2月26日付け東京新聞(朝刊)に、「岩手・滝沢市が中学水泳授業中止へ」という記事が載っていた。此の記事によると、「岩手県滝沢市は新年度から、市内全6校の中学校で、水泳の実技授業を取り止める。」と言う。取り止める事に成った大きな理由は3つ在り、「校内プールの老朽化」、「欠席者の増加」、そして「生徒達の性の自意識への対応」だそうだ。
「校内プールの老朽化」に付いては、「各校のプールは設置から30年超が経過し、年間の維持費や補修費が嵩んでいる。」という現実が在る。
そして、「欠席者の増加」に付いてだが、同市内の中学校ではコロナ禍以降、体調不良を理由に水泳の実技を見学する生徒が急増し、或る学校では2023年の欠席者の割合が約36%にも達したそうだ。「体調不良の訴えに対し、学校側は以前よりも生徒に無理をさせなく成った。」という事で、健康面に配慮した結果と言える。「体調不良なんて、気の緩み以外の何物でも無い。休むなんて駄目だ!」という教育環境で育った自分なんぞからすると、隔世の感が在る。
で、「生徒達の性の自意識への対応」だが、"ジェンダー問題"が大きく関わっている。「肌を露出したく無い。」と要望する男子生徒も居るそうだが、「性別不合」という可能性も在るので、「仕方無いだろうなあ。」と思ったりもする。
滝沢市学校教育指導課によると、「水難事故を防ぐ為の授業は重要視しており、2025年度以降の小学5年&6年は校外でプロの講習を受け、中学進学後に校内での座学で補う。」と言う。「小学校と中学校との連携を進め、9年間の教育で充分足りる。」という判断からだ。
「感染症対策でプールが使えなくなったコロナ禍を経て、財政上の理由から、中学校の水泳実技を取り止めた市町村は少なく無い。」、「埼玉県鴻巣市、加須市は共に2022年度、福井県鯖江市は2023年度に廃止。校内プールは防火水槽としての役割に限られる。小学校も校外授業に切り替える市町村が、全国的に増えた。プールの数自体も減少。スポーツ庁の統計では、2021年の設置率は小学校が約87%、中学校は約65%。其れ其れ3年前から7%、8%減った。」と、元記事には記されていた。
国の学習指導要領では、「中学1年&2年の水泳を必修とし、実技授業を行わないのは『水泳場の確保が困難な場合』に限定する。」とされており、今回の滝沢市の場合も「ケースバイケース」で、「止む無し。」と判断された様だ。
「プールで泳ぐ事自体は好きだったけれど、運動神経が鈍いので、水泳の授業で行われる"進級試験"(合格した級に応じて、黒帯や赤帯の布が貰え、其れを水泳帽に縫い付ける事に成っていた。昇級すればする程、縫い付ける帯の数も増えた。)が嫌で堪らなかった自分。」なので、今回のニュースを複雑な思いで読んだ。