ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

遠く輝く夜空の星に 僕等の願いが届く時♪ Part2

2007年02月18日 | TV番組関連
「メビウス!御前の強さの秘密は、人間との絆だ。だが、それが最大の弱点でも在る。御前はGUYSのサポート無しでは、まともに戦えない。無力なウルトラマンなのだよ。貴様には何も守れぬ。悔しがれ”絶望しろ!(中略)御前の負けだ。一人では何も守れない、無力なウルトラマンよ!」

勝ち誇った雄叫びを上げるヤプールの前に、メビウスは遂に力尽きて倒れてしまう。「ヤプールの言う通り、一人きりの僕には何も守れない。アヤさんの命も・・・。」薄れ行く意識の中で、ミライが嘆きの声を発した時・・・。

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星司: 「御前は一人じゃないぞ、メビウス!」
ミライ: 「え!?エース兄さん!」
星司: 例え離れていても、御前には感じられる筈だ。勝利を信じて戦っている仲間達の姿が。嘗て俺も・・・大切な仲間と別れた。共に苦しみ、笑い、戦った人と。彼女は自分の使命を終えた時、同朋達が待つ場所に帰って行った。
ミライ: 「知っています。その人は月の人間だったんですね。」
星司: 俺は一人っきりになった。だが俺は戦えた!離れ離れになっても、彼女の意志が俺の中に居たからだ。俺達は変わらず一緒に戦っている。そう実感出来たからだ。
ミライ: 「離れていても・・・一緒に。」
星司: 「立てメビウス。仲間達の思いと共に、ヤプールを倒せ!!」
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星司が夕子を語る時、そのバックには35年前の二人の姿が次々に浮かび上がって行く。「俺達は変わらず一緒に戦っている。」と語るシーンでは、星司が自らの左胸に手を当てて、夕子と未だに一体で在る事を訴える。涙が止め処無く溢れてしまった。

月に不時着したGUYSメンバーの前に現れたのは、”満月超獣”ルナチクス。35年前、星司&夕子が別離した際と同じ敵を持って来る所が、メビウス・スタッフの心憎い演出だ。地球からGUYSメンバーの戦いを見守っていた星司が彼等の窮地を目にし、夕子・・・。行くぞ!と叫び、そしてウルトラリングを合わせてAに変身する。変身ポーズもあの時のままならば、BGMもAが飛び出すシーンもあの時のまま。画面が涙で雲ってしまった。(You Tube編集された動画が載っていた。)

噂になっていた通り、終盤に夕子が星司の前に現れる。残念ながら二人の合体変身は見られなかったし、夕子の髪型も例の”おかっぱ頭”(当時「夕子カット」と呼ばれたあの髪形は、御笑いコンビ「品川庄司」の品川祐氏の祖母で在る山野愛子さん[美容家]が考案したものだったとか。)ではなかった。しかし35年の”空白”を埋めてくれる、御洒落で感動的なシーンだった。

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夕子: 「星司さん。」
星司: 「夕子・・・。」
夕子: 「本当に御久し振り。」
星司: 「ああ・・・。」
夕子: もし私が月の人間じゃなくて、ずっと地球に居られたら、星司さんと一緒にこんな風に年を重ねていたのかもしれない。
星司: 「そうだな・・・。」
夕子: でも後悔はしていません。さっき星司さんが言ってくれた様に、も星司さんをずっと近くに感じていたから。
星司: 「夕子・・・。」
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静かに見詰め合う二人がやがて近付き、そして片手同士を重ね合わせる。その刹那、嘗て二人が”ウルトラタッチ”でAに変身した時の様に、重ね合わせた手の間から眩い光が放たれる。”平成のウルトラマンAの変身シーン”の様に自分には思えた。

「ウルトラマンA」の脚本家の一人・市川森一氏が後年、「実はAの最終回で、星司と夕子を結婚させるつもりだった。」という話を漏らされいたとか。実に興味深い話だが、もしこれが事実ならば今回夕子が口にした「もし私が月の人間じゃなくて、ずっと地球に居られたら、星司さんと一緒にこんな風に年を重ねていたのかもしれない。」という言葉が、より切なさを伴って心に伝わって来る。

大好きな地球人を守る為、巨大ヤプールを命懸けで倒したメビウス。しかし命を救われたヒルカワはミライに向かって、「俺は見たぞ。御前の正体を。黙ってるつもりは無いからな。」という捨て台詞を残して立ち去って行く。人間の醜悪さを見せ付けられ再び傷付くミライに、星司が諭す様に語り掛ける言葉が胸を打つ。34年前、「ウルトラマンA」の最終回でAが地球人に送った”最後の言葉”とほぼ同じ*2で(動画)、こういった所にもメビウス・スタッフのウルトラ・シリーズに対するオマージュの念を強く感じてしまう。

