”平成の大合併”とも言われる全国規模の市町村合併に伴い、新たな市町村名が誕生している。その中には、愛知県の南セントレア市や千葉県の太平洋市の様に、一旦は新市名として決定しながらも、相応しくないという抗議が殺到した為見直す事になったものも在る。南セントレア市の場合は、中部国際空港(愛称:セントレア)の南に位置する事から、又、太平洋市は、「大きな希望」や「海原の様に開かれた市」をイメージさせたいからという理由で新市名が選ばれたというが、歴史的&伝統的地名を消滅させた上で、この様な実態不明な名前に変更するのは認め難いというのが抗議の多くである様だ。
自分もこの意見には賛成だ。その土地土地の歴史的&伝統的謂れを無視し、既に良いイメージが出来上がった地名をくっ付けたり(○○銀座とか。)、西洋気触れの様に安直に横文字を使うといったものは、日本文化を根底から否定する愚行だとすら思っている。
地名からその土地の歴史を振り返るのは面白い。東京にも歴史を感じさせる地名が幾つも在る。
[馬喰町(ばくろちょう)]
古くより、馬を売買する市(馬市)が定期的に開かれていた為、馬の良し悪しを鑑定する博労(ばくろう)の頭がこの辺りには多く住んでいた。そこで、博労町と呼ばれていたのが、時代を経て馬喰町に転じた。
[人形町(にんぎょうちょう)]
江戸時代、中村座等の歌舞伎や操り人形芝居が行われ、その近辺には人形作りの家が多い地だった為、この名が付いた。
又、以前、地方史の文献に載っていた面白い地名の由来にこんなのも在った。
[見花町(みはなちょう)]
元々、住民間の水利争いが盛んで、喧嘩が堪えない地域だった為、喧嘩町(けんかちょう)と呼ばれていた。しかし、喧嘩町では余りにも体面が悪いという事から、音読みでは同じ”ケンカ”となる”見花”を当て見花町とした。
こうなると、笑点の大喜利の世界だ。三遊亭圓楽師匠なら、座布団を3枚はくれそうな謂れかも。
地名の中には、付けられた当初から厳密には実態を表していないものも無くは無い。元々は浄土真宗系の僧が多く住んでいた為に、彼等が手にしていた鹿の角の付いた杖に因んで角筈(つのはず)と名付けられた地が在った。戦後、焼け野原となった角筈を含む幾つかの地を合併し、文化振興都市にしようという話が持ち上がり、その象徴として歌舞伎演舞場を建設する事となった。結局は資金不足等の理由で、歌舞伎演舞場の建設は頓挫したのだが、当初の計画に因んで付けられた合併町名の「歌舞伎町」はそのまま残り、今に到っている。歌舞伎とは結果的に縁を持たなかった地の実態を表していない地名ではあるが、今の歌舞伎町の雰囲気に町名がピタリとマッチしている様に思えるのだ。
それ故に、実態を表していない市町村名が全て駄目とは言わない。新市町村名に市町村民の確固たる”意思”が反映されているものであれば、それはそれで良いのではないかと思う。問題なのは、安直な”イメージ”だけに飛び付いたネーミングに在り、だからこそ多くの抗議の声が上がっているのではないだろうか。
自分もこの意見には賛成だ。その土地土地の歴史的&伝統的謂れを無視し、既に良いイメージが出来上がった地名をくっ付けたり(○○銀座とか。)、西洋気触れの様に安直に横文字を使うといったものは、日本文化を根底から否定する愚行だとすら思っている。
地名からその土地の歴史を振り返るのは面白い。東京にも歴史を感じさせる地名が幾つも在る。
[馬喰町(ばくろちょう)]
古くより、馬を売買する市(馬市)が定期的に開かれていた為、馬の良し悪しを鑑定する博労(ばくろう)の頭がこの辺りには多く住んでいた。そこで、博労町と呼ばれていたのが、時代を経て馬喰町に転じた。
[人形町(にんぎょうちょう)]
江戸時代、中村座等の歌舞伎や操り人形芝居が行われ、その近辺には人形作りの家が多い地だった為、この名が付いた。
又、以前、地方史の文献に載っていた面白い地名の由来にこんなのも在った。
[見花町(みはなちょう)]
元々、住民間の水利争いが盛んで、喧嘩が堪えない地域だった為、喧嘩町(けんかちょう)と呼ばれていた。しかし、喧嘩町では余りにも体面が悪いという事から、音読みでは同じ”ケンカ”となる”見花”を当て見花町とした。
こうなると、笑点の大喜利の世界だ。三遊亭圓楽師匠なら、座布団を3枚はくれそうな謂れかも。
地名の中には、付けられた当初から厳密には実態を表していないものも無くは無い。元々は浄土真宗系の僧が多く住んでいた為に、彼等が手にしていた鹿の角の付いた杖に因んで角筈(つのはず)と名付けられた地が在った。戦後、焼け野原となった角筈を含む幾つかの地を合併し、文化振興都市にしようという話が持ち上がり、その象徴として歌舞伎演舞場を建設する事となった。結局は資金不足等の理由で、歌舞伎演舞場の建設は頓挫したのだが、当初の計画に因んで付けられた合併町名の「歌舞伎町」はそのまま残り、今に到っている。歌舞伎とは結果的に縁を持たなかった地の実態を表していない地名ではあるが、今の歌舞伎町の雰囲気に町名がピタリとマッチしている様に思えるのだ。
それ故に、実態を表していない市町村名が全て駄目とは言わない。新市町村名に市町村民の確固たる”意思”が反映されているものであれば、それはそれで良いのではないかと思う。問題なのは、安直な”イメージ”だけに飛び付いたネーミングに在り、だからこそ多くの抗議の声が上がっているのではないだろうか。
気が合いますね。^±^
実はうちも地図が大好きで郷土を調べるのが趣味のようなものなんですよ。
鉄道だけでなく、地図も大好きでして。^±^
