「愛は平和では無い。愛は戦いで在る。武器の代わりが誠実(まこと)で在るだけで、それは地上に於ける最も激しい、厳しい、自らを捨ててかからねばならない戦いで在る。我が子よ、この事を覚えておきなさい。」
イギリスの植民地下のインドを独立に導いた指導者で在り、且つ1947年に独立が叶った際に初代のインド首相に就任したジャワハルラール・ネルー氏が、愛娘への手紙で記していた文章で在る。と言っても、その話を知ったのは自分が或る程度の年齢になって以降で在り、自分と同世代の多くは漫画「愛と誠」の中でしばしば引用されていた文章という認識が最初に在ったと思う。(その後に製作された映画やドラマの中でも使用されていた。登場人物の一人・岩清水弘が早乙女愛に向かって吐く「早乙女愛よ、岩清水弘は君の為なら死ねる!」のフレーズも当時流行語になったっけ。)
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大学2年の太一の前に現れた一人の女性・美丘(みおか)。ボーイッシュな雰囲気で野卑な言葉を多用し、他者を傷付ける事も厭わない様な彼女に、やがて太一は魅了されて行く事となる。
彼女の強烈な個性と行動力、そして彼女が時折見せる優しさと捨て鉢な言動は何処から来ているものなのか、彼女と深く付き合って行く中で太一は思い掛けない真実を知らされる事となる。
残された命を直視し、「命在る限り。」と全力で走り抜けた美丘。そして彼女が生きた事の証として最期を見届ける太一。命を燃焼し尽くした恋人達の出逢いと永遠の別離迄が此処に描かれる。
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大好きな作家の一人・石田衣良氏の作品「美丘」を読み終えた際、最初に頭に浮かんだのは冒頭に記したネルー元首相の言葉だった。主人公の太一が、今は亡き恋人・美丘を回想する形でストーリーが進んで行くこの作品は、「世界の中心で、愛をさけぶ」や「冬のソナタ」(両作品とも未読&未見だが。)に代表される”純愛ブーム”の流れを汲んでいるとも言える。
「究極の愛とは何なのか?」、「最愛の者からの最後のリクエストに、万難を排して応えられる者は一体どれだけ居るのだろうか?」、そんな思いが脳裏を駆け巡る。古い話で恐縮だが、自分が大好きなTVドラマの一つ「赤い激突」の世界観を何処となく思わせるし、最近で言えば映画「明日の記憶」とオーバーラップさせられる所も在る。哀しくて切ない結末なのだが、べたついた余韻が残らない不思議さ。
石田氏の紡ぎ出す鮮烈にして瑞々しい文体が、この作品でも充分堪能出来る。東野圭吾氏と並んで、作品の”外れ”が先ず無い作家の一人だ。
総合評価は星4つ。
イギリスの植民地下のインドを独立に導いた指導者で在り、且つ1947年に独立が叶った際に初代のインド首相に就任したジャワハルラール・ネルー氏が、愛娘への手紙で記していた文章で在る。と言っても、その話を知ったのは自分が或る程度の年齢になって以降で在り、自分と同世代の多くは漫画「愛と誠」の中でしばしば引用されていた文章という認識が最初に在ったと思う。(その後に製作された映画やドラマの中でも使用されていた。登場人物の一人・岩清水弘が早乙女愛に向かって吐く「早乙女愛よ、岩清水弘は君の為なら死ねる!」のフレーズも当時流行語になったっけ。)
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大学2年の太一の前に現れた一人の女性・美丘(みおか)。ボーイッシュな雰囲気で野卑な言葉を多用し、他者を傷付ける事も厭わない様な彼女に、やがて太一は魅了されて行く事となる。
彼女の強烈な個性と行動力、そして彼女が時折見せる優しさと捨て鉢な言動は何処から来ているものなのか、彼女と深く付き合って行く中で太一は思い掛けない真実を知らされる事となる。
残された命を直視し、「命在る限り。」と全力で走り抜けた美丘。そして彼女が生きた事の証として最期を見届ける太一。命を燃焼し尽くした恋人達の出逢いと永遠の別離迄が此処に描かれる。
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大好きな作家の一人・石田衣良氏の作品「美丘」を読み終えた際、最初に頭に浮かんだのは冒頭に記したネルー元首相の言葉だった。主人公の太一が、今は亡き恋人・美丘を回想する形でストーリーが進んで行くこの作品は、「世界の中心で、愛をさけぶ」や「冬のソナタ」(両作品とも未読&未見だが。)に代表される”純愛ブーム”の流れを汲んでいるとも言える。
「究極の愛とは何なのか?」、「最愛の者からの最後のリクエストに、万難を排して応えられる者は一体どれだけ居るのだろうか?」、そんな思いが脳裏を駆け巡る。古い話で恐縮だが、自分が大好きなTVドラマの一つ「赤い激突」の世界観を何処となく思わせるし、最近で言えば映画「明日の記憶」とオーバーラップさせられる所も在る。哀しくて切ない結末なのだが、べたついた余韻が残らない不思議さ。
石田氏の紡ぎ出す鮮烈にして瑞々しい文体が、この作品でも充分堪能出来る。東野圭吾氏と並んで、作品の”外れ”が先ず無い作家の一人だ。
総合評価は星4つ。
ぜひとも、読んでみたいものだ。
相変わらず、ジャイアンさんは本の量が半端でないな。
「愛と誠」が最初に映像化されたのは映画でしたが、この時に早乙女愛を演じたのはこれがデビュー作だった早乙女愛さんでした。清楚な雰囲気だったのに、後年ポルノ映画に出演された際は非常にビックリしたものですが、男の哀しい性で早速”御世話”になったものです(苦笑)。何年か前に御病気で休養されて以降、御姿を拝見出来ていないのが残念です。
映画に続いてTVドラマ化されたのですが、その時に愛役を演じたのが池上季実子さん。この方も後年、大林宣彦監督の映画「HOUSE」で裸体を披露してくれましたが、引き締まった綺麗な体だったのを今でも記憶しています。
昔は月賦って言いましたね。感覚的なものなのですが、何か横文字が多用される様になって、その物自体が持っている本質的な面が希薄になった気がします。月賦がローンという言葉に置き換わった事で、金銭を借りるというハードルが低くなってしまったのではないか。ひいては、無節操に借金に走る人が増えてしまったのではないかという気が・・・。