ミライ。優しさを失わないでくれ。弱い者を労わり、互いに助け合い、何処の国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。例えその気持ちが何百回裏切られ様と。それが私の・・・変わらぬ願いだ。

数多のアニメ。そしてウルトラ・シリーズや仮面ライダー・シリーズを始めとする数多の特撮物。これ等の素晴らしい”宝物”に恵まれて育って来た自分は、本当に幸せ者だと思う。

次回は「帰ってきたウルトラマン」の郷秀樹(団時朗氏)が帰って来る様だ。メビウスから益々目が離せない。

*1 当時は然して疑問を感じずに見ていたのだが、孤児院を訪れた星司達と一緒に子供達がウルトラマンAの歌を歌うシーンが登場する。その子供達は平然と「今だ!変身!北斗と南♪」と歌っているのだが、「それじゃあ招待バレバレじゃないか!」と大人になった自分は思わず突っ込みを入れてしまった。

*2 ウルトラマンAの声が34年前と同じ納谷悟朗氏(「ルパン三世」の銭形警部の声でも御馴染み。)が担当されていたのも嬉しかった。

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7 コメント

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感動(T-T) (ウルトラアイNO.6)
2007-02-18 21:28:00
giants-55様 今晩は。
コメント、TB有難う御座いました。木曜日の放送まで待てる筈なく、YouTubeでフライングチェックしてしまった私です。感動で涙してしまいました。「優しさを失わないでくれ」の件でさらに号泣いい言葉ですよね。大好きです。つい先日久しぶりにエース最終話を観て涙したばかりでした。北斗と南の合体変身シーンは無かったものの、giants-55様の仰られるとおり、お二人の重ねた手を見て”平成のウルトラマンAの変身シーン”まさにその通りだなぁと感じました。北斗と南のシーン、とても綺麗でしたね。エースの最終回で星司と夕子を結婚させるつもりだったなんて知りませんでした。その事を知ったうえで観ていたら、私も感動の度合いが違ってたと思います。あれだけ魅せてくれるとは感激です!今までタロウ、レオ、80、ゾフィと客演しましたが、今回のエースが一番良かったと思います。エースも可愛かった?ですね!声も納谷悟朗氏でしたし、登場シーンも効果音も当時のものを使ってたのが凄く良かったです!メタリウム光線に痺れました来週の新マンも楽しみですね。でも後少しでメビウスも終了・・・寂しいですよね(_ _。)・・・

ウルトラマンAの歌ですが、笑
皆さん同じようなことを思っているんですね!
私も「ばらしてるやん!」って突っ込み入れた一人です
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TB&コメントありがとうございました。 (破壊王子)
2007-02-18 21:48:28
今にして思えば贅沢な予告編でもあった劇場版。そこでもD4が変身する前、北斗が左手側のウルトラリングに目をやりながら台詞をいうシーンがありました。今回の話は、その時ともリンクしてるように思いました。

月面が舞台ということで、南夕子の傍らにはモチロンの姿が・・・流石にありませんでしたね。居たら居たで面白いんですが。
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ああウルトラシリーズ (ぶりゅーわー@ソレイタだ木田)
2007-02-18 21:58:22
いやあ、南夕子こと星光子さん、おきれいでしたねえ・・80といい、今回のエースといいメビウスはどうなっていくのでしょうか。次回は郷秀樹こと団時朗さんが出演ですか。ならば坂田兄妹こと榊原るみさんと今はなき岸田森さんを出演させてほしいところです。もっといえばセブンが出るエピソードがあればとうぜんモロボシダンこと森次晃嗣さんとアンヌ隊員ことひし美ゆりこさんが出演ということになるんでしょうか、というかぜひそうしてほしいです。また、敵方にメフィラス星人がいるということは、ウルトラマンことハヤタこと黒部進さんが出演する可能性があると勝手に思ってしまいます。クライマックスに向かってメビウスの展開に期待しています。
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ウルトラマンエース完結編…? (さのかづみ)
2007-02-18 23:00:36
こんばんは。

今回メビウスが巨大ヤプールを倒し、北斗星司と南夕子の再会シーンが登場し、『ウルトラマンエース』の事実上の最終回になるのかなぁ~…? まだまだ続いて欲しいところですが、『メビウス』が昭和シリーズの続編と言うよりは“総集編”的な作られ方で、しかもウルトラシリーズ次回作の制作も予定されていないだけに、怪しいところですね…。

もっともダンとゲン、ダンとアンヌ、郷と坂田次郎、坂田次郎とセリザワ前隊長の再会、そして東光太郎の現在etc.…、見てみたい場面に『メビウス』オンエア中に実現出来そうも無い物も在りそうなので、そのあたりも含めて、いずれは新しいエース絡みの話を制作していただきたいところです。



