
「どんな名優でも、動物と子供には敵わない。」CM業界で良く言われる事だそうだ。場数を踏んで来た名優の演技ですらも、CMに於いては愛らしい動物や子供の姿に敵わないという事なのだが、なるほどくぅ~ちゃんや子供の愛らしい笑顔等をCMで見ると、つい頬が緩んでしまう。CMでは無いが、先週観て来た「子ぎつねヘレン」も、そんな頬が何度も緩んでしまう映画だった。
獣医として長きに亘って野生動物の保護&治療に当たって来た獣医・竹田津実氏。彼が著した実話「子ぎつねヘレンがのこしたもの」を基にして作られたオリジナル作品が、この「子ぎつねヘレン」*1で在る。
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カメラマンとして海外を飛び回る母・律子(松雪泰子)によって、たった一人で北海道の森の置くに在る動物診療所に預けられた少年・太一(深澤嵐)。母親の愛情に飢え、寂しい日々を送っていた彼は或る日、道端で一匹の子ぎつねと出遭う。母ぎつねの姿も無く、うずくまったまま動こうとしない子ぎつねに自分と同じ境遇を感じた彼は、子ぎつねを診療所に連れて帰り、必死で育てようとする。
妻を亡くして以降太一が来る迄は、中学生になる娘・美鈴(小林涼子)と二人暮らしだった動物診療所の獣医・矢島(大沢たかお)は律子の恋人で在る。口が悪く、不器用な彼は、太一とどの様に接して良いか戸惑っていた。だからこそ太一が子ぎつねを連れ帰った時も、「入院費、払えるのか?」とぶっきら棒な憎まれ口を叩いたのだが、その実、これ迄傷付いた野生動物を、御金にならないのに保護&治療して来た優しさを持つ男でも在った。
やがて、子ぎつねの余りにも無反応な姿を不審に思った矢島は、子ぎつねが目と耳が不自由で、尚且つ鳴き声も発せない状態で在る事に気付く。「まるでヘレン・ケラーだ。」余りにも絶望的な現実から、医師としての限界を感じた矢島が発したこの一言に、太一は子ぎつねをヘレンと名付け、親として育てて行く事を誓う。
小さな身に切ない運命を背負いながらも、与えられた命を必死で生き様とするヘレン。母親を恋しく思いながらも、涙一つ見せずに健気に生活する太一。獣医として、親としての生き方を模索している矢島。太一が必死の思いでヘレンと向き合った僅か3週間の日々を通して、心の絆や家族の繋がりとは何かが描かれる・・・。
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ストーリーとしては、起伏の殆ど無い平板な内容。時折挿入される空想シーンも、作品への集中が一瞬途切れさせられてしまうという、逆効果の印象を受ける。「ヘレンが亡くなるシーンを延々と引っ張る事で、観客を泣かせようという作品だろう。」と予想していたのだが、意外な程にそのシーンは呆気無い。
でも、その呆気無さが余計に涙腺を緩ませた。*2ヘレンの愛くるしい姿も勿論良かったが、太一を演じていた深澤嵐君の表情が実に可愛かった。妙にこましゃくれていないピュアな表情には心が和んだ。全体的なキャスティングも悪くない。そして、最後に流れるレミオロメンの主題歌「太陽の下」がこれ又良い。透明感溢れる歌声が、北海道の広大な風景と良くマッチし、その詩は太一とヘレンの絆を思い起こさせ、涙が再び溢れてしまった。
作品としての総合評価は星3つ。でも、動物&子供が好きな一個人としての評価は、甘いと言われるだろうが星4つ。
*1 吉本興業から「子ぎつねヘレンとゆかいな仲間たち」なるショート・ムービー集が発売されている。西川きよし氏とその奥様も出演されているが、これはヘレン繋がりという事で良いのだろうか?ウンガチョコ先生教えて♪
*2 不治の病を抱え、過去に何度か死線を彷徨った我が家のワンコに、ヘレンが似ていた事も感情移入度が高まってしまった要因かとは思う。
獣医として長きに亘って野生動物の保護&治療に当たって来た獣医・竹田津実氏。彼が著した実話「子ぎつねヘレンがのこしたもの」を基にして作られたオリジナル作品が、この「子ぎつねヘレン」*1で在る。
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カメラマンとして海外を飛び回る母・律子(松雪泰子)によって、たった一人で北海道の森の置くに在る動物診療所に預けられた少年・太一(深澤嵐)。母親の愛情に飢え、寂しい日々を送っていた彼は或る日、道端で一匹の子ぎつねと出遭う。母ぎつねの姿も無く、うずくまったまま動こうとしない子ぎつねに自分と同じ境遇を感じた彼は、子ぎつねを診療所に連れて帰り、必死で育てようとする。
