ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

野戦病院

2008年06月14日 | 時事ネタ関連
三重県伊賀市上野車坂町の診療所「谷本整形」で、5月23日から6月9日迄の間に腰痛の治療等で鎮痛薬の点滴を受けた60歳代~80歳代の患者14人が腹痛や発熱、嘔吐等を訴え、内1人が死亡していたというニュース。「事前に作り置いた点滴」の衛生管理に問題が在った可能性が指摘されている。*1

同診療所の院長がインタビューに応じていたが、「発覚当初は現場に全責任を押し付けるも、その後に自身の監督責任を認める。」、「衛生管理よりも別の要素を最優先させた“様な”『使い回し』と『作り置き』」等、船場吉兆湯木佐知子女将を思わせる内容だった。「『手付かずの料理』を『食べ残し』と表現するのはニュアンスが違うと思う。」と言い放った女将に「自分等が遣っていた事のえげつなさは同じだろ!」と突っ込みを入れた人も少なくなかったろうが、今回の院長が「マスコミは儲け主義と言いますが、私の家には風呂が無くてシャワーだけなんです。風呂も無い様な開業医が、どうして儲け主義なんでしょうか?」と涙乍らに主張しているのを見て、「それは単に風呂嫌いだからじゃないの?」と突っ込みを入れた人も結構居たのではないか?本筋とは異なる話を持ち出されても、受け取る側は白けるばかりだ。唯、彼の話の中で気になる点も在った。

此処は野戦病院の様な診療所で、多い時は1日に350人近くの患者を診ている。院内感染の発生率も高いと思う。

以前、報道番組で「救急医療体制の崩壊」を取り上げていた。医師不足から救急患者の受け容れが物理的に不可能な病院が増え、その為に医師や施設が比較的整っている病院へと次々に患者が運び込まれるという、蟻地獄の如き悪循環。海堂尊氏が「ジーン・ワルツ」等の作品で指摘している様に、医療現場が抱える構造的な問題が在る。救急医療とは話が異なるが、今回の診療所が本当に野戦病院の如き状況に在った“としたら”、同情を覚えない訳でも無い。勿論、だからと言って杜撰な衛生管理体制が許される訳では無いが。

*1 点滴を事前に作り置く事自体は問題無いそうだ。要はその衛生管理が問題という事なのだろう。多忙な医師はこの他にも大勢居り、その殆どは多忙な中でも、最大の注意を払って従事していると信じる。だからこそ今回の“直接的な”原因が衛生管理の杜撰さに在ったとしたら、それは他の真っ当な医師達への背信行為とも言えるだろう。

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2 コメント

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院長の頭髪は作り置き (tak)
2008-06-14 10:52:46
点滴に混ぜていた「ノイロトロピン」なんて。気のものです。大して効きもしない。
代りに副作用も無い。
伝わってくる情報からですが

○一日の外来患者数350人のうち100人ほどにノイロトロピンの点滴をしていた。

ということはやってもやらなくてもいい点滴を漫然と行っていた。
これはクリニック側の事情で売り上げを上げることもさることながら、
「あそこは点滴をしてくれるいいクリニックだ」という患者側の思い込みによる
リクエストに応えるのに必然であったとも考えられます。

○一日350人も来るクリニックの管理医師が風呂も無い(それだけ粗末な)住居にしか住めないわけが無い。

これも伝聞ですが納税額が1600万とのこと。。。
すると収入はいったい幾らになるのでしょう。

そして「野戦病院のようだ」なんて言い訳にしか聞こえないです。こんなセリフ本当の
救急の矢面に立っている医療関係者が聞いたら怒りますよ。
正直この時代そんな整形外科のクリニックは無いと思います。
野戦病院って命にかかわる怪我人がどっと押し寄せてくる処をさしていう言葉です。
例えば大災害時の病院とか。
腰痛、膝痛などの慢性疾患ばかり扱っているであろうこのウハクリにはそんな言葉は似合いません。
忙しい、人手不足だなんて言い訳で通るとでも思っているのでしょうか。
院長は自分の頭髪を偽装するヒマがあるくせにです。
ですのでこのケースは医療現場が抱える構造的問題ってのは当てはまらないと思います。
点滴の作り置き~室温で長時間放置、そしてセラチア菌増殖のボトルを点滴。
これは数年前におこったM原総合病院での院内感染死亡事故とおなじパターン。
この事例から何も学べていませんね。こんなクリニックは取り潰しでいいと思います。
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>tak様 (giants-55)
2008-06-14 14:13:59
書き込み有り難う御座いました。

“囁き女将”と似た芝居臭をあの院長からは感じたのですが、ただ劣悪な労働環境に置かれている医師達も少なくないという話も在り、この診療所もその一つの可能性も在るのかなあという思いが“少し”在ったのですが、やはり違った様ですね。

医療現場に身を置いておられるtak様の書き込み、とても参考になりました。記事の最後にも記しました様に、自身の好い加減さを棚に上げてのもっともらしい言い訳は、真っ当に職務に従事されている他の大勢の医師達への冒涜以外の何物でも無いですね。
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