さようなら、愛しき人よ

愛人、いや

我が996Rが、新しいオーナーの所へと旅立つことになりました


あれは6年前の夏

ショールームにキラキラと佇むイタリア娘に一目惚れをして

清水の舞台から飛び下りるつもりで手に入れた


しかし、その過激な走りの彼女に俺はついて行けなかった

サーキットで走り込む（→転倒のリスク→高額な修理代）勇気もなく

彼女を満足させられない自分に苛立ちを覚える日々



♀「HEY,BOY もっとアクセル開けなさいよ。まだ4速よ」

♂「充分だよ、180キロ超えているじゃないか」

♀「駄目よ、タコメーターは半分も差していないわ」

♂「言われるがまま6速全開にしようものなら、メーター読みで300出てしまうよ」

♀「いいのよ、アタシを満足させるのよ」

♂「無理だよ、まわりにはトラックやバスもいるんだぜ」

♀「何のためのブレンボなのよ！意気地なし！」

（以上、妄想）



正直、250キロで走行中

急な車線変更をしてきたトラックに突っ込みそうになったこともありましたが

ブレンボ+ミシュランパイロットが

あと10センチの所で煙りを吹き上げながら止めてくれました

そう、彼女の自信は正しいのかも知れません


でも…

マジで死んじゃうかも知れません

いままで40台以上のバイクに乗ってきましたが

彼女は本当に特別でした

YZF-R1もGSX-Rも、彼女に比べたら気の利いた大和撫子です



オーリンズのしなやかな足

ブレンボの強力な制動力

マグホイールの感動的なバネ下の軽さ

テルミニョーニの悩ましい声

レース用CPUの素晴しい反応

街乗り不可能なハイギヤード・クロスミッション

乾式クラッチの軽やかなサウンド

R専用のフレームが生み出すカミソリのようなコーナーリング

そして　カーボンボディが生み出すその気品の高さ


さようなら　愛しき人よ

さようなら　タンブリーニ


次のオーナーには、ぜひ満足させて貰いなさい

俺には　無理だ

俺には　乗りこなせないよ…グスン。。