追記

実は、自分の最初の“ウルトラシリーズ・リアルタイム体験”は『帰ってきたウルトラマン』でした。

次回もまた、感動作を期待してしまいます。



長文失礼しました。
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>ぶりゅーわー@ソレイタだ木田様 (giants-55)
2007-02-19 00:18:06
書き込み有難うございました。

北斗と南の35年ぶりの夢の共演、未だに感動の余韻が残っております。メビウス関連のブログでも、演出の巧みさを評価する声が多い様ですね。御二方の共演が感動的だったのは言う迄も在りませんが、破壊王子様が御自身のブログで書かれておられました様に、ヤプールの人間を演じておられた清水綋治氏の悪役ぶりが、この作品をより印象的に仕上げたと思います。良く言われる事ですが、勧善懲悪物は正義のヒーローも然る事乍ら、悪役がどれだけ魅力的かというのも重要なファクターなんですよね。

郷秀樹登場となれば、やはり坂田兄弟の登場を期待してしまうのですが、アキ(榊原ルミさん)は亡くなったという設定ですので、現実的な形としては”アキと似た面影を持つ別人”という事になるのでしょうね。次郎を演じておられた川口英樹氏御本人から以前書き込みを頂戴致しましたが(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/df923c4a0d0468f633ba154130fea1dc)、今は自営業をされているそうです。役者稼業からは引退されているのかもしれませんが、出演が叶うものならばして戴きたかった。

メフィラス星人が登場した事で、ウルトラマンとの対決を予期された方も多い様ですね^^。どうやら、そういう方向になるみたいですよ。楽しみです。

ウルトラ・シリーズに縁深き俳優という事で、前回&今回は清水綋治氏が登場された訳ですが、個人的には「ウルトラマンタロウ」で牛男を演じた蟹江敬三氏や、やはりタロウでZATの二代目副隊長を演じられた三谷昇氏(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/29534cdbec2e795d5a427008361ae204)等に登場して貰いたかったですね。
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Unknown (tak_123)
2007-02-19 13:57:28
 
ううん~中々魅せてくれましたね>今回のメビウス。
自分的にはAのバトルシーンでの動き方や声(giants-55さんのご指摘のように納屋悟郎さん)に拍手でした。あれがウルトラマンですよ!あの機敏な動きが。たとえ放送時間の問題で若干フィルムの早回しでもアレぐらいきびきびしてくれれた、見ているこちらもしゃきっとしました^^。
今回の北斗の変身シーンは格好よかったっですね。
中年になっても変身シーンで格好良く映るというのはこりゃ素晴らしい演出と役者さん本人の思い入れのなせる業ですね。
南夕子こと星光子さんもお綺麗でよかったです。
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>tak_123様 (giants-55)
2007-02-19 20:33:50
書き込み有難うございました。

エースの動きは本当に機敏でしたね。タロウが登場する迄はAがウルトラ兄弟の末っ子という設定で、人間体の北斗を含めてヤンチャっぽさ&無鉄砲さがエースの魅力でしたから、あの機敏な動きに往年のエースを感じました。

Aの声、どうやら納谷悟朗氏が担当した際の古い音源を使用した様です。納谷氏が大病(癌)され、体調が戻っていない為とか。77歳という年は未だ未だ老け込む年では在りませんし、実弟の六朗氏は未だに現役の声優(「クレヨンしんちゃん」の園長先生の声等。)として頑張っておられますので、病を克服されて又あの声を聞かせて欲しいです。

北斗、格好良かったですね。還暦を超えた身で、あれ程白いチーフの似合う人物は北斗以外に居ないでしょうね^^。

個人的には夕子のイメージってゆっくりした語り口というイメージが在っただけに、今回の結構な早口は驚きでも在りました。

P.S. うどんと蕎麦で言えばうどん派なのですが、夏の暑い最中には「蕎麦は美味しいなあ。」と感じます。世の中には蕎麦アレルギーを持った方も居られる訳ですが、元同僚がその蕎麦アレルギーでした。何でも昔、レストランでトマトスープを頼んだ際、それを飲んだ後に意識を失ってしまい、結構ヤバイ状態になったそうです。実はそのスープには、蕎麦の実がほんの少しだけ入っていたそうで、それが原因だったとか。そんな少量でも大変な事になってしまうんだ・・・とビックリさせられた話でした。

それにしても十割蕎麦ってどんな感じなのか興味在ります。話では蕎麦粉が十割に近付けば近付く程、麺がブチブチ切れてしまうので、蕎麦粉十割の蕎麦は作るのが難しいと聞いた事が在りますので。
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