妻を亡くして以降太一が来る迄は、中学生になる娘・美鈴(小林涼子)と二人暮らしだった動物診療所の獣医・矢島(大沢たかお)は律子の恋人で在る。口が悪く、不器用な彼は、太一とどの様に接して良いか戸惑っていた。だからこそ太一が子ぎつねを連れ帰った時も、「入院費、払えるのか?」とぶっきら棒な憎まれ口を叩いたのだが、その実、これ迄傷付いた野生動物を、御金にならないのに保護&治療して来た優しさを持つ男でも在った。
やがて、子ぎつねの余りにも無反応な姿を不審に思った矢島は、子ぎつねが目と耳が不自由で、尚且つ鳴き声も発せない状態で在る事に気付く。「まるでヘレン・ケラーだ。」余りにも絶望的な現実から、医師としての限界を感じた矢島が発したこの一言に、太一は子ぎつねをヘレンと名付け、親として育てて行く事を誓う。
小さな身に切ない運命を背負いながらも、与えられた命を必死で生き様とするヘレン。母親を恋しく思いながらも、涙一つ見せずに健気に生活する太一。獣医として、親としての生き方を模索している矢島。太一が必死の思いでヘレンと向き合った僅か3週間の日々を通して、心の絆や家族の繋がりとは何かが描かれる・・・。
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ストーリーとしては、起伏の殆ど無い平板な内容。時折挿入される空想シーンも、作品への集中が一瞬途切れさせられてしまうという、逆効果の印象を受ける。「ヘレンが亡くなるシーンを延々と引っ張る事で、観客を泣かせようという作品だろう。」と予想していたのだが、意外な程にそのシーンは呆気無い。
でも、その呆気無さが余計に涙腺を緩ませた。*2ヘレンの愛くるしい姿も勿論良かったが、太一を演じていた深澤嵐君の表情が実に可愛かった。妙にこましゃくれていないピュアな表情には心が和んだ。全体的なキャスティングも悪くない。そして、最後に流れるレミオロメンの主題歌「太陽の下」がこれ又良い。透明感溢れる歌声が、北海道の広大な風景と良くマッチし、その詩は太一とヘレンの絆を思い起こさせ、涙が再び溢れてしまった。
作品としての総合評価は星3つ。でも、動物&子供が好きな一個人としての評価は、甘いと言われるだろうが星4つ。

*1 吉本興業から「子ぎつねヘレンとゆかいな仲間たち」なるショート・ムービー集が発売されている。西川きよし氏とその奥様も出演されているが、これはヘレン繋がりという事で良いのだろうか?ウンガチョコ先生教えて♪

*2 不治の病を抱え、過去に何度か死線を彷徨った我が家のワンコに、ヘレンが似ていた事も感情移入度が高まってしまった要因かとは思う。
TBありがとうございます。
非常に感動した映画でした。
やはり動物モノは反則に近いですよね。
話のテンポが早すぎでテレビドラマっぽい感じがしたなぁ・・とは夫の感想です。
動物の好きなしたむすめは本当に真剣に見ていたそうです。
大沢氏が虎の鳥谷選手に似てるとかど~とか騒いでいるおりがみはまだみてないー。
健気すぎるヘレンと太一の姿に、ウルウル。。
久々に号泣の映画でした。
子役の男の子も、今後の成長が楽しみですよね。私も、観たらきっと号泣号泣でしょう。今はまだこぎつね以上に暴れ周るちびこが一緒なので、泣くまでいかないかもしれませんが、一度観てみたいです。
この映画は見てませんが興味はあります。号泣モノでないといいんですが。違うかな?
話が変わって申し訳ないのですが…
映画つながりというところで、『死者の書』という映画はご存知ですか?
三国志(人形劇)好きならもう見られたかしら?
http://www.kihachiro.com/index2.htm
今度関東で7月に上映されるそうです。4月に見逃したわたしは7月を楽しみにしてます。
子供や動物が登場するCMや番組は、ついつい見入ってしまいます。特に内容が悲劇的なもので在ると、良い歳こいたおっさんの分際で、恥ずかしい程落涙してしまいます(^o^;;;。
この映画は泣かせようという演出がそれ程全面的に出ていなかった様に思え、それが却って自然と泣けてしまう環境を作った様に思います。滂沱する程では無いにせよ、涙腺が緩むのは確かかと。
御紹介戴いた映画ですが、これずっと見たいと思っていました。そもそも「新八犬伝フォーエバー」(http://964.jp/Z3M8)でも触れました様に、幼少時から人形劇は好きなんです^^。ですので、NHK連続人形劇「新八犬伝(劇場版も含む。)」に「笛吹き童子(「紅孔雀」も含む。)」、「平家物語」、そして「三国志(17巻)」のDVDを購入し、宝物として保存している程。
「平家物語」及び「三国志」の人形製作を担当されていたのが川本喜八郎氏で、辻村ジュサブロー氏と並んで大好きな人形の作り手です。(サイン色紙を持っていたりもします^^。)ですので、この映画の事は存じ上げていたのですが、詳細が判らなかったので、今回の情報非常に貴重でした。本当に有難うございました。是非、7月に観に行きたいと思います。