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「堀内恒夫氏『2ストライクから打たれるのは、恥と知れ。』 巨人・田中豊樹に桜井俊貴に」(5月10日、スポーツ報知)
勝ったから良いが、巨人には反省材料が満載だった。其の筆頭が、中継ぎ陣の2ストライクからの投球だ。
先ず田中豊。7回無死1、2塁、村上を簡単に追い込み乍ら、3球目を右前に打たれた。更には桜井だ。西浦に0-2から背中にぶつけて、一時は勝ち越しとなる1点を与えた。
2ストライクから打たれるのは、投手にとって“恥”以外の何物でも無い。現役時代、巨人では0ボール2ストライクから打たれると、罰金を取られた。投手が絶対有利なカウントでの失投だから、許されないのは当然だ。
「巨人では(0ボール)2ストライクから打たれると、罰金を取られる。」という話は、他球団の知る所になった。其処で迎えた1967年の阪急との日本シリーズ第2戦(10月22日・西宮)。先発した私は初回無死1、2塁のピンチを招き、スペンサーを0―2と追い込んだ。「阪急は、罰金の話を知っている筈。」と思った私は、噂話を逆手に取って3球勝負。見逃し三振に取った。「巨人は彼処で、1球外すんじゃないのか。」。試合後にスペンサーの話を聞いて、為て遣ったりだった。此のゲームは、1―0で完封勝ちした。巨人V3の年だ。
私の事は扨措き、田中豊、桜井共「其の辺に投げれば良い。」という意識しか無いから、此の結果を招くのだ。田中豊は7回、先頭打者にも四球を与えた。ベンチが、最も嫌がる投球だ。試合の終盤になると、首脳陣は或る程度の青写真を描いて、投手を起用する。こういう投球をすると試合のリズムを壊し、采配が後手後手を踏んでしまう。2人には猛省を促したい。
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昔書いた事だが、“ジャイアンツの野球の伝統”で一番気に食わないのは、「0ボール2ストライクとなったら、次の投球は明らかなボールとする。」という物。堀内氏が話している様に、「ジャイアンツでは0ボール2ストライクから打たれると、罰金を取られるから。」というのも在る様だが、「『良い球が3つ連続する訳が無いから。』という理由“も”在る。」という説明を見聞した事が在り、「随分、非論理的な理由だなあ。」と呆れてしまった。
「0ボール2ストライクとなったら、次の投球は明らかなボールとする。」という意味不明な伝統から、投手にとって有利な状況を自ら放棄し、結局はカウントを悪くして四球を出したり、打たれたりするパターンを何度も見て来た。特に制球力の無い投手の場合、此の“悪しき伝統”によって「四球連発して自滅。」というのも結構在った。「0ボール2ストライクから、3球勝負しても構わない。」という風に、ジャイアンツの野球を改めて欲しい。
と言っても、投手が圧倒的に有利な「0ボール2ストライク」というカウントから、“無根拠としか思えない3球目”を投げて打たれた場合は、プロの選手として批判されるのも当然。根拠の在る投球か否かで、批判すべきかどうかは分けるべき。
で、今回、堀内氏が俎上に載せている田中豊樹&桜井俊貴両投手の投球に付いてだが、自分も堀内氏の指摘に全く同感。彼等には“根拠の在る投球”を感じる事が元々余り無く、投手にとって良いカウントから“自滅”するパターンが多いので、登板すると怖くて堪らない。昨季も登板する機会が多かった2人だが、個人的には「何で彼等が重用されるのだろうか?」と不思議でならなかった。(桜井投手に関しては、2019年に「8勝6敗」という数字を残してはいるものの、防御率は「4.32」と決して良く無い。5年間のプロ生活で、通算防御率は「4.78」と、トレード候補になっても全くおかしくない投手だと思っている。)
こんな不安定な投手を使い続ける位なら、若くて可能性の在る投手を起用して欲しい。最初は結果を残せないかも知れないが、何度も何度も同じ失敗を繰り返す投手を起用し続けるよりは、余程ジャイアンツにとって有益だろう。