昨夜行われた日本シリーズの第5戦は、「2対10」でジャイアンツがファイターズを降し、通算成績で3勝2敗と日本一達成に王手を掛けた。
ジャイアンツの先発・内海哲也投手の調子は、決して良くなかった。立ち上がりには「味方が得点した次の回に失点、其れも2死から。」という“悪手”を繰り返したけれど、ファイターズの先発・吉川光夫投手が「味方が点を返した次の回に、返した点よりも大きい失点を繰り返した。」事から、何とか彼んとかファイターズ打線を躱し切ったという感じだ。とは言え、連勝で勢い付いているファイターズを相手に、8回を投げ抜いての2失点は立派。
原辰徳監督の采配を批判する事が多いのが、当ブログの特徴。良い監督と認めているからこそ、「更に良くなって欲しい。」という意味からの批判では在るのだけれど、昨日のジャイアンツのスタメンを目にした時、「原監督は、何を考えているんだ!」と懸念を覚えた。エドガー・ゴンザレス選手及びジョン・ボウカー選手の名前が在ったからだ。シーズン中には良い結果を残したとは言い難い両選手。(日本シリーズの)第1戦では3ランを含めて打撃では大活躍したボウカー選手だが、低めに球を集めれば比較的簡単に抑えられそうな選手だと思っている。又、エドガー選手も同様だ。「どうして此の2人を、スタメン起用するのか?態々“捨て駒”を用意している様な物じゃないか。」と思ったのだが、結果的には2人で3点を叩き出したのだから、原監督の決断は正しかった訳だ。どういう理由からの決断かは判らないが、御見逸れしました。
4回裏のファイターズの攻撃時、2塁への盗塁を試みた稲葉篤紀選手が、ベンチに戻ってから中々出て来なかった。暫くして守備位置に付いたのだが、其の際にテレビで実況していたアナウンサーが「先程、2塁に滑り込んだ際、足でも痛めたんでしょうかねえ?」と語った所、解説の古田敦也氏が即座に「否、スライディングでユニフォームのパンツが破けただけと思いますよ。スライディングの際、パンツに砂が付いたのに、(今は)真っ白なパンツを履いていますよね。」と否定。「流石、元捕手!色んな所を、細かくチェックしているなあ。」と感心してしまった。
で、本題に入るが、4回表のジャイアンツの攻撃時に主審が下した判定は、本当に酷かった。「2対5」とジャイアンツが3点リードした状態で迎えた此の回、ファイターズは先発の吉川投手を降板させ、2番手として多田野数人投手を登板させたのだが、無死1塁からバントを試みようとした加藤健選手*1に投じた球が、加藤選手の顔面付近に。グラウンドに倒れ込み、顔面を押さえて痛がっている加藤選手。主審は多田野投手に対して「危険球退場」を命じた。
テレビ中継を見ていた自分は「顔面に当たったのか。痛いだろうなあ。」と思ったが、リプレー映像を見ると確かに顔付近にボールが来ているものの、当たってはいない。慌ててボールを避けた拍子に被っていたヘルメットが吹っ飛び、そして放り出したバットが顔面を強打しているのがハッキリ判った。主審は「ヘルメットに当たったから。」という事で危険球退場を宣告したと言うが、リプレー映像を見る限りでは全く当たっておらず、明らかな誤審だ。
頭部やヘルメットに当たらなくても、投手が意図的に打者の頭部を狙って投球したと審判が判断した際には、危険球退場となる事はルールで決まっている。もし「実際に当たってはいないが、意図的に頭部を狙って投げたと判断したので。」という事で在った“としても”、(解説の古田氏も指定していたが)其れならば当たってもいないのに「死球」と判断し、加藤選手を1塁に行かせた判断が誤りという事になる。何方にしても“ボブ・デービッドソン審判並みの酷い誤審”で、彼じゃあ栗山英樹監督が判定に猛抗議するのも当然だし、ファイターズの選手達が気の毒だ。
ジャイアンツに有利な“誤審”には口汚く批判するのに、ジャイアンツに不利な“誤審”(又は自身が愛するチームに有利な“誤審”)には激賞したり、黙りを決め込む様な人達には全く共感出来ないけれど、昨日の誤審に関しては「ジャイアンツに与した誤審」と批判されても仕方無いだろう。決してそういう意図は無く、必死で判定をしているとは思うが、昨日の主審は御粗末過ぎた。
