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鎖に繋がれ死んで行った囚人達の墓、鎖塚の上に建つ刑務所で起きた連続怪死事件。凍て付く極北の地で、「平成18年」と「明治24年」がリンクし、“呪い”が猛威を振るい始め・・・。
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第6回(2007年)「『このミステリーがすごい!』大賞」で優秀賞&読者賞を受賞した小説「呪眼連鎖」(著者:桂修司氏)は、「囚人道路」や「鎖塚」といった“歴史上の負の事実”を題材に、明治と平成の時代をリンクさせた伝奇ホラー・サスペンスで在る。
過酷な環境で18時間労働させる等、囚人達を“虫螻”の様に扱い、多くを死に追い遣った現実が垣間見れる史跡「鎖塚」。そんな鎖塚の付近に建つ刑務所の増築工事現場から、白骨化した手首が見付かる。鉄の鎖に繋がれた不可解&不気味な白骨が、次々と関係する人々に災厄を齎して行くのだが、其の謎を解いて行くストーリー。
歴史上の事実を題材にしているだけに、興味深い内容では在る。有名な歴史上の人物の名前が登場するのも、ストーリーに引き込んで行く大きな要素だ。
だが、ホラーの要素が強過ぎるのは、個人的に鼻白んでしまった。又、白骨の正体も、或る時点で察しが付き、意外性は無い。
総合評価は、星3つとする。