昨日、串岡弘昭氏が定年退職された。彼の名前にピンと来ない方でも、「内部告発をした事で会社から報復人事を受け、約30年間に亘って閑職に追い遣られた人物。」と言われれば、「ああ、あの人か。」と思い当たるのではなかろうか。
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1970年に運送会社のトナミ運輸に幹部候補生として入社した彼は、入社5年目の1974年に「過当競争を避け、陰で高い料金設定をする事で違法な利益を上げている。」と、業界の闇カルテルを内部告発する。消費者の被る不利益を考えての”正義の行動”だったが、会社はそれを”裏切り行為”とし、1975年に第一線の営業マンだった彼を遠く離れた研修所へ転勤させる。
仕事場として充てがわれたのは、他の社員達からは隔離された三畳程の狭い一室。たまの仕事は草毟りやストーブへの給油、雪下ろしといった閑職の日々が約30年間続く事となった。
この間、連日の様に会社から退職を迫られるばかりか、与えられる給料も異常な迄に低く抑えられる。55歳時点での手取り額が約18万円だったというのだから、これは新入社員並みのレベルだ。
2001年に彼は同社を相手取り、4,500万円の損害賠償と謝罪を求める訴訟を富山地裁に起こし、昨年、富山地裁は同社に対し1,365万円の支払いを命じる判決を下した。
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彼が如何に地獄の様な日々を送ったかは、こちらに詳細が記されているので是非読んで戴きたい。今年の2月、一審判決の金額に上積みされた賠償金が別途支払われる事で会社との和解が成立したが、そんなレベルの金額では”失われた30年”の代償として余りにも少な過ぎると言わざるを得ない。「我が心に恥じるもの無し。」と己の信念を貫いた串岡氏にもだが、彼を支え続けたその家族にも唯々頭の下がる思い。
そんな彼が昨日に定年退職した訳だが、「正義を貫いたヒーローだ。」といった賞賛の言葉は送りたくない。彼が過ごして来た地獄の日々を思えば、そんな言葉は陳腐に過ぎないと思うからだ。今は唯、退職後の彼とその家族の日々が幸多からん事を祈るのみ。串岡さん、本当に御疲れ様でした。*1
*1 一昨日、「トヨタ系労災隠し告発者、採用から除外 直接雇用転換時」というニュースが報じられていた。労災隠しと偽装請負が発覚したトヨタ自動車グループの部品会社「トヨタ車体精工」が、派遣労働者を直接雇用に切り替える際、内部告発した男性等に採用面接の機会を与えなかったというもの。不法行為や国民に不利益を被らせる事柄等を内部告発した事で、未だに報復処置で苦しめられている人が居るというのは何とかならないものだろうか。
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1970年に運送会社のトナミ運輸に幹部候補生として入社した彼は、入社5年目の1974年に「過当競争を避け、陰で高い料金設定をする事で違法な利益を上げている。」と、業界の闇カルテルを内部告発する。消費者の被る不利益を考えての”正義の行動”だったが、会社はそれを”裏切り行為”とし、1975年に第一線の営業マンだった彼を遠く離れた研修所へ転勤させる。
仕事場として充てがわれたのは、他の社員達からは隔離された三畳程の狭い一室。たまの仕事は草毟りやストーブへの給油、雪下ろしといった閑職の日々が約30年間続く事となった。
この間、連日の様に会社から退職を迫られるばかりか、与えられる給料も異常な迄に低く抑えられる。55歳時点での手取り額が約18万円だったというのだから、これは新入社員並みのレベルだ。
2001年に彼は同社を相手取り、4,500万円の損害賠償と謝罪を求める訴訟を富山地裁に起こし、昨年、富山地裁は同社に対し1,365万円の支払いを命じる判決を下した。
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彼が如何に地獄の様な日々を送ったかは、こちらに詳細が記されているので是非読んで戴きたい。今年の2月、一審判決の金額に上積みされた賠償金が別途支払われる事で会社との和解が成立したが、そんなレベルの金額では”失われた30年”の代償として余りにも少な過ぎると言わざるを得ない。「我が心に恥じるもの無し。」と己の信念を貫いた串岡氏にもだが、彼を支え続けたその家族にも唯々頭の下がる思い。
そんな彼が昨日に定年退職した訳だが、「正義を貫いたヒーローだ。」といった賞賛の言葉は送りたくない。彼が過ごして来た地獄の日々を思えば、そんな言葉は陳腐に過ぎないと思うからだ。今は唯、退職後の彼とその家族の日々が幸多からん事を祈るのみ。串岡さん、本当に御疲れ様でした。*1
