ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

若手育成

2008年10月18日 | スポーツ関連
ジャイアンツ無節操としか思えない補強姿勢に関しては、当ブログでもこれ迄何度か批判して来た。補強自体は全く悪い事で無いが、「先ずは自前の選手育成を徹底的に図り、それでも足りない部分に付いては、きちんとルールに則った上で補強する。」というスタンスでなければならないと自分は思う。

昨年オフ、大補強を行ったジャイアンツ。チーム構成を考えると、セス・グライシンガー投手の獲得は理解出来るものの、アレックス・ラミレス選手及びマーク・クルーン投手に関しては疑問を感じていた。(「ジャイアンツの独走は在り得るか?」)しかし結果論で言えば、この3人が居なければジャイアンツの優勝は在り得なかったろう。タイガースが戦力的にも精神的にも支柱と成り得る金本知憲選手を獲得した事で強いチームに生まれ変わった様に、ずっと4番に座り続け、尚且つ結果を残し続けたラミレス選手の存在感は、想像以上に大きかった。又、「林昌範西村健太朗両投手のダブル・ストッパー体制」を私案としていたが、両投手の今季の状態を考えると、クルーン投手に不安は残るものの、その獲得は誤りでは無かったと言わざるを得ない。「唯一無二的に正しかった。」とは言わないが、少なくとも「昨年オフの大補強が、全くの方向違いな物では無かった。」のは確かで、自分としては非常に珍しい事では在るが、この点ではジャイアンツのフロントを評価して上げたいと思う。

上記した様に「ジャイアンツがこれ迄行って来た、無節操な補強」には否定的な思いを持っているが、そんな自分でもネット上等で「ジャイアンツが行っている事はすべて悪。」といった書き込みを目にすると、「それってステレオタイプ過ぎる主張、否、主張にも成り得ていないよ。」とげんなりした思いがしてしまう。具体的に「ああだから。」とか「こうだから。」という例を挙げた上で、「この点に於いて、ジャイアンツは駄目。」というのならば判るのだが。

一方で、冷静且つ是々非々なスタンスで、ジャイアンツを分析&評価している他チームのファンの方々も居られる。「自称阪神タイガース評論家」は良く覗かせて貰っているブログの一つだが、先日の記事「航海は続く」に寄せられたコメントの中には、そういったスタンスを感じる物が幾つか在り、ジャイアンツ・ファンの一人として素直に嬉しかった。そういったコメントのほんの一部を、原文のまま抜粋させて貰う。

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・ 広島ヤクルトは四番やエースに去られてもあれほど頑張ったではないか。巨人の逆転も若手の起用が当ったから。(黄金バッテリーが懐かしい様)

・ 全試合出場を果たした坂本始め、巨人若手たちが発した言葉、「監督が我慢して使い続けてくれたおかげ」、「監督に恩返しがしたかった」が印象的。(のりすけ様)

・ 一昔前の巨人の補強は、FA放出の各チームの大砲を大金出してあさりまくり、桑田をして「ゴルフだってドライバーばかりじゃスコアはまとまらない。」と馬鹿にしていたけど、今年の戦力は、プロパーの若手も混ざって、実にうまくかみ合っていたと思う。(三連弾様)

・ 8日G戦7回裏、打席に立った山口の眼が忘れられない。「3イニングス目も俺がいくぞ!」。あんな眼をしたピッチャーがうちにはおるか?春先暴走を繰り返していた鈴木尚。盗塁死でゲームセット。「コイツあほや。」と思ってた。あんな場面で盗塁仕掛けられる若手がおるか?二岡を押しのけた坂本、よしのぶを代打にした亀井脇谷も含めて、使ってみたくなる選手から使わなければならない選手に自力で成長した。そして、これまでのレギュラーを押しのけた。(こじ様)
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「ジャイアンツの選手達を褒めているから嬉しい。」なんていう狭量さで、これ等のコメントを紹介させて貰った訳では無い。「見るべき点を、ちゃんと見てくれているんだなあ。」というのが嬉しいのだ。特に嬉しかったのは、ジャイアンツの長年の課題で在った「若手育成」を評価してくれている事。他チームから来てくれた選手達、又、ジャイアンツ生え抜きのベテラン&中堅選手の頑張りも当然在る、今季に関しては若手選手達の台頭が目立っていたと思う。

