最近では余り無い様だが、野球解説者の中畑清氏が解説中に良く口にしていたのが、「この選手、実は大学の後輩なんですけど、良い素質持ってます。」とか「私と同郷の選手なので、頑張って欲しいですね。」といったコメント。身内意識丸出しの感が在り、個人的には余り好きでは無かった。「それよりも、もっと技術的な話をしてくれ。」と、この手のコメントを耳にする度に思っていたもの。「プロ野球界は、一般社会以上に派閥意識が強い。」という話を見聞した事が在るが、中畑氏の様に露骨に口に出さない迄も、派閥意識を強く持った野球関係者は結構居るのだろう。
スポーツライターの小関順二氏が週刊現代に「野球よ、止まれ!」というコラムを連載しているが、5月9日号のタイトルは「見えない“閥”が支配する日本球界の現状」。ボビー・バレンタイン監督(マリーンズ)が今季限りで退任するというのは確定事項だが、1ヵ月程前にその後釜として2人の人物の名前がスポーツ紙を賑わわせていた。1人は現ヘッドコーチ兼外野守備走塁コーチの西村徳文氏。そしてもう1人はWBCに於ける日本代表チームの投手コーチを務め、NHKで野球解説等を行っている与田剛氏だ。もし与田氏が来季から監督に就任すると、亜細亜大学出身の監督としては大石大二郎監督(バファローズ)に次いで2人目の人物になるそうだ。
東都大学野球連盟に属する亜細亜大学の実績は「全日本大学野球選手権大会(以下、「大学選手権」と略す。)で優勝4回、明治神宮野球大会(以下、「神宮大会」と略す。)では優勝3回。」を誇り、これは東京六大学野球連盟に属する早稲田大学の「大学選手権で優勝3回、神宮大会では優勝0回。」を上回っている。しかし、プロ球界の歴代監督は早稲田出身が19人に対して、亜細亜出身は僅か1人。
この点に疑問を感じた小関氏は、廣済堂が発行している「12球団全選手カラー百科名鑑2009」に載っている「各チームの歴代監督の履歴」を調べてみたそうだ。その結果、過去74年間のプロ野球歴代監督総数は164人で、内「東京六大学勢は83人(明治大学:24人、早稲田大学:19人、慶應義塾大学:17人、法政大学:16人、立教大学:7人。)と全体の50.6%を占めているのに対して、東都大学勢は10人(駒澤大学:2人、中央大学:2人、専修大学:2人、日本大学:1人、芝浦工業大学:1人、東洋大学:1人、亜細亜大学:1人)と6.1%にしか過ぎない。」事が判明。
では、全国大会に於ける東京六大学勢と東都大学勢の成績がどうなっているかと言えば、以下の通りだとか。
*************************************
【大学選手権の優勝回数】
東京六大学勢: 21回
東都大学勢: 22回
【神宮大会の優勝回数】
東京六大学勢: 11回
東都大学勢: 10回
*************************************
時代を遡る程、新興勢力たる東都大学勢の分は悪いけれど、近年では東都大学勢の優位が続いており、通算成績で言えば東京六大学勢と東都大学勢は非常に拮抗しているのだ。因に過去20年間に限定した場合、「大学選手権の優勝回数が東都大学勢10回に対して東京六大学勢は2回、神宮大会の優勝回数は東都大学勢が7回に対して東京六大学勢は4回。」との事。
この結果を受けて小関氏は「プロ球界の監督の数が、比較にならない程に東京六大学勢が多い理由」に付いて、「個人の適性以外の要素が、『監督の決め手』になる事が多いからだ。」と指摘している。即ち「閥」の介在だ。
そして「マスコミは挙って監督の高齢化、人材不足を訴えるが、その背景には東京六大学からしか人材を掬い上げて来なかった歴史が在る。人材が枯渇するのは当然だし、そういう『閥』が弊害になっている事に警鐘を鳴らさなかったマスコミにも責任の一端は在るだろう。」とも記している。
スポーツライターの小関順二氏が週刊現代に「野球よ、止まれ!」というコラムを連載しているが、5月9日号のタイトルは「見えない“閥”が支配する日本球界の現状」。ボビー・バレンタイン監督(マリーンズ)が今季限りで退任するというのは確定事項だが、1ヵ月程前にその後釜として2人の人物の名前がスポーツ紙を賑わわせていた。1人は現ヘッドコーチ兼外野守備走塁コーチの西村徳文氏。そしてもう1人はWBCに於ける日本代表チームの投手コーチを務め、NHKで野球解説等を行っている与田剛氏だ。もし与田氏が来季から監督に就任すると、亜細亜大学出身の監督としては大石大二郎監督(バファローズ)に次いで2人目の人物になるそうだ。
