“次の首相”に望む事

昨日、安倍晋三首相が辞任する意向を表明した。「持病の潰瘍性大腸炎が再発し、首相の職務を遂行する事が困難になったので。」というのが、辞任の理由だとか。彼が馬鹿の一つ覚えの様に口にしていたフレーズを真似るならば、「“悪夢の様な安倍政権が終わるのは、心の底から喜ばしい。」というのが正直な気持ち。

安倍首相が潰瘍性大腸炎を罹患しているのは事実だろう。でも、「第１次政権を投げ出す事になった“本当の理由”は、潰瘍性大腸炎では無く、辞任する直前に報じられた“相続税３億円脱税疑惑”だった。」と、自分は今でも思っている。言い訳出来ない状況だったからこそ、途中で辞めざるを得なかったと。だから、「潰瘍性大腸炎が再発し、体調悪化した事から、安倍首相は辞任するのではないか？」という報道がされ始めた頃から、「彼が、病気で辞任する事は無い。」と思っていた。

７年前の記事「大失望」のコメント欄でも書いたけれど、安倍首相を突き動かしているのは「自分を馬鹿にした連中を見返してやる！」という“怨念”で在り、見返す最大の方法が「歴史に自分の名を刻む。」という事。「首相として、憲法改正を成し遂げる。」、「東京オリンピック開催を決め、そして開催時に首相として臨む。」、「首相として、拉致問題や北方領土問題を解決する。」等の他、「首相として、在任最長記録を作る。」というのもそうだ。

「彼が、病気で辞任する事は無い。」と思っていたけれど、「万が一辞任するとしたら、佐藤栄作元首相が持つ“連続在任日数１位”を、８月２４日に塗り替えて以降。」という思いは在った。記録を塗り替え、“先”を見据えれば「“子分”の政治家達が次々と捕まり、政権運営は厳しくなる。新型コロナウイルス感染症対策は全く出来ていないし、憲法改正、拉致問題及び北方領土問題の解決は無理。来年に延期された東京オリンピックも、恐らくは開催出来ないだろう。“落ちる一方”ならば、もう辞めてしまおう。」というのが、本当の所では無いだろうか。

自分が「安倍首相は、史上最悪の首相。」と言い始めたのは、決して最近の事では無い。（彼が首相に返り咲いてから間も無い）７年前の記事「子供染みた言動」の中でも、そう書いている。彼の父親・安倍晋太郎氏が幼い頃から息子の晋三氏に対し「御前は、政治家に必要な“情”が無い。だから、政治家になってはいけない。」と言っていたのは知る人ぞ知る有名な話だが（だから、晋三氏は父親を始めとする安倍家を恨み、出来るだけ触れない様にしている訳だが。）、「彼は首相以前に、政治家にしてはいけない人物だった。」と自分は思っている。「情が無い。」というのは別にしても、一番の理由は「中身が全く無く、余りに幼稚だから。」で在る。

「憲法改正を声高に叫んでいるけれど、彼がして来た発言の数々からは、日本国憲法に付いて余りに無知なのは明らか。」、「自分を盲目的に支持してくれる人達は“御友達”で在り、血税を投入して優遇する一方、少しでも批判する人達は“非国民”として叩く。自分にとって不都合な指摘をされると、全く無関係な事を持ち出して来たり、逆切れしたりして誤魔化す。」、「自分に都合良い様に、法解釈を捻じ曲げる。」、「不都合な事には平然と嘘を吐き、不都合な公的書類は改竄させたり、破棄させたりする。」等々、こんなにも厚顔無恥で幼稚な首相を、自分は他に知らない。

「決まり事は、きちんと守る。」、「嘘は吐かない。」、「質問された事に対して、真摯に答える。」等、我々が大事にして来た道徳心や規範意識が、安倍政権によって徹底的に“破壊”されて来た。其れだけでも安倍首相は、万死に値するだろう。

次の首相候補として名前が挙がっている中で言えば、石破茂氏が一番評価している。（過去に彼が口にした「単なる絶叫戦術は、テロ行為と其の本質に於て余り変わらない様に思われます。」という発言等、気になる点は在るけれど。）「安倍政権下で“茶坊主”と化した河野太郎氏や岸田文雄氏。」はどうかと思うし、「中身が全く無く、“言うだけ番長”の小泉進次郎氏。」に関しては、候補に名前を挙げられる自体が理解出来ない。名前が挙がっていない政治家では、後藤田正純氏なんかは良いと思っているが。

兎にも角にも、次の首相に望む事は「『決まり事は、きちんと守る。』、『嘘は吐かない。』、『質問された事に対して、真摯に答える。』といった“当たり前の事が当たり前に出来る大人”で在って欲しい。」というのが“最低線”で在る。