10月11日付けのスポーツニッポンに、ジャイアンツの若手育成に関する詳細が紹介されていた。その概要は知っていたものの、詳細を目にして「他チームでは当たり前の事を、やっとジャイアンツは始めてくれたんだな。」と改めて感じた。

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① 強化指定選手

球団は強化指定選手を設定し、打者には打席数を、投手には登板数を意図的に多く与え、実戦経験を徹底的に積ませる事で、飛躍的な成長を促す。2006年は2軍で300打席を超える選手が1人も居なかったが、昨年は坂本勇人選手が302打席(元記事では330打席と記してあったが、302打席が正しいと思われる。尚、1軍では3打席を経験。)、田中大二郎選手が312打席(元記事では350打席と記してあったが、312打席が正しいと思われる。)に立つ等、強化指定選手に徹底的な“英才教育”を施した訳だ。

② 組分け

本年7月1日に元ジャイアンツ投手で総括部課長兼医療コンディショニング室の松尾英治氏が育成ディレクターに就任。2軍選手と個人面談を行い、A・B・C・Dの組分け。Aは1軍クラス、Bは1軍半、Cは2軍、そしてDは怪我人とリハビリ組。Aの強化指定選手には、これ迄以上の実戦重視プログラムが組まれ、“第二の坂本”として期待が懸かる高卒ルーキー・中井大介選手は2軍で96試合中、94試合に出場。打席数367(元記事では390打席となっているが、367打席が正しいと思われる。)は、昨年の坂本選手のそれを上回っている。

③ 自己分析

各選手に自己分析を行わせる。提出させるシートは球界でも例が無い程に細分化された物で、その項目は10以上に及ぶとか。この資料はフロントのみならず、原辰徳監督にも提出され、選手個々の現状把握に用いられている。
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「選手個々の育成計画は、1ヵ月単位で見直されている。」とも記されていた。
当り前の事が当たり前に為されていなかったジャイアンツ。やっと普通のチームに近付きつつ在るのかもしれない。更なる若手育成に期待をする一方、レギュラー・シーズンで結果を残せなかった高橋由伸選手や二岡智宏選手等のベテラン選手*1には奮起を促したい。

*1 今季限りで引退する事になった村田善則選手、本当に御疲れ様!2001年以降は阿部慎之助選手の陰に隠れてしまった感は在るが、此処ぞという場面で働いてくれた事を決して忘れない。今後は指導者として、球界に貢献して欲しい。

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12 コメント

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補強に関しまして (ジャン)
2008-10-18 12:25:34
メジャーでは補強は戦力補強のみならず、相手チームの戦力ダウンを図る事も含めた作戦だと聞いたことがあります。
FA先進国ならではですが、今までジャイアンツも苦手な選手を自軍に引き入れることによって、実際の成績よりもプラスになった選手チョイスも目立ちますね。
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>ジャン様 (giants-55)
2008-10-18 15:32:28
書き込み有難う御座いました。

1949年、南海ホークスの大エースだった別所毅彦(当時は「別所昭」。)投手がジャイアンツに引き抜かれ、社会問題に迄なりました。当時のジャイアンツは主力投手に故障が相次ぎ、戦後の優勝を成し遂げられていない状態。何としても優勝をしなければならないジャイアンツにとって、1948年に26勝を挙げた別所投手は喉から手が出る程欲しい戦力でした。又、別所投手は他チームのエースと比して低い待遇に不満を持っており、ジャイアンツからの好待遇でのオファーは渡りに舟。双方のメリットが合致した為の移籍でしたが、引き抜かれた側のホークスとしては「ふざけるな!」という思いだったのは言う迄も在りません。

ジャイアンツとしては「兎に角、優勝をしたい。」という思いの他に、「優勝した後に日本一を争うで在ろうホークスの戦力を減じられた。」という思いも在ったと聞きます。

ジャン様が御指摘の様に「他チームを弱らせる為の戦力の引き抜き」というのは、V9時代のジャイアンツも良くやっていたそうで、中には買い殺しの様なケースも在ったというのですから酷い話です。こういうのは「良い選手の活躍の場を無くす。」という意味で、野球ファンに対する冒涜と言えましょう。
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Unknown (yama)
2008-10-18 20:31:17
ジャイアンツはプロだから金をかけて強化する
というのはそんなに非難される事ではない、と思うが、学問の場である大学がなりふり構わず
選手を集めるのはどうかな?(金でなくても)

