“江利チエミさんの事件”が思い浮かんだ

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「大谷翔平の口座から賭け業者側に６億８，０００万円か・・・水原一平氏、一度認めた大谷の関与を否定」（３月２１日、読売新聞）

米大リーグ・ドジャースの広報担当者は２０日、「大谷翔平選手（２９歳）の通訳、水原一平氏（３９歳）を解雇した。」と読売新聞に明らかにした。理由は説明していないが、地元紙ロサンゼルス・タイムズ（電子版）は此れに先立ち、「水原氏が大谷選手から、大規模な窃盗を行った。」と報じた。

大谷選手の代理人を務める米カリフォルニア州の法律事務所は２０日、「翔平が、大規模な窃盗被害に遭っている事が判明した。」とする声明を発表し、米捜査当局に協力していると明らかにした。米スポーツ専門局ＥＳＰＮによると、大谷選手の口座から同州のブックメーカーに、少なくとも４５０万ドル（約６億８，０００万円）の送金が在った。

ＥＳＰＮによれば、水原氏は１９日の取材に、大谷選手に昨年、賭博による借金の肩代わりを頼んだとし、「彼（大谷選手）は（賭博に付いて）快く思っておらず、『２度と此の様な事が無い様に、助けてくれる。』と言った。私の為に、支払いを決めた。」と語った。２０日の取材に発言を変え、「水原氏の賭博による借金を大谷選手は知らず、大谷選手はブックメーカーに送金していない。」と述べたと言う。

同州では試合の勝敗等を予想するスポーツ賭博が禁じられ、此のブックメーカーは捜査対象となっている。ロサンゼルス・タイムズは、「大谷選手自身は、ブックメーカーと接触した事は無い。」と伝えた。

ドジャースの広報担当者は本紙に、「報道は承知し、情報収集している。現時点で、此れ以上のコメントは控える。」とした。

水原氏はエンゼルス時代から大谷選手の通訳を務め、大谷選手の移籍に伴い、ドジャースに移った。韓国・ソウルで２０日に行われたパドレスとの開幕戦でもベンチ入りし、試合後の取材対応で大谷選手の通訳を行った。
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水原一平氏に付いて詳しく知っている訳では無いけれど、見た感じは「とてもそんな事をする様な人間には見えない。」という事から、本当に驚いたニュース。水原氏の発言がガラッと変わっているし、伝わって来る情報も断片的なので「ああだこうだ。」は言えないが、「大谷選手が、自身の口座から送金されていた事を全く知らなかった。」とすれば、水原氏に“横領”の可能性も出て来るだろう。

其れにしても「そんなにも大借金を抱える迄、賭け事を続けていた。」というのも然る事乍ら、「（横領だとすれば）そんなにも大金を奪った事が、絶対にバレないと思っていたのだろうか？」という点に唖然としてしまう。水原氏本人は自身の事を“ギャンブル依存症”としている様だけれど、果たしてどうなのだろうか？専門家に言わせれば「そういう“当たり前の判断”が出来ないからこそ、ギャンブル依存症は“病気”なのだ。」という事になるのだろうけれど、「『ギャンブル依存症は“病気”なのだから仕方無い。』と“言い訳”にし、同じ過ちを繰り返している人。」が少なく無い様に感じられ、「ギャンブル依存症＝病気」とする考え方には、どうしても抵抗を覚えてしまう。

ギャンブル依存症が病気で在るにせよ無いにせよ、こういう“当たり前の判断”が出来ない人を少なからず生み出してしまう可能性が在るのだから、「我が国が『カジノ合法化』に舵を切った際、大きな悪影響が生み出されてしまう。」事を、改めて懸念してしまう。

信用していた人間から裏切られる。裏切られた側は、心身共に大きなダメージを受ける事だろう。大谷選手に関しても其の心配は在るが、全くダメージが無いとは思わないものの、“良い意味で”「我関せず。」という面が彼には在る様に感じられるし、何よりも頼れる“伴侶”が出来た事で、今季も良い成績を残してくれると信じたい。

「信用していた人間から裏切られる。」というのは、どんな世界でも在る事だ。芸能界でも大昔から、「信用していた人間（所属事務所の社長やマネージャー等）に、金銭を持ち逃げされた。」という話は良く見聞する。だからこそ、「より信じられる“身内”で、周りを固める。」という芸能人も居たりする訳だが、「身内で固めたからと言って、其の身内が絶対に裏切らないという保証も無い。」というのも現実。

今回のニュースを受けて、自分の頭にパッと思い浮かんだのは「江利チエミさんの事件」だ。江利チエミさんと言われても、一定年齢以下の人は知らないだろう。斯く言う自分も“全盛期時代の彼女”の事はリアル・タイムで知らない世代だが、“悲し過ぎる最期”もそうだが、（記事等で知った）「江利チエミさんの事件」に付いては、余りにも江利さんが可哀想過ぎて、強く記憶に残っている。此方やＹｏｕＴｕｂｅ【動画】で詳細を確認する事が出来るので、実際に読んで（見て）戴きたいが、「大スターとなった江利チエミさんの前に、其の存在を全く知らなかった異父姉が現れる。彼女の気の毒な境遇を知った江利さんは、姉が出来た事を喜び、彼女を心から信じて、手厚く面倒を見る事になる。姉もそんな彼女に対し、心から打ち解けて接していた様に見えたのだが、実は其の裏で『自分はこんなにも不幸な境遇だったのに、妹は大スターで良い思いをして来たのは許せない！』という“深い恨み”の思いを抱え続けていて、“意図的に”大借金を作る等して、江利さんを徹底的に苦しめる環境を作り上げていた。」というのが事件の概要。事件が発覚して以降に見付かった姉の記録に「江利さんに対する憎悪の思いが書き連ねられていた。」という事で、其の内容を知った時には、ゾッとする思いしか無かった。

他者からは窺い知れない“心の闇”を抱えていた水原氏。江利さんの姉も又、同様だったのだろう。