球界最大にして神聖なイヴェントなのだから、ホームランだけでは無く、疑問が持たれる判定にヴィデオ判定を導入してはどうか?進行の遅延目的(継投させる投手の調整等)で何度もヴィデオ判定を要求するケースも考えられなくは無いから、「ヴィデオ判定を要求出来るのは、1試合で各チーム2回迄。」といった“縛り”が在っても良いが、余りにも酷い誤審によって日本シリーズが台無しになってしまう事だけは避けて欲しい。
*1 誤審以降、加藤選手が打席に入る度に、場内から大ブーイングが巻き起こっていた。「当たっていないのを判っていたのを、自分でも判っていた癖に。許せない!」という事なのだろうし、もしそうなら大ブーイングする気持ちも判らないでは無いが、リプレー映像を見ると放り出したバットが顔面を直撃したのを、打球が当たったと誤解した可能性も零では無い気がする。後からリプレー映像を見れば、「球は当たってなかったのか。」と気付くだろうけれど、ならば其れは飽く迄もリプレー映像を見て気付いた事で在って、大ブーイングを浴びせられるのも気の毒に感じる。
「あれはファウル。バットに当たった音がした」そうです。
そして「その場ではファウルと言ったが、原監督が(抗議に)来て、デッドボールになった」とも。
ボールがバットに当たっていたのなら、加藤選手に当然その感触はありますよね。彼が死球だと本当に誤解してしまったというのは残念ながらありえないかと思われます。
鶴ちゃんの言葉を信用して頂けるのであれば。
昨日の試合、4つの出来事に関して、ネット上を中心に喧々囂々在る様ですね。自分の場合、「危険球退場」及び「加藤選手への大ブーイング」は気になりましたが、残りの2つに関してはネット上で知りました。
今回の記事、自分の本位とは異なった、誤解された形で読まれてしまう可能性も在るので、改めて明日の記事で私見を書きたいと思っております。
昨日の試合後、栗山監督は記者達に対して「審判に見えたのが正しい。其の瞬間で判断した事が正しい。」、「判定の事は(間違いも)在る。スローで見るのはズルだし、試合中は見られないんだから。(審判は)一生懸命遣っている。」とコメントしたとか。自分が栗山監督の立場だったら、主審に対してグチグチと恨み言を言い続けたくなる所ですが、其れを言わない栗山監督の潔さには、心から敬服しました。
YOUTUBEに当該動画が載っていましたので、何度か確認したのですが、間違い無く言えるのは、多田野投手の投球は加藤選手に全く当たっていないという事。それは確実です。
では、「バットを含めた何かに当たっているか?」となると、何とも言えないというのが正直な所です。生中継時にも“硬質な音”が聞こえましたし、何かに当たっているのは確かだと思うんです。でも動画を見る限りではバットに当たっている様にも見えるし、当たっていない様にも見える。バットに当たっていれば、球の軌道が明らかに変化する筈だけれど、動画を見る限りは“やや上に軌道変化している”様にも見えるし、そうで無い様にも見える。(自分はジャイアンツ・ファンですが、飽く迄も第三者的な目で見た積りです。抑、「同じ事柄なのに、当事者が好きか嫌いかで判定を変える。」というのは自分が忌み嫌う所ですので。)
硬質の音は間違い無く聞こえているので、鶴岡選手が「バットに当たった。」と主張するのも、嘘を言っているとは思えない。又、放り出したバットが顔面に当たっている(様に見える)事から、加藤選手が「球が顔面乃至はヘルメットに当たった。」と思ってしまった事も否定出来ない。彼は以前、頭部に死球を受け、担架で運ばれた事が在り(今は亡き木村拓也選手が急遽、捕手を務めた試合。)、其れで頭部付近への投球に過敏反応してしまったというのも在るかもしれません。
では、何にも当たっていなかった(例えば、硬質音はミットに当たった音だったとか。)場合、彼の投球が危険球に当該するのかどうかとなると、此れは飽く迄も自分の考えですが、危険球とするのは酷な気がしています。バントを何としても成功させなくてはという気持ちが加藤選手に強かったと思うのですが、余りにも前傾姿勢になっていた。あそこ迄前のめりになってしまうと、普通ならば胸元を突く位のコースでも、頭部付近という事になってしまうからです。
今シリーズ、共に好打者が揃っているという事も在って、投手はどうしても内角の厳しい所を攻めるケースが多い。其れはセオリーとして当然なのだけれど、ジャイアンツの投手陣が与えた死球は一寸多過ぎる気がしています。だからこそファイターズ及び其のファンの方々も不信感めいた物が当然在るだろうし、其の事が大ブーイングにも繋がった様な気がしています。