「3年B組金八先生(第7シリーズ)」で、発達障害がテーマの一つとして取り上げられる。その事に関して、「金八フリーク」のコメント欄に、「発達障害の一つに「注意欠陥多動性障害(ADHD)」というのが有り、「集中力が続かず、識字能力に難が有る(字を覚えられない。)等の症状」で、モーツアルトやニュートン、エジソン、坂本龍馬、トム・クルーズもこの障害を抱えていた(る)。」と、以前読んだ書籍の記憶を頼りに書いた。昨日、教育関係の仕事に従事している友人と会う機会が有り、一寸気になったので、この話をしてみた所、「それは、LDの症状だよ。」と一笑に付されてしまった。彼は仕事柄、発達障害の勉強をしているという事で、詳しく話を聞かせて貰った。裏付けを取らずに、うろ覚えの知識で、記事を書いてしまった事を恥じ入るばかりである(^o^;;;(アドヴァイス戴いた一葉様、本当に有難うございました。)
そこで、自戒の念を込めて、発達障害の代表例として「LD」と「ADHD」に付いて、諸文献を基に改めて書いてみたい。
① LD(Learning Disability=学習障害)
LDは、教育上の概念。文部省(当時)が纏めた定義は次の様になっている。
「学習障害とは、基本的に全般的な知的発達に遅れは無いが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力の内、特定の物の習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害が有ると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害等の障害や、環境的な要因が直接の原因となるものでは無い。」
LDの定義として、次の(1)&(2)が主要素として挙げられる。又、関連する要素として、(3)~(5)が挙げられる。
(1) 話し言葉(話す&聞く)に困難が有る。
(2) 学力(読み書き、算数等)に困難が有る。
(3) 注意力(集中力や持続力の障害、多弁、多動)に困難が有る。
(4) 社会性(ソーシャル・スキル、社会的認知能力)に難が有る。
(5) 運動能力(運動調整能力等)に困難が有る。
つまり、LDは「知的障害が無いというのが前提に有り、中枢神経系の障害を原因とした、学力又はコミュニケーション能力の困難」という事になる。
又、LD障害者には、次の様な行動上の問題が多く見られるとの事。
・ 集団の決まりが守れない。
・ 他者の気持ちを察する事が苦手。
・ 約束事が守れない。
・ 感情のコントロールが出来ず、他者とトラブルを起こす事が多い。
② ADHD(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder=注意欠陥/多動性障害)
ADHDは、医学的な診断用語。特徴としては、次の3つ行動が挙げられる。
(1) 不注意
学業や仕事での注意持続の困難。「不注意な過ちを犯す。」、「必要な物を失くす。」、「ルーティン・ワークを忘れてしまう。」、「注意が持続出来ない。」等。
(2) 多動性
離席や喋り過ぎ等の運動調整の困難。「手足をソワソワ動かす。」、走り回ったり、高い所へ上ったりする。」、「じっとしていない。」等。
(3) 衝動性
順番を待てない等行動の抑制の困難。「他人にちょっかいを出す。」や「質問が終わらない内に答えてしまう。」等。
「知的障害が無いというのが前提に有り、中枢神経系の障害が原因と推定される。」という点は、LDと同じ。
ADHDは7歳未満に発症し、学齢期で3~5%の子が該当すると言われている。(海外では、14~19%という報告も有るとか。)男女比では、4対1で男性に多いのだとか。
③ LDとADHDの関係
LDもADHDも、躾等の親の養育態度に問題が有るのでは無く、基本的な原因は中枢神経系の障害に有ると推定されている。基本的には、LDとADHDは別の障害で有るが、「学習のつまづきと注意欠陥・多動性の問題の合併」を起こす割合も高い。
LDを抱えた有名人としては、エジソンやアインシュタイン、トム・クルーズの名前が挙がっている。又、ADHDを抱えた有名人には、レオナルド・ダ・ヴィンチやモーツァルト、坂本龍馬が挙げられ、その他にもエジソンやアインシュタインの名前が挙げている資料も有る。上記した様に、エジソンやアインシュタインはLDとADHDの症状を合併して抱えていたのかもしれない。何はともあれ、こういった障害を抱えながらも、不屈の努力で偉業を成し遂げた彼等には、本当に頭が下がる思いだ。
今回の記事は各種文献に当たった上、私見を排除して書いたのだが、何せこの分野に関しては知識が浅い自分なので、細かいミスや誤解が有るやもしれない。もし、その様な箇所が有れば、遠慮なく御指摘及び御助言戴けると有り難い。
そこで、自戒の念を込めて、発達障害の代表例として「LD」と「ADHD」に付いて、諸文献を基に改めて書いてみたい。
① LD(Learning Disability=学習障害)
LDは、教育上の概念。文部省(当時)が纏めた定義は次の様になっている。
「学習障害とは、基本的に全般的な知的発達に遅れは無いが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力の内、特定の物の習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害が有ると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害等の障害や、環境的な要因が直接の原因となるものでは無い。」
LDの定義として、次の(1)&(2)が主要素として挙げられる。又、関連する要素として、(3)~(5)が挙げられる。
(1) 話し言葉(話す&聞く)に困難が有る。
(2) 学力(読み書き、算数等)に困難が有る。
(3) 注意力(集中力や持続力の障害、多弁、多動)に困難が有る。
