ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

万引

2005年03月29日 | 時事ネタ関連
一昨日の新聞に「万引対策”本”気です」という記事が載っていた。悪質な万引行為に泣き寝入りしていた書店側が、強い姿勢を打ち出して来ている事を報じたものだ。

昨年10月、府中市の書店が28歳の会社員女性を相手取り、23万円余りの支払いを求める訴えを起こした。この女性が少なくとも38冊のコミック本(約1万5千円分)を万引し、新古書店へ売却していた事に対する訴えで、請求額には盗まれた書籍代の他に、新たに設置した万引対策のミラー代2万円、監視の為3日間増員した店員の日当2万5千円、警察の事情徴収に充てられた店員等の時間割の給与1万1千9百円と弁護士費用が当該。この女性は刑事裁判で懲役1年(執行猶予3年)の有罪判決が下りていたが、何度も万引きを繰り返し、その書籍を売って生活費に充てる常習者だった事から、悪質さを考慮して書店側は訴えを起こしたという。結果的に、請求額の内弁護士費用の16万円を除いた約7万円を、この女性が書店に支払うという事で和解が成立した。

当初、書店サイドは訴訟を起こす事に慎重になっていたそうだ。と言うのも、一昨年に川崎の古書店から万引容疑で同行を求められた中学生が、逃走して踏切で撥ねられて死亡する事故の件が在った為。この一件では、万引容疑の中学生ではなく、警察に通報した古書店長を非難する声が殺到し、結果的にその古書店が閉店に追い込まれた。万引される側が悪い。というとんでもない非難すらも浴びたというのだ。

記事に拠ると、書店1店舗の万引年間被害額は推定で平均約210万円にもなるという。粗利益が23~25%と言われ、その中から人件費を始めとした営業経費を搾り出さなければならない書店としては、この被害額は死活問題に直結する。以前聞いた話では、1冊万引された場合、同じ本を5冊売らないと穴埋め出来ないという事だった。

活字離れが騒がれ、書籍の売り上げが伸び悩む書店業界では、店舗の経費削減が進んでいる。広い店舗に割けるスタッフ数も削減され、万引がし易い環境になっていっているとの声も在る。悪質な万引が増加する中、万引が割に合わない犯罪行為である事を世間に周知徹底させ、ひいては万引行為の抑制に努めたいとする書店業界。防犯費用も支払わせるとした今回の書店のスタンスは、万引に悩む全国の書店のになるのかもしれない。

幼き頃、どうしても欲しい物につい手が伸びそうになった事が在る。しかし、理性も在るが、それ以上に捕まった時の恐怖から万引行為に手を染めずに済んだ自分。成人して行く過程で、金銭を稼ぐ事が如何に大変で在るかを知り、万引される側の苦労も同時に知っていった。

犯罪を成した人間であっても”原則的に”(理不尽で残酷な殺人行為に対しては、どうしても認めたくない気持ちが在る。)更正の道を妨げてはならないと思っている。しかし、悪行を成したらこういう目に遭うのだという厳しい現実を思い知らせる事も、モラルレス化が急速に進む我が国では必要だと思う。
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2 コメント

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事情が昔とは・・ (ハムぞー)
2005-03-31 06:59:02
最近は、盗んですぐブック○フなどへ売り払い、小遣いにするそうですね。

苦学生が「どうしても欲しいがお金が無く盗んでいた」イメージとは全く逆で。



死亡事件での本屋さんは本当に気の毒でした。

彼が万引きしなければ、普通に営業できていたのに・・。



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Unknown (やま)
2005-04-03 01:28:27
万引きもなぜ万引きをしてはいけないのかということを子供たちに理解させないといけないですね。ただ万引きは犯罪ですと繰り返しているだけではいけないと思います。



昔見た本かなんかに載っていた言葉で、

泥棒に対して西洋では扉に鍵をかけるが日本では心に鍵をかける。



昔の日本では、蔵の扉に紙で封印をして鍵をかけず、泥棒の良心に訴えかけていた。という内容なんですが(実際は鍵いっぱいかけていたんですけどね)、モラルと言うかお店側の痛みを理解できるように教育しなきゃいけませんね。

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