無神経さ

事件や事故、災害等で愛する家族を失った許りの人に対し、其の口元にマイクを突き付けて「今の御気持ちは？」と尋ねるレポーター達。一昔前には、そんな無神経極まり無いアホが結構見受けられた。愛する家族を失った事で遺族がどれだけ哀しみに打ち拉がれているかは、普通に考えれば誰でも判る筈。そっとしておいて上げるのが人情だけれど、「報じる」事が商売のマスメディアが「全く触れないという訳にはいかない。」というのは理解出来るが、だからと言って「俺達はマスメディア様だ！インタヴューしたら、誰もが答えるのは当然だろ！！」という感じで“勘違い取材”を行うのは言語道断。「遺族の気持ちを慮って離れた場所から映像を撮るとか、インタヴューするにしても“常識的な範囲”で行うべき。」とずっと憤っていたのだが、無神経なインタヴューに多くの批判が集まった為だろうか、近年はそういったのを見掛ける事が無くなっていたのに・・・。

 

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「『「とくダネ！」大村リポーターが集中砲火」（３月３日付け日刊ゲンダイ）

 

ニュージーランドの地震からもう直ぐ１０日になるが、日本人の不明者は見付からないまま。テレビ各局の特にワイドショーはリポーターを大勢現地に派遣して情報を伝えているが、フジテレビ「とくダネ！」の大村正樹リポーター（４３歳）に非難が集まっている。

ビル倒壊現場から救出され、右脚を切断する重傷を負い、２８日に帰国した奥田建人さん（１９歳）に大村が２５日電話取材を行った。

大村は「脚を切断するというのは、貴方自身は其の時もう覚悟はされてたんですか？」とズケズケと聞き、「此れ迄スポーツも色々出来てた訳ですよね。」と配慮が足りないというか、其の場で聞かなくても良い事を言ったのだ。

各局ともエース級のリポーターを現地に派遣していて、出し抜きたい大村は前のめりになり、功を焦ったのか。大村は今春で「とくダネ！」を辞めて北海道文化放送の新番組「Ｕ型テレビ」のキャスター就任が決まっており、張り切っていた面も在る。因みに、大村は熟年不倫騒動で出演番組が激減している麻木久仁子の事務所の後輩で、今では戦場カメラマンの渡部陽一と共に事務所を支える両輪。そんな事情も影響しているのか。

しかし、大村はネット等では「無神経」、「不謹慎」等と集中砲火状態で、フジテレビ広報部ではこう言う。

「取材は御本人の了承を得ていて地震の実態や状況を伝える行為の一環でした。しかし、視聴者から幾つか御意見を戴いた事に付いては真摯に受け止めています。」。

大村には頭を冷やす良い機会だ。

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自分は当該放送を見ていないし、大村氏が件の発言をした前後にどういう遣り取りが在ったのかは全く知らない。従って此の元記事が１００％事実で在り、且つ大村氏の件の発言“だけ”を判断材料とするならば、「非常に無神経な発言。」と言わざるを得ない。

 

救出後、ベッドの上で泣き笑いの様な笑顔を浮かべ、Ｖサインを見せる奥田氏の写真を新聞で見た時、思わず涙が溢れてしまった。サッカー部のキャプテン迄務めた彼が片足を失ってしまったという事に、どれだけ打ち拉がれているかは想像するに余り在ったし、それでも「日本に残した母親を心配させない様に。」という彼の思いが「泣き笑いの様な笑顔」と「Ｖサイン」からは感じられ、其の気の毒さと健気さに涙してしまったのだ。（奥田氏は、安否不明者の事を心配していた。）

 

大村氏は「（切断した際）足はやっぱり痛かったですよねぇ？」とも聞いたとか。切断した時の辛さや痛みを奥田氏の口から吐き出させ、其れで「御涙頂戴仕立ての構成」にでもしたかったのではないか？もし自分や自分の家族が奥田氏と同じ立場だったとして、こういう無神経な質問をされても大村氏は平気で居られるのだろうか。「アホか！」と言いたくなる、実に不快な話だ。