「東京ちょいとマップ」・・・昭和20~40年代の地図で旅をしましょう。
http://blog.goo.ne.jp/tekuhee/e/66ad25d979c6eae215308258f40e6afc
「鉄道たんとマップ」・・・昭和9年の鉄道地図をリアルに、鉄道の走る所余すところなく入れました。
http://blog.goo.ne.jp/tekuhee/e/a8b782a667c9bf5e28175799f84688d0
あ。ここだけの話。^±^ヒソヒソ
昭和10年の東京市の地図も見つかりましたので、「ちょいとマップ」シリーズが終わってから(今月で最終)しばらくしたらブログアップしますよ。
なるべく今年中にはアップしはじめたいと思ってます。
「神田区」、「麹町区」のころの地図ですよ。
オタノシミニ。^±^
一連の合併は「西高東低」なんですか。どういった理由からそういう傾向になったんでしょうね?歴史的な背景が在るのでしょうか?興味深いです。
自分の思い出深い場所や名称が消滅して行くというのは、何とも言えない寂しさを覚えるものです。効率性や利便性を上げる為には仕方ないのかもと思いつつ、スパッと割り切れないのが人情なのでしょう。
合併時に旧来の地名を残すとなると、片方(乃至はどれか)の名称を残すと、市町村名が消滅した側からすると「吸収されてしまった。」という思いが出てしまうというのは、確かにそういった側面在りますね。かと言って、全面的に配慮して”併せ技”を用いると昔の「太陽神戸三井銀行」の様に妙なネーミングに成り兼ねないし(笑)。全く新しい市町村名にするのが無難だという発走になってしまうのかもしれませんね。
自分も安直なネーミングだけは避けて欲しいと思っています。
いつも、あふれてくるような美しい文章のブログ、本当に関心させられます。いったい何歳くらいで、何をやっている方なのでしょうか?。プロフィールが気になるところです・・・
これからも参考にさせて頂きます。よろしくお願い致します。
かく言う私も小学生の時住んでいた町が地図上から消えて少々淋しく思います。でもこのままではジリ貧だからやむなし、というのも分かる気がします。過疎化が進んでいる所は勿論、そうでなくても中小の町や村は大変ですから。
新市名。なるべく昔ながらの地名を使いたいと思いつつもそう簡単にはいかない事情も。なんせ「合併破談のかなりの原因に『新市名』が絡んでいるのですから。」下手に旧来の地名を使うと「吸収」との観を合併した市町村の住民があるからです。「市名」と「役所の位置」これで合併がお釈迦になった例が一体いくつあるか……。そこで今までに無い、抽象的な市名にするというのも一つの手かもしれません。
カタカナが話題になりましたが私的にはひらがなもあまり好きません。人名と違い、地名は後世まで残るのですから安直に決めないで欲しいものですね。
おっしゃる通りで住民主動で新市町村名が決められてるのなら、ここまで騒ぎも起きないんでしょうけどね…。
新名ばかりに目がいきますが一方で長年なれ親しんだ街の名前が消えてしまうのは寂しかったりもします。
文章って、しっかりしてますね。
本をいっぱい読んでる人だなぁ~って思いました。
勉強させて頂きました。
ユートピア市で思い出したのが、ジョンレノンの
アルバム「ヌートピア宣言」です。曲の中に
「ヌートピア国際賛歌」っていう3秒の無音があって
その間に思えば、誰でもヌートピアの住人になれる
というものなんです。
町名どうのよりも、町をどう思うか?が重要だと
思います。夜景がいい、とか、定食屋がいい、など
何でもいいんです。イイなぁ~って思えることです。
自分が住んでる町をキライだなんて悲しいですからね。
きなこ、今の日本ってイヤなとこがいっぱいだけど
富士山、フェアレディZ、盛田昭夫、カップ麺
ウルトラマン、小澤征爾、小津安二郎・・・
素敵なものがいっぱいあるから、とっても好きです!
http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/shityou/kyucho/msg_machi.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E6%B2%A2%E5%B8%82
石川の出身ではありますが、金沢にはあまり縁がないのですけれども、良い動きだ、と思っています。ただ戦災をまぬがれた金沢の町並みはかなり複雑に入り組んでいますので、郵便やさんと地図やさん、新しく越してきた人はちょっと大変かも^^;
合併・市町村名の変更は政治主導ではなく、住民の意志で行われるべき物と考えます
すべてが丸く収まるとは思えませんが、住民投票の結果を見守りたいです。
名前だけでなく、長野県では山口村を大合併の名の下岐阜県へ売り渡す県議員も・・・
サブBlogにTB、いただいたので本家Blogのほうの記事をTBさせていただきますね。
歴史に由来する名称でキレイな名前の土地も多いのになんだか最近はわけわかりませんね。
長く大切にしていける住まい(土地)とそれにふさわしい名前、欲しいところですが。
なんか、「つくばみらい市」などというのも出てきているようですね。
イメージ先行、センスゼロ。公表して恥ずかしくないんでしょうか?
横文字などは言語道断ですが、最近の流行としてひらがなの名前が増えてきている感じもします。
これもちょっと安直ですね。銀行じゃないんだから。
名前を決めるときは、やはり住民の投票が必要です。その結果決まったものは「地名保存連盟」とやらが口を出す問題ではありません。