は確りと投球を見極められる。臭い所を突いた揚句、四球を与え、外国人打者に一発を食らう・・・なんて展開になる事を、最も懸念しています。