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「日本の高校生『一夜漬け』、『授業中居眠り』最多」(3月13日、読売新聞)
日本の高校生の勉強は「一夜漬け」型で、授業中の居眠りも多い。
国立青少年教育振興機構(東京)が13日発表した国際調査から、授業に受け身な日本の高校生の実態が浮き彫りになった。
調査は昨年9月~11月、同機構等が日本、米国、中国、韓国の4ヶ国の高校生計7,854人に勉強の仕方等を尋ねた。其の結果、「試験前に纏めて勉強する。」は日本が69.3%で、4ヶ国の中で最高だった。他方で、日本は「出来るだけ自分で考え様とする。」が33.3%、「勉強した物を、実際に応用してみる。」が10.2%で、共に最低だった。
平日に学校での授業と宿題以外は勉強しない日本の高校生は、前回調査の2009年の34.6%から、24.2%に減ったが、4ヶ国中で最高だった。
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学生時代、試験前の一夜漬けが専らだったので、偉そうな事は言えない。「普段から、きちんと勉強に努める。」方が好ましいとは思うし、「平日に学校での授業と宿題以外は勉強しない日本の高校生の数が、前回調査よりも減っているというのは、良い事だと思う。
唯、一夜漬けによって知識がきちんと習得され、ずっと忘れないので在れば、「効率性という意味で、一夜漬けが必ずしも悪いとは言えない。」とも思う。
今回の記事、日本の高校生の間で「一夜漬け」や「授業中の居眠り」の割合の高さよりも、自分が心配になったのは「『出来るだけ自分で考え様とする。』という子が、3人に約1人しか居なかった。」という事実だ。
知り合いの高齢者・Aは最近、“ネット上での検索”に嵌まっている。“実用的な検索”というよりも、“野次馬的見地からの検索”が専らの様だ。我が身を振り返れば、「ネット上での検索に目覚めた頃は、概してそういう傾向が在った。」ので、“野次馬的見地からの検索”自体を全面否定はしない。
問題なのは、検索して見付かった“1つの情報”だけを、“無条件”で“其の儘”信じ込んでしまっている事。「“幾つかの情報”に当たった上、“自分の頭で其の情報を精査”し、『間違っていないだろう。』と思う情報だけを頭に刻み込む。」という作業をしていないのだ。
「有名人の〇〇って鬘被ってるのよ。検索したら出てて、鬘を外した写真も載ってた。」と以前、Aは嬉しそうに話していた。自分も其の情報及び写真は目にした事が在るけれど、情報自体が少し考えれば「おかしい。」と思われる内容で、何よりも写真がどう見ても“合成”と判る御粗末なレヴェルだった。
まあ、こんなどうでも良い情報なら問題は無いのだろうけれど、「影響が大きい“嘘情報”を、出来るだけ自分で考え様ともせずに鵜呑みしてしまう。」事が、高校生のみならず、あらゆる年代で見受けられるのは本当に心配。
「情報は、先ず疑って掛かる。」、我が身を守る意味でも非常に大事な事だと思います。そういう事が出来ておらず、与えられた情報を鵜呑みにしてしまう人が少なく無いから、振り込め詐欺の様な事件に巻き込まれてしまう人が減らないのではないかとも。
「ポピュリズムの台頭と自分の頭で考えないという風潮は、セットになって蔓延している。」、全く同感ですね。日本に関して言えば、小泉政権以降、そういう傾向が顕著になって来た感じがします。全てに於いて「黒か?其れとも白か?」という単純な分け方をし、疑問を呈されると「其れがどうした?何が悪い!」と遣り返す。深く思考する事無く、雰囲気に流されてしまう。とても危うい事だと思います。
最初に入った情報はどうしても比重が大きくなるので、それに引きずられ易いというのはありますが。
日本に限らず世界を見渡しても、ポピュリズムの台頭と自分の頭で考えないという風潮は、セットになって蔓延しているように見えます。
嘘も大声で叫び続ければ真実になる、そんな独裁者にとって都合のいい時代が、再びそこまで来ているようで怖いです。
民主主義は一人一人が自分の頭で考え、判断することで守られるのであって、強いリーダーを求めそれに委ねるのは真逆だと思うんですがね。