ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「滅びの前のシャングリラ」

2021年01月14日 | 書籍関連

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「『明日死ねたら楽なのに。』と、ずっと夢見ていた。なのに最期の最期になって、『もう少し生きてみても良かった。』と思っている。」。

1ヶ月後、小惑星地球に衝突する。滅亡を前に荒廃して行く世界の中で、“人生を上手く生きられなかった4人”が、最期の時を、どう過ごすのか。
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小説流浪の月」で、第17回(2020年)本屋大賞を受賞した凪良ゆうさん。本屋大賞受賞後に上梓した第1作が、今回読了した「滅びの前のシャングリラ」。

「1ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。」と或る日、唐突に知らされた世界中の人々。「地球が壊滅的な被害を受けるのは確かで、人類が滅んでしまう可能性も在る。」という現実に直面した彼等は、様々な行動に出る。「1ヶ月後には死んでしまうのだから。」と自暴自棄になり、暴動略奪等の犯罪に走る人達が現れる一方で、息子の来年の受験の心配をしたり、暴動等で破壊されたインフラを必死になって直す人達が存在する。「“日常”と“非日常”という相反する状況が混在する、実に不思議な世界。」が描かれているのだが、「唐突に“1ヶ月後の死”を突き付けられると、こんな感じになるのかもなあ。」と納得出来たりも。

“人生を上手く生きられなかった4人”に焦点を当て、「彼等が、残りの1ヶ月をどう生きるか?」というストーリーなのだけれど、「色んな点で既視感の在る作品。」という印象が拭えない。「『日常の中に打っ飛んだ非日常を入れ込み、全く関係性が無いと思われた人々の関係性が、次々と明らかになって行く。』というのは伊坂幸太郎氏の作風。』を、「『小惑星が地球に衝突するという現実を前に、様々な行動に出る人達を描く。』というのは、映画ディープ・インパクト』の雰囲気。」を感じさせるし、浜崎あゆみさんや華原朋美さんといった実在の有名人や、オウム真理教の信者達を思い起こさせる登場人物が登場するからだ。全体的に目新しさが無いし、結末も「予想通り。」といった感じ

総合評価は、星2.5個とする。


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