東都大学野球連盟に属する亜細亜大学の実績は「全日本大学野球選手権大会(以下、「大学選手権」と略す。)で優勝4回、明治神宮野球大会(以下、「神宮大会」と略す。)では優勝3回。」を誇り、これは東京六大学野球連盟に属する早稲田大学の「大学選手権で優勝3回、神宮大会では優勝0回。」を上回っている。しかし、プロ球界の歴代監督は早稲田出身が19人に対して、亜細亜出身は僅か1人。
この点に疑問を感じた小関氏は、廣済堂が発行している「12球団全選手カラー百科名鑑2009」に載っている「各チームの歴代監督の履歴」を調べてみたそうだ。その結果、過去74年間のプロ野球歴代監督総数は164人で、内「東京六大学勢は83人(明治大学:24人、早稲田大学:19人、慶應義塾大学:17人、法政大学:16人、立教大学:7人。)と全体の50.6%を占めているのに対して、東都大学勢は10人(駒澤大学:2人、中央大学:2人、専修大学:2人、日本大学:1人、芝浦工業大学:1人、東洋大学:1人、亜細亜大学:1人)と6.1%にしか過ぎない。」事が判明。
では、全国大会に於ける東京六大学勢と東都大学勢の成績がどうなっているかと言えば、以下の通りだとか。
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【大学選手権の優勝回数】
東京六大学勢: 21回
東都大学勢: 22回
【神宮大会の優勝回数】
東京六大学勢: 11回
東都大学勢: 10回
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時代を遡る程、新興勢力たる東都大学勢の分は悪いけれど、近年では東都大学勢の優位が続いており、通算成績で言えば東京六大学勢と東都大学勢は非常に拮抗しているのだ。因に過去20年間に限定した場合、「大学選手権の優勝回数が東都大学勢10回に対して東京六大学勢は2回、神宮大会の優勝回数は東都大学勢が7回に対して東京六大学勢は4回。」との事。
この結果を受けて小関氏は「プロ球界の監督の数が、比較にならない程に東京六大学勢が多い理由」に付いて、「個人の適性以外の要素が、『監督の決め手』になる事が多いからだ。」と指摘している。即ち「閥」の介在だ。
そして「マスコミは挙って監督の高齢化、人材不足を訴えるが、その背景には東京六大学からしか人材を掬い上げて来なかった歴史が在る。人材が枯渇するのは当然だし、そういう『閥』が弊害になっている事に警鐘を鳴らさなかったマスコミにも責任の一端は在るだろう。」とも記している。
たとえば東都の出身選手も少なかったから
先輩が少ないから引きがない、というのは
間違いなく有りそうです。
また知名度と関係が有るかもしれません。
昔の「人気のセ、実力のパ」ではありませんが
選手を排出しているのは
結構東都が多かったりしますよね。
また最近は
今まであまり耳にしなかった大学出身の
選手も増えています。
そういう今まで知られざる大学(失礼!)も
選手にとっていろんな条件も
整いつつあるのかもしれません。
あ~私はプロ野球の派閥の存在はジャイアンツの監督位しか具体例を知りませんでしたが、出身大学も関係しているとは意外でした。マスコミはどうなんでしょうね。。。流石に出身大学による監督の採用という視点までは中々突けなかったのかな、または突いてもファンの興味の外だったりするので記事にしてもしょうがないという判断なのかしら。自分らは外から見ていて監督の採用基準ってどうなっているのと昔から不思議に思う事はあったとかそういうレベルですから、出身大学が関係していたとは、まったく気がつきませんでした。
プロ入りギリギリくらいだった人を3人知っております。
娘の中学の学年主任、保育所の保護者、娘のバレー部顧問。しかし、皆様「堅実に」教員になってお子たちに野球(バレー部の前は野球部)の指導者になりました。
彼らの共通点は
「野球でご飯食べるのは大変」「ご飯を食べながら好きな野球が出来るには・・・」と考えて自分の進路を決定したこと。
そして子どもたちに「野球だけの人になってはダメよ」としっかり指導している点です。
指導しているチームはほどよい成績をあげます。
もちろん3人とも6大学以外のご出身です・・はい。
話は直接関係ありませんが、明治の一場投手が複数の球団(セ)から栄養費をもらっていた事件を受け、星野仙一氏がニュースゼロ内で言いました。「明治は遠くなりにけり」。星野氏に座布団一枚!
