「ダンデライオン」(著者:河合莞爾氏)という小説を読んでいる最中なのだが、其の中に次の記述が在った。
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「ねえ、知ってる?えみちゃん。」。「なあに?ゆめちゃん。」。「タンポポのタネが耳に入ると、耳が聞こえなくなるんだって。」。あたしは驚いた。「うそだよ!」。「ほんとうだよ!だって、学校のだんしがいってたもの。だから、タンポポの白い綿毛が生えてるところを通る時は、りょうてで耳をしっかりおさえて、走っていそいで通りすぎないといけないんだって。でないと、耳にタンポポのタネが入って、耳が聞こえなくなっちゃうんだって。」。
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「蒲公英(タンポポ)の綿毛が耳に入ると、耳が聞こえなくなる。」、子供の頃、良く聞かされた話だ。「耳が聞こえなくなったら大変。」と、花が綿毛に変わった時分の蒲公英の傍を通る際には、両耳を手で塞いだりしたもの。長じてから其れが迷信で在る事を知ったけれど(実際に実験され、嘘で在る事を確かめた方も。)、可成りインパクトが在った迷信の1つだ。
「下の歯が抜けたら屋根の上に、上の歯が抜けたら縁の下に放ると、次に丈夫な歯が生えて来る。」、「茗荷を食べると、物忘れが酷くなる。」、「夜口笛を吹くと、蛇が遣って来る。」、「霊柩車を見た際、直ぐに親指を隠さないと、親の死に目に会えない。」、「白蛇を見ると、良い事が在る。」、「四つ葉のクローヴァーを見付けると、幸せになる。」、「食べて直ぐ寝ると、牛になる。」、「茶柱が立つと、縁起が良い。」等々、多くの迷信を見聞して来たが、「迷信・言い伝えのページ」というのを見ると、初めて知る迷信が幾つか在った。
「落ちている鏡を拾うのは、縁起が悪い。」、「手鏡を上向きに置くと、悪い物が来る。」、「落ちている櫛を拾ってはいけない。」なんていうのは、其の迷信が生まれた理由を推測すると面白い。
「茸(キノコ)茎が縦に裂ければ、毒茸では無い。」というのに関しては、命に係わる嘘なので信じない様に。
「霊柩車を見た際、直ぐに親指を隠さないと、親の死に目に会えない。」というのは知っていたが、「霊柩車を見た際、親指と歯を隠さないと、親の死に目に会えない。」や「墓石の前では親指を隠さないと、親の死に目に会えない。」という別ヴァージョンも在る様だ。
「墓場で転んで出来た傷は治らない。」というのと、「墓場で転んだ場合、靴を片方置いてこないと、彼の世に連れて行かれる。」というのも、今回初めて知った迷信。「墓場で転んで出来た傷は治らない。」という迷信が生まれた理由には諸説在るそうだが、「昔は埋葬方法が土葬だった為、墓地で転んで傷を負った際、傷口から雑菌が入ってしまう事が在り、其れを戒める意味合いが在った。」というのは、個人的に腑に落ちる物が在った。