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「<天下り>政権交代後、半減 2010年度462人」(6月8日、毎日新聞)
国家公務員の管理職以上の天下りは2010年度に462人で、政権交代前の2008年度(1,236人)の約4割に減少していた事が7日、総務省の調査で判った。鳩山政権が2009年に閣議決定した天下りの斡旋禁止、独立行政法人役員への公募制導入が一定の効果を上げた形だ。
総務省が民主党行政改革調査会(中野寛成会長)に調査結果を示した。国家公務員法は退職後2年以内に再就職した場合、就職先を届け出る事を規定。届け出件数から天下りを抽出した所、2006~2008年度は1,200人前後で推移し、9月に政権交代した2009年度は1,130人だったが、2010年度は大きく減った。
2008年度と2010年度の天下りを比べると、独法が94人から20人に、公益法人も493人が95人に其れ其れ減少。一方、慣例による天下りが多いとされる営利法人では181人から152人と、減少幅が小さかった。
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「理不尽さが罷り通る現状を、良い方向に変えて欲しい。」と少なからずの国民が願い、其の結果として成し遂げられた政権交代。しかし、其れから約2年9ヶ月経つ今、民主党政権には幻滅させられる事許り。野党時代には“見る事が出来なかった事柄”というのも存在するだろうから、「マニフェストは、全て守らなければいけない!」なんぞとは端から思っていないが、其れにしてもマニフェスト違反が多過ぎる。最近の民主党を見ていると、「“悪い意味で”、自民党と変わらなくなって来た。」という気がしている。
以前の記事でも書いたが、民主党の最大の失敗は「参議院では過半数(122議席)に近い109議席を有し、衆議院では圧倒的多数(320議席)に近い308議席を有していた2009年8月31日から2010年7月11日迄の間に、『議員定数及び公務員の大幅削減』という“身内切り政策”が断行出来なかった。」事だと考えている。「国民の重い負担を課すので在れば、“身内切り”を最優先に行う。」というのは当然の事だし、其れを行っていれば民主党の支持率も、此処迄低下しなかったろう。
不毛な公務員叩きはしたくないが、待遇が過度に守られている事で、辞めさせなければいけないレヴェルの公務員が、辞めさせられない儘、血税を食い荒らしているのは問題。「官民の人事交流を図る事で、国の持つ様々なノウハウを学べる。」というメリットは在るだろうけれど、「官民の癒着」や「再就職を繰り返す事で、法外な金銭を得ている。」等の点から、天下りは百害在って一理無しと言って良い。「官民の癒着によって、本来は安く導入出来る物が馬鹿高い価格で導入しなければならなくなった。」り、「天下り連中が再就職を繰り返し、法外な金銭を得る事で、“商品”に其の分が上乗せされた。」りと、天下りは煎じ詰めれば「国民に不要な重荷を背負わせる。」だけで在る。
「西山事件」や「日米核持ち込む問題」等々、自民党政権下では明らかにされなかったで在ろう“事実”や“密約”が明らかにされる等、「情報公開」という点では、政権交代による“一定の”成果は認めている。(「福島第一原子力発電所事故」での情報公開は、全く戴けなかったが。)今回の「天下り半減」は政権交代による数少ない成果の1つに加えて良いと思うが、(政権交代2年目)の2011年度に「厳しい目が向けられなくなったから、もう安心。」と許りに、天下りが再び激増していない事を願う。