あと出身地がらみは結構根強いですね。応援の理由に郷土愛が強く絡むチームはその点が強いですね。Cだとかつては「中国地方の出身者のみコーチなどになる」という話があって、ゆえに人気選手でも高橋や江藤は去っていったなんて話を読みましたけど…。
>中畑
彼は福島だからいろいろ強烈そう(汗)。
入りたての松井秀喜を熱心に世話してたのは「北国つながり」もあったのでしょうか。北陸地方は先輩が少なそうだけど、松井さんはそういうの気にしない、大らかというか、「面倒の種が少なくていい」と思ってそう(笑)。
ジャイアンツの場合は選手間の派閥も然る事乍ら、フロント内の学閥の存在もしばしば取り上げられましたね。第二次長嶋政権下ではフロントに早稲田出身者がやたらと重用され、その事でチームがガタガタになったという報道がされていましたが、これも以前読んだ本(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/86915a54bdd75d4ceac1f29ffa0280ed)によると「反対勢力によるネガティヴ・キャンペーンだった。」という話も在り、真偽の程は闇の中といった所でしょうか。
「純粋に能力の在る人物を抜擢した所、それが“結果的に”特定の集団に所属していた連中が多くなった。」というのならば未だしも、「最初から特定の集団を寄り集めた。」というのでは組織が硬直化&腐敗化し勝ち。一般社会でもまま見られる現象では在りますが、スポーツの世界位は“実力本位”で在って欲しいものです。
学閥という訳では無いのですが、王貞治氏がプロ入りする際の話が印象に残っています。「タイガース入りするか?それともジャイアンツ入りするか?」で悩んでいた彼は最終的にジャイアンツ入りを決めた訳ですが、その理由の一つに「当時のタイガースは大学出の選手が多かったけれど、ジャイアンツは高卒の選手が結構居り、早実からプロ入りするならばジャイアンツの方がチームに溶け込み易いのではないだろうか。」という考えも在ったとか。
上でtak様宛に書かせて貰いましたが、第二次長嶋政権下で早稲田閥の弊害がかなり報道されましたね。唯、これも「反対派によるネガティヴ・キャンペーンだった。」という話も在り、真相は闇の中。末次利光氏がフロントで力を持っていた頃は、彼の出身校で在る中央大学の人間が重用されていたという話も在りますし、「人が三人集まれば、自ずと派閥が出来る。」というのは或る意味真実なんでしょうね。
そもそもプロ野球の成立自体が東京六大学の野球選手を吸い上げて興業で儲けようと…
ちょっと下品な表現ですいません。
もっとも現在プロ野球で監督・コーチをやってる世代は東都が六大学を圧倒していた(更に言えば東海大が…)時代なので、多少は変わって来るとは思いますが…。
寧ろ此方が危惧するのは“高校閥”っていうか出身高校が一部の学校で固定化されつつあるのが、選手と観客の乖離を拡げかねないかな?などと考えたりしてます。
日本プロ野球草創期の話を見聞すると、「文化としての野球を、我が国にも定着させたい。」という熱い思いが関係者の中に在った一方で、「新しい商売道具として捉えていた。」様な関係者も。まあどれだけ高邁な理想が在ったとしても、ビジネスとして成功しない以上は文化としても定着し得ないでしょうから、後者の思いを否定は出来ない訳ですが、そういう思いを持った人の中には「兎に角、人気の東京六大学から選手を掻き集めれば、相当数の観客も見込め、儲かるだろう。」という計算は在った事でしょうね。
プロ球界の“勢力図”、確かに変わって行く事は考えられます。唯、六大学出身者が減って、その代わりに別の勢力が牛耳るという事では、単なるパワー・バランスの移行に過ぎない。人間が介在する事には「閥」がどうしても関係してしまう物だけれども、監督人事に関しては「能力」や「適正」が最優先されて欲しい物です。
高校閥というのも、良く見聞しますね。所謂「野球名門校」の場合、監督の権限が以上に強くなり、その高校出身者の多いチームへ優先的に選手が行ける様に“根回し”をしたり、その見返りに“裏金”を貰ったりするケースが少なくないとも。これも困った話です。
今後とも何卒宜しく御願い致します。
僕の専門というか、得意ジャンルである「陸上競技・マラソン」の世界にも学閥は存在します。箱根駅伝で活躍したランナーの卒業後の進路や、そのチームの監督の出身校を見れば、一目瞭然です。そもそも、野球にしろ、陸上競技にしろ、日本のスポーツの大半が学生スポーツから始まったものですから、いたしかたないと言える部分はあります。
某球技においては、関西の大学出身者は日本代表に選ばれにくかった、というような噂を聞いたことがありますが、4年に1度、大騒ぎになるマラソンのオリンピック代表選考も、学閥が背景にあるものと言われてきました。
そういった批判が出ぬように、公平性を重視するためにとアテネ五輪の際には、過去の実績よりも選考レースの結果を重視したところ、前回金メダルを獲得した国民的ヒロインを落選させざるを得なくなり、余計にマスコミや世間から非難を浴びる結果になってしまったのでした。
彼女の指導者の先輩は、陸連幹部の要職を占めてましたから、もし、彼女が選ばれていたらまた、「学閥選考だ」との批判が出ていたはずですが。
当時、ジャイアンツのことをやれ金満球団とか、金の力で強くなったと批判していたスポーツライター氏が、この件で陸連を批判していたのが僕には不思議でした。僕から見れば、彼女はいい意味でも悪い意味でもマラソン界におけるジャイアンツのごとき存在に見えたからです。
ところで、「Number」誌の最新号の特集は
「早稲田力」ですって(笑)。