ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“未知との遭遇”から30年

2020年01月28日 | 時事ネタ関連

1月27日付け東京新聞(夕刊)に、「ソ連破れてマックあり」という記事が載っていた。“資本主義象徴”たるマクドナルドが、共産主義の旧ソ連首都モスクワに“ソ連1号店”をオープンさせたのは1990年1月31日の事。“(資本主義という)未知との遭遇”から、3日後で30年が経つ。

「若者が、レジ係で立っている事に驚いた。」と話すのは、航空会社社員のヴィクトル氏(70歳)。民が皆働いていたソ連時代、レジは主に中年が担当していたのに対し、マックは若者許りを採用したからだ。

今から27年前の1993年、年末から新年に掛けて中国を旅した。元日の昼、上海のマクドナルドに行った際、新年を迎えたという事で、パンダ型のチョコレートが配られていた。「国によって、マクドナルドも違うんだなあ。」と思ったが、一番意外だったのは、店内で働いているスタッフ高齢者が多い事。最近でこそ日本のマクドナルドでも、“人手不足”の影響で高齢者のスタッフの姿を見掛ける様になったけれど、当時の日本では皆無に等しかったと思う。社会主義の中国では、共産主義のソ連同様、マクドナルドで働く高齢者は珍しく無かったのだ。

「昔は入店、1時間待ちの行列。注文したら直ぐに料理が出て来て、味の良さにも驚いた。」と証言するのは、元ホテル従業員のゾーヤさん(74歳)。彼はオープンから1ヶ月後、初めてモスクワ店を訪れたと言う。ロシアメディアによると、オープン当日の訪問客は3万5千人を超え、此れ其れ迄記録を持っていたハンガリーブダペスト店の9,100人の約4倍。モスクワでの平均月給が150ルーブルの当時、ハンバーガー1個が1.5ルーブルだったというのだから、相当に高価な食事だ。

求人広告を見て応募したのは約2万2千人で、採用枠は約600人。最高学府モスクワ大卒業生や元パイロット等、エリート許りが採用されたが、彼等が返事に窮したのが「4時間続けて、笑顔で居られますか?」という質問だったとか。ロシア人は、初対面の相手に微笑み掛ける習慣が無いので。彼の地では、「意味無く笑うのは、馬鹿の証拠。」というも在るそうだ。

接客時の笑顔に加え、「いらっしゃいませ。」や「有難う御座いました。」の挨拶には、ソ連式の不愛想な接客に慣れていた客は驚き、そして気味悪がったと言う。客のショックを和らげる、開店から少し経つと、「笑みを少し抑える様に。」とマニュアルが変更されたというのだから、もう笑い話だ。


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