大学ラグビーは関東学院が出られなかったから
早稲田だけが妙に強すぎてすごくつまらなかった、今年はどうなんだろう?
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>yama様 (giants-55)
2008-10-18 21:07:00
書き込み有難う御座いました。

自分も「金銭を投じてのチーム強化」自体は、プロとして決して間違っていないと思っています。利益の一部を将来への投資に廻すのは、企業として必要な事だとも。唯、ジャイアンツの場合、「まともな育成を怠って来た上で、何でもかんでも外から獲ってくれば良い。」というスタンスが露骨だったのが批判を買う所。先ずは自前の選手育成をすべきだった。

又、「大砲ばかり寄せ詰めれば、それでチームは強くなる。」という思い違いも在ったでしょうね。この点に関しては嘗ての自分も同様の思いを持っていましたので、人の事をどうこう言えませんが。
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Unknown (yama)
2008-10-18 21:11:37
ただジャイアンツでほとんど出番の無いような選手が、広島のスタメン選手より年俸が高いような事がもし有ったら、ちょっとそれはどうなの?と思います
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>yama様 (giants-55)
2008-10-18 21:30:19
ジャン様宛てのレスでも書きましたが、「活躍の場を与えて上げれば活躍出来る様な選手を、“飼い殺し”にしている。」状態というのは野球ファンに対する冒涜だと思っています。起用しないなら他チームに移籍させて、出場機会を与えさせないと。
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ご紹介ありがとうございます (torao)
2008-10-19 10:30:57
今年のジャイアンツは、序盤、不調の選手が多く出足があまりにも鈍かったのですが、本領を発揮すればやはり強かったですね。そして坂本、越智、山口の安定した活躍による防御力向上が強さのベースになりました。これはタイガースが強くなっていく過程と似ているかも知れませんね。先入観だけでものを言う人もいますが、冷静に見ている人はちゃんとわかっているということでしょう。
最後に、ジャイアンツ優勝おめでとうございます。タイガースにとってはとてもとても悔しい優勝だったため、一度も書かなかった言葉ですが(笑)。
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飼い殺しと言えども (ジャン)
2008-10-19 10:45:19
yamaさま>
横スレですみません。
広島の年棒は広島の問題ですわ。
違う会社ですから。
だから一般の会社でも、高収入でヘッドハンティングがある訳で。


年棒が選手の全てを表すことではないと思います。
貢献度や経験や交渉や他の選手への影響等、色んな要素が重なっての年棒ですよね。
知人の某元プロ野球選手は自分は年、60試合出場位が一番集中できると聞いたことがありますが、全試合出場を目標にしている選手ばかりでもないんですよね。
狩りをしなくても良い檻の中のライオンで満足な、こちら側が飼い殺しと思っていても、意外と快適に過ごしている選手もいるんです。
野球界は特別ではないですよ、一般社会と一緒です。
しかもファンはマスコミ等から一般の会社よりも多くの情報が入ってくるため「給料泥棒」なんて言葉が出てくることもある同じ会社内の愚痴ですが、マスコミに叩かれている「年俸泥棒」と呼ばれる選手の中には、チームメートからはそう思われていない選手も少なからずいるんですよね。

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ずばり訊きます! (higu)
2008-10-19 12:03:03
 タイトルは借用させて頂きました。

