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「大企業の『税逃れ』?1億円に減資して中小企業化、総務省が対策案」(11月6日、朝日新聞)
「大企業が資本金を1億円以下に減らす事で、税制上の『中小企業』になるケースが相次いでいる。」事を受けて、総務省の有識者検討会は6日、課税対象企業を広げる新たな基準案を公表した。税負担を軽くする「税逃れ」を防ぐ狙いだが、経済界の反発も在り、議論は難航しそうだ。
「税逃れ」が指摘されているのは、企業が都道府県に納める法人事業税。資本金が1億円を超える大企業には、「外形標準課税」方式が適用される。資本金の額や従業員に支払った給与総額等、企業の規模を示す「外形」に課税」する物で、赤字でも納税しなければならない。業績が苦しい企業にとっては、負担が大きく成り勝ちだ。
大企業が税制上「中小企業化」する方法の1つが、減資で資本金を1億円以下にする事だ。中でも「減資した分の資本金を、会計上の操作で『資本剰余金』という項目に移し替える事。」が問題視されている。減資は株主総会での決議が必要だが、納税負担が減る場合は、株主も賛同する傾向に在る。
其処で、総務省の有識者検討会は、外形標準課税の適用基準を従来の「資本金1億円超」に加え、「資本金と資本剰余金の合計額」で判断する新たな基準を設ける事を提案した。企業が減資で資本金を資本剰余金に移し替えても、「移動先を捕まえる。」(総務省担当者)事で、外形標準課税の対象から外れない様にする狙いだ。
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以前より、「“大企業”で、尚且つ業績もそんなに悪く無いのに、減資によって資本金を1億円以下にする事で“中小企業扱い”となり、結果的に税逃れをしているというケース。」は問題になっていた。“図体”がデカくても、赤字状況に在るならば、そういう形を取るのも看過出来様が、そうじゃ無い場合は問題。なので、今回の対策案は一考に値すると思う。
抑、国民の殆どは、決まり通りにごっそりと課税されている。なのに、18年前の記事「ズバリ聞きます!(3)」等で触れた「宗教法人への優遇税制」や、14年前の記事「世襲議員」等で触れた「『政治資金団体を介在させる。』事で、世襲議員への相続税が“実質的に”零になるシステム。」等、世の中には「本来国庫に納めるべき多額の税が、理不尽なシステムによって逃れられている。」というケースが少なく無い。国民はそういう事実にもっと関心を持ち、改善させるべきだ。