ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“復帰”を待ち望んでいたのに・・・

2024年11月21日 | 其の他

新型コロナウイルス感染症が流行する少し前だったと思うが、知人から「NHK BSで、面白い紀行番組を放送しているけど知ってる?俳優火野正平氏が自転車に乗って、日本列島縦断するという内容なんだけど、一度見たら嵌まっちゃってずっと見続けてる。」という話を聞いた。番組名はにっぽん縦断 こころ旅動画】。パイロット版として2011年2月15日~2月18日に掛けて放送されたのが最初で、2011年4月4日~6月17日に掛けての"春編"が本格的な放送開始だと言う。そう言われてみれば、ザッピングしている時に「火野氏が自転車に乗っているシーンを、チラッと見た。」記憶が在った。其の際、「"彼の"火野氏が、こんな番組に出る様に成ったんだ。」と驚いたっけ。

"彼の"と書いたのには理由が在る。自分が子供の頃より俳優として活躍していた彼だが、自分の中では俳優としての彼よりも、女性遍歴が物凄い、女誑しプレーボーイというイメージが非常に強く、「自転車に乗って、日本列島を縦断する。」という"健康的な感じ”からは程遠かったので。

有名無名を問わず、数多くの女性との交際を報道されて来た火野氏。「火野正平」と言えばプレーボーイの代名詞みたいな感じで使われていたし、実際、女性遍歴が凄い有名人に「第二の火野正平」みたいな呼称が使われた事も在ったっけ。

知人が余りにも勧めるので、時間を置かずに実際に番組を見た。そして、自分も嵌まってしまった。地井武男氏や笑福亭鶴瓶氏等の様に、相手との間に"壁"を作らず、すっとに飛び込んで行く様な自然体の火野氏が、各地で出会った人々と肩肘張らないで接しているのはとても心地好かったし、彼のユーモアセンス溢れた言動が楽しかった。ので。

又、人に限らず、動物や植物といったあらゆる生き物に対する彼の優しさが垣間見れる事や、(失礼を承知で書くと)見た目からは想像出来ない程の知識の深さが感じられる。のも魅力。「こういう人だから、女性に持てるんだな。あんなにも女性遍歴が物凄かったのに、別れた女性から"恨み言"が出なかったのも納得。同性の自分でも、好きに成っちゃいそう。」と思うのに、時間は掛からなかった。

以降、新しく放送がされるに欠かさず見続けたし、再放送(本放送1発目は、東日本大震災発生から間も無い頃。収録したのは恐らく発生直後と言っても良い時期だったろうけれど、火野氏の真面目な部分と優しさが伝わって来る内容だった。)も見たりしていた。

番組開始から14年目を迎え、「75歳」を間近にした彼が、今年4月15日(NHK BSでは)から"春編"に登場する事と成った時、「又、見られる!」と嬉しかった。後期高齢者と成る彼が、体力的に何時番組を続けられるかなあ。」という心配が、昨年辺りから自分の中には在ったので。坂道で自転車を「ハアハア。」言い乍ら漕ぐ姿や、腰の不調を訴えるシーンに、「普通の自転車では無く、電動アシスト付きタイプの自転車に代えて上げれば良いのに。」と思ったりもしていた。なので、春編が始まった際、電動アシスト付きタイプの自転車に変わっていた事にホッとしたのだが・・・。

春編の放送開始と成ってから直ぐに、放送中止が発表された。「火野氏の腰痛、収録が出来なくなった。」というのが理由で、結局、春編は1週目放送分にて、事実上の打ち切りに。

以降、火野氏の病状に関する報道が、(自分が知る限り)ピタッとされなく成る。「昨年辺りから腰の不調を何度か訴えていたし、ヘヴィー・スモーカーだったからか、""を良くしていたのも気に成る。の様な重篤な病気で無ければ良いが・・・。」と不安は募る一方だった。

で、秋編が10月7日から放送開始と成ったのだが、開始前に「火野氏が夏に腰を骨折してしまった事から、今回はピンチ・ヒッターを立てて放送する事に成りました。」との報道には、不安が更に増した。

柄本明氏を始めとするピンチ・ヒッターの方々、気の毒な位に頑張っているのは伝わって来るのだが、矢張り"火野氏の魅力"には及ばず、「次のクールには、火野氏が復帰して欲しいな。」と強く願っていた自分。

昨日、火野氏の訃報に接する事と成った。死因不明なれど、今月14日に75歳で亡くなられた。と言う。復帰を待ち望んでいただけに、残念でならない。彼のはにかむ様な笑顔を、又見たかったのに・・・。

俳優としては「助平だらしないけれど、何とも憎めない役。」が多かった火野氏。でも、「にっぽん縦断 こころ旅」から伝わって来る彼の本質は、助平さを持ち合わせているけれど、真面目で心優しく、ユーモアのセンスに溢れた魅力的な人物。という物だった。

楽しい放送を有難う御座いました。彼の世でも、大好きな自転車を漕ぎ続けて下さい。合掌


コメント    この記事についてブログを書く
« 此の世をば・・・ | トップ | 「何でも在り。」で、本当に... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。