(4) 社会性(ソーシャル・スキル、社会的認知能力)に難が有る。
(5) 運動能力(運動調整能力等)に困難が有る。
つまり、LDは「知的障害が無いというのが前提に有り、中枢神経系の障害を原因とした、学力又はコミュニケーション能力の困難」という事になる。
又、LD障害者には、次の様な行動上の問題が多く見られるとの事。
・ 集団の決まりが守れない。
・ 他者の気持ちを察する事が苦手。
・ 約束事が守れない。
・ 感情のコントロールが出来ず、他者とトラブルを起こす事が多い。
② ADHD(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder=注意欠陥/多動性障害)
ADHDは、医学的な診断用語。特徴としては、次の3つ行動が挙げられる。
(1) 不注意
学業や仕事での注意持続の困難。「不注意な過ちを犯す。」、「必要な物を失くす。」、「ルーティン・ワークを忘れてしまう。」、「注意が持続出来ない。」等。
(2) 多動性
離席や喋り過ぎ等の運動調整の困難。「手足をソワソワ動かす。」、走り回ったり、高い所へ上ったりする。」、「じっとしていない。」等。
(3) 衝動性
順番を待てない等行動の抑制の困難。「他人にちょっかいを出す。」や「質問が終わらない内に答えてしまう。」等。
「知的障害が無いというのが前提に有り、中枢神経系の障害が原因と推定される。」という点は、LDと同じ。
ADHDは7歳未満に発症し、学齢期で3~5%の子が該当すると言われている。(海外では、14~19%という報告も有るとか。)男女比では、4対1で男性に多いのだとか。
③ LDとADHDの関係
LDもADHDも、躾等の親の養育態度に問題が有るのでは無く、基本的な原因は中枢神経系の障害に有ると推定されている。基本的には、LDとADHDは別の障害で有るが、「学習のつまづきと注意欠陥・多動性の問題の合併」を起こす割合も高い。
LDを抱えた有名人としては、エジソンやアインシュタイン、トム・クルーズの名前が挙がっている。又、ADHDを抱えた有名人には、レオナルド・ダ・ヴィンチやモーツァルト、坂本龍馬が挙げられ、その他にもエジソンやアインシュタインの名前が挙げている資料も有る。上記した様に、エジソンやアインシュタインはLDとADHDの症状を合併して抱えていたのかもしれない。何はともあれ、こういった障害を抱えながらも、不屈の努力で偉業を成し遂げた彼等には、本当に頭が下がる思いだ。
今回の記事は各種文献に当たった上、私見を排除して書いたのだが、何せこの分野に関しては知識が浅い自分なので、細かいミスや誤解が有るやもしれない。もし、その様な箇所が有れば、遠慮なく御指摘及び御助言戴けると有り難い。
2歳の自閉症の娘がいます。
娘の幸せを考える時、世間に広く誤解なく理解してもらえることが大切かと思いblogを始めました。
またお寄りください。
もしご興味があれば、「広汎性発達障害」や
「高機能自閉症」、「アスペルガー症候群」なども
調べると、彼らが抱える課題や可能性を学べると
思います。
ますます混乱してしまう可能性もありますが、、、。
そのため、私はボランティアをしていたとき、座学の
勉強だけでなく、「実際会ってみること」を
心がけていました。
「障害は一つの個性である。」という言葉が有ります。正直言えば、そこ迄達観出来る自信はないのですが、「発達障害」に関しても広く正しい認識が流布される事で、要らぬ偏見や中傷がなくなれば良いと思ってます。実際問題、金八で「性同一障害」を取り上げられた事によって、自分も持っていた誤った認識が改まりました。
それにしても、トム・クルーズの話は凄いですね。彼の飾らない人柄は昔から好きでしたが、半端じゃない努力が裏に在ったという事で、一層ファンになりました。
以前、インタビューの中でも「台本が読みにくいんだー(笑)」と語っていました。そんな彼も今や監督。
ありがとうございました。
肢体・聴覚・視覚・触覚・口語など、人間が持ち、日常で使う機能の分だけ、障害・病気はあるものです。
なのに、まだまだ理解は低いですよね。
発達障害についてはもっと脳機能学が進み、解明されていけば、まだ認知がしやすくなるのかなぁ、と思いますが、何よりも実際に目にしたり、接してみたほうが早いですね。理解は。
障害も、私たち生活の中でもいろいろな人がいるのと同様、各々の持ち合わせているものによって対応も少しずつ違ってきます。ので、これから出てくるであろう金八先生の対応は必ずしも正しいとは限らないと思いますが、もともと正解のないものなので、「基本としておさえるのはここか。」「この子にはこういう対応をしたらこうなんだ。」と観ていくと、案外、障害理解はもとより社会・学校教育現場の不備や問題点につながるものかと思います。
このように脳・内臓など体内に疾患のある発達障害や病気は、他者からみれば疑似体験も同じような感覚も持ちにくいので、自分たちと同じにできると勘違いし、間違った強要をしがちです。そうなると要らぬ悩みまで抱えさせてしまったりするので、そうならないためにも理解・協力が当たり前のこととして浸透していくことを願うばかりです。
でも、有名人と一緒だからいいや。
そんな感じ。
ADHDとLDの区別、って難しいですねぇ。
僕も全然理解できていなかった内容でしたので、
とても勉強になりました。ありがとうございます。
金八さんみたいに腹を割って話せたら良いんですけどうまくいかないものですね。
病気や障碍の表現については、なかなか難しいものがありますね
まだまだ世間一般に認知度が低い事柄だと思うので
色んなことを学ばなければと思いました
そういう意味でも金八先生は、少しづつ広めていってる作品ではないかと思います
長靴をはいたネコと申します。
私も、ここ1年ぐらい発達障害関連の講演会や勉強会に参加しているのですが、
なにをもって、自閉症、LD、ADHDとするかといったような「定義」は講演者・先生によって様々で、とても混乱します。