ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「その鏡は嘘をつく」

2014年03月19日 | 書籍関連

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エリート医師・須賀邦治(すが くにはる)が、鏡に囲まれた部屋で自殺した。其の後、医学部受験を控えた1人の青年・浅川幹夫(あさかわ みきお)が失踪。正義感溢れる 検事・志藤清正(しどう きよまさ)は、現場の状況から他殺の可能性を見破り、独自に捜査を進める。

 

其の頃、東池袋署の刑事夏目信人(なつめ のぶひと)池袋の町を歩き、小さな手掛かり見詰めていた。二転三転する証言の中で、検事と刑事の推理が交錯する。

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作家薬丸岳氏の小説その鏡は嘘をつく」は、「刑事・夏目信人シリーズ」の第2弾に当たる。第1弾の「刑事のまなざし」がそこそこ面白い内容で、第2弾を待ち望んでいたのだが・・・。

 

エリート医師で、上昇志向の強い須賀邦治が、電車内で痴漢行為を働いたとして逮捕されるも、嫌疑不十分として釈放される。そして1週間後、彼は隠れ家で死んでいるのが発見される。小さなベッドしか置かれていない10の部屋とソファーTVが置かれた6畳の2部屋。ベッドを取り囲む様に幾つもの姿見が置かれ、更に天井にも鏡が張り付けられている10畳部屋で、須賀は鏡に映った自分の姿を見乍ら首吊り自殺図ったものと考えられた。

 

「奇妙な環境下での自殺」が、捜査が進む中で「他殺」と切り替えられて行く。ミステリーとしては“興味が惹かれる設定”のなのだが、読み進めるにつれ、冷めて行ってしまった登場人物達其れ其れを“突き動かす動機”が、今一つ現実味が無い。というのが大きく、「幾らトラウマ抱えているとはいえ、“其の立場”で、“其処”の事をするかなあ?」という動機も在ったし。まあ、現実社会でも考えられない様な動機で、犯罪を起こしてしまうケースも在るけれど・・・。

 

厳しいかもしれないが、総合評価は星2.5個とする。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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>マヌケ様 (giants-55)
2014-03-20 13:51:34
書き込み有難う御座いました。

心根に優しさが感じられるキャラクター、其の通りですね。又、才気走るタイプの“名探偵”が少なく無い中、内田康夫氏が作り出した浅見光彦と同じで、何処かおっとりとした感じが在るのも夏目刑事の特徴。

唯、此の作品に関して言えば、彼の存在感が余り示されていなかった様に感じられ、其れが残念でした。
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Unknown (マヌケ)
2014-03-20 12:56:21
夏目刑事は確か、犯罪を犯した少年の心のケアとかしていた経歴がありましたよね。 娘さんの事件をきっかけに刑事になった人物で、心根に優しさが感じられるキャラクターでした。 加賀刑事も人情にあふれる人物でしたし。 「刑事のまなざし」は短編集のいちばん最後の作品で、娘さんをハンマーで殴って植物状態にしてしまった、事件当時の少年が新たな事件の容疑者となり犯罪被害者として、刑事として向き合う姿が切なかったですね。 ドラマの要素がたっぷりで、ドラマにもなりましたね。 わかりやすさから言えば、それなりの作品だったと思います。 2作目ががっかりなことってよくありますよね。 
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