3年前の記事「興味は在るけれど、“別物”は“別物”」では、“AI(人工知能)が作り上げた美空ひばりさんの映像”に付いて取り上げた。「美空さん本人の歌声や歌い方、話し声の特徴をAIで分析して、“新しい映像”を作り上げた。」のだ。
同じ3年前の記事「参りました!」では、“AIで作成した手塚治虫氏の漫画”に付いて取り上げた。此の“新作”は、「AIが手塚氏の過去の作品を分析し、彼の世界観や登場人物像を学習。新たなシナリオやキャラクターの顔デザインを生成した物を、人間のクリエーター陣が肉付けして完成させた物。」だった。
そして、今年の記事「ズバリ聞きます!(70)」では、“Chat GPT(チャットジーピーティー)の問題点”を取り上げた。何れも「AIの高い可能性と同時に、覚えた違和感。」を記した内容だが、昨日、“AIの創造性”に関するニュースが報じられた。
************************************************
「手塚治虫『ブラック・ジャック』の新作をAIで制作・・・200話以上の構造分析・データ化」(6月12日、読売新聞)
漫画家・手塚治虫(1928年~1989年)の代表作「ブラック・ジャック」の「新作」が、人工知能(AI)技術を使って制作される。12日、栗原聡・慶応義塾大学教授や、手塚の長男で手塚プロダクション取締役の手塚眞さん等が参加する「TEZUKA2023」プロジェクト・チームが発表した。
栗原教授等のチームは、2020年にもAI技術による手塚新作「ぱいどん」を発表したが、AIの役割はキャラクター原案や粗筋に留まり、実際の漫画化は人間の手による部分が大きかった。今回は200話以上在る「ブラック・ジャック」を構造分析してデータ化。最近のテキスト・画像生成AIの急速な進化を取り入れ、より高いレヴェルで「AIと人間の共創」の可能性を検証する。
新作は今秋、「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)に掲載される予定。
************************************************
前回の「ぱいどん」と比べると、今回の“新作”はAIが関わる部分が拡大している。そういう意味では「更に進化した。」と言えるのかも知れないが、個人的には「手塚氏の新作は、手塚氏自身が生み出した物だけ。」と考えており、「飽く迄も“別物”として期待したいし、読みたい。」と思っている。