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「落とし穴認識し故意に転落、過失認め損害額減額」(10月28日、読売新聞)
石川県かほく市の海岸で2011年、金沢市の夫婦(何れも当時23歳)が落とし穴で死亡した事故を巡って、夫の両親が、穴を掘った友人6人と妻の両親の計8人に計約9,100万円の損害賠償を求めた訴訟で、金沢地裁は28日、被告側に計約4,100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
和田健裁判長は「穴の深さが2mを超え、危険性は予見可能だった。」と指摘した。
判決では、2011年8月、誕生日を控えた夫を驚かせ様と、妻と友人等が深さ約2.5mの落とし穴を海岸の砂浜に掘り、妻が夫を連れ出して一緒に転落、窒息死した。
和田裁判長は、落とし穴の計画を発案した妻に、友人より重い責任が在ると認定。妻の責任分として両親に約1,030万円、此の他、妻の両親と友人6人に連帯して約3,100万円を支払う様命じた。夫に付いても、穴の周囲を歩いた後に妻と転落した事から、「穴を認識し、妻と故意に転落したと推測出来る。」と過失の一部を認め、損害額を減額した。
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3年前、此の事故のニュースを知った際、「遣り切れないなあ。」という思いが。妻も友人等も一寸した悪巫山戯の気持ちから落とし穴を掘ったのだろうし、其の行為が悲劇を招くなんて思ってもいなかっただろうから。TV番組のドッキリ企画で「落とし穴に落ちた人間を見て、大笑いする。」というのは良く在り、恐らく彼等は其れを真似たのだろう。
夫側の両親が、妻及び其の両親に対して、“事故前に”どういう思いを持っていたかを、第三者の自分が知る由は無いが、事故によって憎しみの思いが起こったとしたら、此れ又何とも遣り切れない話だ。
「穴の周囲を歩いた後に妻と転落した。」から、「(夫も)穴を認識し、妻と恋に転落したと推測出来る。」というのも、少々乱暴な推測な気もするが、夫が亡くなっている以上、止むを得ない推測なのかもしれない。
又、飽く迄も“今回の事故とは無関係な話”としてだが、「事故を装って、誰かの命を奪う。」という事態も在ったりするから、こういった件で“罪”を問う裁判が起こされるのも、致し方無い事なのだろう。