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「フィリピン大統領、国連脱退を示唆」(8月21日、日テレNEWS24)
今年6月にドゥテルテ大統領が就任したフィリピンでは、犯罪撲滅作戦で、多数の容疑者が殺害されている。此れに付いて国連の機関が、「法で認められていない処刑だ。」等と非難した事を受け、ドゥテルテ大統領は21日、国連からの脱退を示唆した。
フィリピンでは6月のドゥテルテ大統領の就任以降、治安改善に向け大規模な犯罪撲滅作戦が行われていて、麻薬事件の容疑者等600人以上が警察等により殺害されている。
此れに対し国連人権高等弁務官事務所は、「法で認められていない処刑だ。」等と非難していたが、ドゥテルテ大統領は21日、「内政干渉だ。」と反論した上で、国連からの脱退を示唆した。
ドゥテルテ大統領:「国連がそんなに無礼なら、我々は脱退するだろう。」。
ドゥテルテ大統領は、大胆な言動で国内で高い支持を得ているが、行き過ぎた手法等に対しては、批判の声も上がっている。
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数々の過激な発言から、“フィリピンのトランプ”と呼ばれているロドリゴ・ドゥテルテ大統領。大統領就任前、彼はダバオ市長を務めていたが、彼の容認の下で「ダバオ・デス・スクワッド」なる自警団組織が、犯罪者を超法規的措置によりリンチ&殺害されており、アムネスティ・インターナショナル等から非難された。今回の「麻薬事件の容疑者等600人以上が警察等により殺害。」というのも、其の延長線上に在ると言って良い。
「如何なる犯罪の容疑者で在っても、法律に基づく形での死(=死刑)以外は許されない。」というのは、“真面な法治国家”で在る為の最低条件だと思う。
中には「治安が余りにも悪化している国で在り、麻薬事件に関わっているのだから、警察等によって殺害されるのも仕方無い。」と考える方が居るかもしれない。だが、此の考え方は非常に危険だ。「為政者が、自身にとって不都合な人間を犯罪者に仕立て上げ、捕まえて“殺害”する。」というのは、過去に多くの国で行われて来た事だから。