 ジャイアンツファンやタイガースファンには失礼ながら、今年のセ・リーグ終盤の優勝争いに対して、私は心の中でどこか白けた気持ちを抱いておりました。自分の贔屓のチームが関係してないからではなく、どちらが優勝しても「金にモノを言わせて他球団から選手を掻っ攫う金満球団がペナントを掴むのには変わらない」という思いからです。ジャイアンツは昨年最下位のスワローズからグライシンガー投手とラミレス外野手を、4位のベイスターズからクルーン投手を獲得しました。その前は、ファイターズから小笠原内野手を。マリーンズからイ・スンヨプ選手等を獲得しています。生え抜き組みも活躍しましたが、彼らの活躍がなければ、ジャイアンツの連覇はなかったでしょう。大型補強自体は別に構いません。ただ、それが「毎年毎年」となると、問題視せざるを得なくなってきます。プロ野球全体の、戦力バランスを崩しかねません。
 タイガースは、カープからA内野手を獲得しました。タイガースの場合は、「選手を取る」のが問題なのではなく、「選手の取り方」が問題です。A内野手、K外野手に、外国人のS内野手。一昨年は、その後メジャーに挑戦した黒田選手にも手を伸ばしました。結果はカープに残留となりましたが、Dスポーツは黒田投手を「裏切り者!」とし、記事では「どうせ女が恋しくて広島から離れられなかったんやろ」と嘲笑しました。さらに、K外野手やA内野手の古巣チームやファンへの言動には、目に余るものがあり、到底尊敬できる人間の取るそれではありません。どうして、一部の球団を逆撫でする様な事をわざわざするのでしょうか。
 
 少し話が逸れてしまいましたが(笑)。お金のある球団が、その資金力を活かすのは問題ありません。ただ、「制限なしに」というのは、良くないと思うのです。資金力のある球団が所属する選手に高年俸を与える事は球界全体の選手年俸を引き上げ、資金力のない球団の経営を圧迫します。そして、経営の苦しくなった球団は高年俸の選手を放出せざるを得なくなり、資金力のある球団がその選手を獲得し、ますます戦力差が拡大していく…。これではいけません。やはり、どこかで歯止めをかける必要があります。

 対策としては、テレビ放映権料の分配が一つの方策です。ただ、これは日本のプロ野球では難しいでしょうし、懸命に企業努力している球団は納得できるものではないでしょう。そこで、所属する全ての選手の年俸の総額を毎年一定の上限金額を設けて規定する「サラリーキャップ制度」や、アメリカのメジャーリーグのような「課徴金制度」を導入すべきではないかと思います。これは「補強そのものを否定する」制度ではありません。一部のチームが「金を使い過剰に選手を集める事を防ぐ」ものです。「補強はしてもいいが、節度を守って」という事です。制度なしで自主的に守られれば、それに越した事はありません。しかしながら、現実を見れば、それを期待するのは難しいように思えます。

 そこで、ズバリお伺いします。giants-55さんは、サラリーキャップ(又は課徴金制度)導入に、賛成でしょうか反対でしょうか。反対ならば、なぜ反対なさるのでしょうか。是非、ご意見をお聞かせ頂きたく思います。
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>torao様 (giants-55)
2008-10-19 14:53:00
書き込み有難う御座いました。

近年、タイガース・ファンに対する心無い書き込みがネット上で目立ちます。嘗てジャイアンツ・ファンの“一部”に「ジャイアンツさえ良ければ、他のチームの事なんか知った事じゃない。」的な思い上がりを持った人間が居り、その結果、他チームのファンの方々の怒りを買いました。勘違いしているとしか思えない一部のジャイアンツ・ファンの言動を苦々しく思う一方で、そういう連中の言動に立腹される人達の事も理解出来たのですが、近年のタイガース・ファンの“一部”にやはり「自分達さえ良ければ構わない。」といった雰囲気が見受けられ、その他大勢のまともなタイガース・ファン迄もが他チームのファンから白い目で見られて嫌な思いをしているのではないだろうかと同情の思いが。

torao様のブログもそうですが、タイガース・ファンが運営されているブログの多くが、冷静に是々非々で物事を論じておられ、「世間一般で言われる様な不埒なタイガース・ファンなぞ、本当に極一部に過ぎない。」というのを多くの方に知って貰いたいと思っておりました。そこで今回、torao様の記事及び真摯なタイガース・ファンの方々の書き込みを紹介させて貰った次第です。

「悔しい優勝」というのは良く理解出来ます。もし自分が逆の立場だったら、とても祝福の言葉を送れる心境では無いだろうし、だからこそtorao様を始めとした寛大な心を持ったタイガース・ファンの皆様方に、心からの敬意を表したいです。

今季のタイガースは、間違い無く強かった。その集大成として、このままCSを終える事無く、逆襲してくれる事をジャイアンツ・ファンの一人として祈っております。
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