*1 一昨日、「トヨタ系労災隠し告発者、採用から除外 直接雇用転換時」というニュースが報じられていた。労災隠しと偽装請負が発覚したトヨタ自動車グループの部品会社「トヨタ車体精工」が、派遣労働者を直接雇用に切り替える際、内部告発した男性等に採用面接の機会を与えなかったというもの。不法行為や国民に不利益を被らせる事柄等を内部告発した事で、未だに報復処置で苦しめられている人が居るというのは何とかならないものだろうか。
会社の社主一族の長は昨年、郵政民営化で党を追い出されましたが、選挙区では圧倒的勝利。
安易な郵政民営化には反対だったのですが、彼に代表される自民の反対派にも共感は出来ませんでした。この不毛さ…。
江戸時代なら告発された方(した方もですが)は死を賜った。また悪い主君には諫死も辞さない家来がいた。場合によっては暗君を「押込め」てしまうこともあった。疑いをかけられること自体が恥だったので、無実を証明するために腹を切ることも辞さないのが武士だった。
なのに「二君にまみえず」だの「武士は食わねど…」というおかしなところ(主君に都合のよい部分)ばかりが残ってしまって肝心の「精神」が抜けてしまった。
そして「金もうけが悪いことですか?」などとほざく人間を一旦は自分達の仲間に入れて恥じない連中が財界にいるのです。そんな連中をのさばらせた奴等が霞ヶ関にうじゃうじゃいるのです。
嗚呼、これも戦後民主主義という楽が出来るシステムのなかで惰眠を貪ってきたツケだとしたら、誰がいつ払うのでしょうねえ。
ある人が曰く、「日本の民主主義は250年遅れている」そうです。
ならば封建制に立ち返るのも一つの手。少なくともファシズムは生まれません。(民主主義を経由しなかったファシズムはありません)
長年の談合体質を放置しておいてホリエモンなんかを批判する世論は奇異に感じます。
結局は世の中のモラル全体が低下しているってことでしょう。それは戦後民主主義の影響ではありません。
お客様より組織内の人間関係を重視しる日本社会の膿ですね。酒を飲むにも買い物をするにも不倫をするのにも会社の人間となら、こういう事になると思います。
仕事の縁より大切な人間関係を持ってる人が成熟した大人だと考えます。
とても恥ずかしい話なのですが、トナミ運輸の社長があの綿貫民輔氏の息子とは全く知りませんでした。彼自身も以前には社長&会長を務めていたんですね。彼が宮司職に在るのは知っていましたが、まさかトナミ運輸と関係が在ったとは・・・。貴重な情報有難うございました。
郵政民営化には賛否在るでしょうし、政治家として正しいと思えばどちらの立場に身を置くのも、それはそれで一見識なのでしょうが、少なくとも彼の場合には反対の立場を採る明確な理由が自分には伝わって来ませんでした。未だ平沼赳夫氏等の方が主義や一貫性を感じましたが、綿貫氏は単に古い柵しか無かった様な・・・。
今回の話で余計に彼への印象が悪くなりました。
一寸話が逸れますが、今回の総裁選に出馬した3候補に付いて、その演説内容に麻生&谷垣氏と安倍氏とでは明らかに異なる点が在った様に思います。それは、麻生&谷垣氏が極力専門用語&英語を避け、噛み砕いた判り易い言葉を使っていたのに対し、安倍氏はやたらと専門用語&英語を用いていたのが印象的でした。それが板に付いていれば良いのですが、安倍氏の場合は何か無理無理に背伸びしている様な感じがしました。彼の言葉からどうにも具体性が感じられない事と、この空虚とも言える”言葉遊び”とは無関係で無い様な気がします。
嘗て仕事で、或る巨大企業との取引をしておりました。其処は一時期経営が瀕死状態に在ったのですが、やり手の社長を招いた事で奇跡的な回復を遂げました。取引を開始する迄は「凄いなあ。」と或る意味尊敬の眼差しで見ていたのですが、内実を知ると要は下請けを苛めるだけ苛めていただけ。自分達はさして努力をしないで、コストダウンの名の下に下請けから搾り取れるだけ搾り取っていたというのが実状でした「百姓は生かさぬ様に殺さぬ様に。」江戸時代の農民に対する年貢の搾り取りを表した有名な言葉ですが、21世紀のこの世の中にもそういった世界が未だ在るとは驚きでした。
マスメディアの馬鹿騒ぎは相変わらずでしたね。ファーストレディがどうのこうのとか、安倍氏の好きなタレントは誰々だなんて報じるよりも、もっと報じるべき問題が在ると思うのですが。
自分が勤務していたのも無駄に歴史の長い会社で(笑)、マヌケ様の勤務されている所と類似点が結構在ります。唯、「剣道歴」というのは凄いですね。
他者を敬う気持ちは必要ですが、明らかにおかしな点を指摘せずに黙して語らずでは、その組織は澱む一方。又、経営者が都合の良い部分だけを取捨選択&導入して自分達だけが美味しい思いをし、そのツケが一般労働者に全て廻って来るという状況は、唯々腹立たしいだけです。