教員免許更新制度

学生時代の話になるが、物理を担当していた教師の授業はかなり御粗末なものだった。教科書と共に１冊のノートを持参して授業を開始し、黒板に向かって延々とノートに書かれた事を書き写しているだけ。終了のチャイムが鳴る迄ずっとそんな感じで、一応形だけの質問タイムは設けるものの、回答も御座成り極まりないもの。典型的な”でもしか教師”といった感じで、物理の時間が苦痛でしかなかった。

「週刊文春（７月２０日号）」に「『生徒ほったらかし』自己チューな教師たち」という記事が載っていた。

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・　四年生の子の授業参観に行った所、理科の電池の授業。直列と並列どちらが強いかやってみる授業だが、４５ふん掛けて、ほんの数人しか答に辿り着けない。最後に出た教師の発言が、「今日は良く判らんかったね。』。これで終って良いのか！？と思った。（３９歳・兵庫）

・　子供が二年生だった時、九九の問題を子供に出すが、先生は答を電卓で計算していた。（３６歳・愛知）

・　中学の担任は進路相談で、「学校より塾の方が確かだから、良く相談して下さい。」。無責任先生でした。（４４歳・東京）

・　小学二年生の担任の女教師は、頭の良い子を”様付け”で呼ばせ、落ち着きの無い子を”～菌”と呼んでいた。何人も登校拒否になっていた。（３０歳・高知）

・　小六の時の担任は、子供にプリントをさせて居眠りしていたそうな。もっとビックリは、その事を隣のクラスの担任に言うと、「疲れているんだから、休ませて上げて！」だと！学校辞めてゆっくり御休み下さい！って感じでした。（４３歳・岡山）

・　休みが多い。体が弱い様に見せ掛けて、車の上にはスキー・キャリアが在ったり、新装開店のパチンコ店に並んでいたりというエピソードが在る。三年前の中学教師。（４４歳・愛知）
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知り合いに教育関係者が多く、学校の現状に付いて話を聞く機会がまま在るので、こうった”トンデモ教師”の行状の数々にも然もありなんという気がする。勿論、生徒達及びその親の側にも、多くの問題が在るとは思っているが。

先日、中央教育審議会が提出した答申の中に、「教員免許更新制度」の導入が盛り込まれていた。「教員に必要な資質や能力は、常に変化している。免許更新の講習は、教員の活動を応援する為。」として、１０年毎に最低３０時間の講習を受けないと教壇に立てなくなるというもの。

この答申に対して、現場の教師の間で戸惑いと不安の声が上がっているという。「今ですら子供に向き合う時間が足りない。子供が多様化する中、講習で何が学べるのか。子供の変化は現場で学ぶしかない。」、「１０年に一度、たかだか３０時間の講習で何が身に付くのか。」、「複雑な家庭が増え、子供への対応は難しくなっている。講習は悪くないが、内容が問題。」等々。勿論、「講習に行ける時間や人員の確保をしてくれるなら研修は歓迎。様々な事例研究を学びたい。」と賛意を表す教師も居る。

「国家に都合の良い教育を施させる為に、意に沿わない教師の身分剥奪を図ろうとしているのではないか。」という意見には一理を感じる。教育の場を国家が統制し、国民を戦争の道へと誘った不幸な過去を、我が国は抱えているからだ。

唯、「コミュニケーション能力が著しく劣っており、生徒とまともに向き合えない教師。」や「百年一日の如く、不毛な授業しか行なえない教師。」、「社会人として問題在りの教師。」等の場合は、彼等を放置したままでは子供達にとって、ひいては国家の将来にとって百害在って一理無しだろう。

無意味な書類作成業務が増えたと言われている教師の世界。こういった”無駄”は極力省いた上で、現場に身を置ける時間をその分増やす。そして、より実践的な講習を行なうというので在れば、教員免許更新制度を導入しても良いのではないだろうか。