恥ずかしながら右の写真は俺のライディングフォームですが、注目していただきたいのは左右の手の指です。そう、本日はフロントブレーキとクラッチ操作について考えてみたいと思います。(この時のSRXはバックステップが付いていないので足の位置が変・・御勘弁を)
みなさんはフロントブレーキやクラッチレバーの操作を、いつもどうしていますか?「そんなの気にした事ねーよ」「使う時しか握らねーよ」という方も多いでしょう。でもクルマのレースでも「ダブルクラッチ」は基本中の基本ですよね。バイクのレースでも気にしないと大変な事になるのです。例えばクラッチ。2サイクルマシンでの全開走行は焼き付きの危険と隣り合わせ。焼き付きの瞬間にクラッチを切らないとリヤタイヤがロック→転倒となります。そのためにクラッチレバーに指を一本添えて置く。経験者には当り前の行為ですが、これもひとつのテクニックなんですね。さて、フロントブレーキやクラッチレバーの握り方や使い方は人それぞれの好みの問題ですが、俺は基本的にフロントブレーキレバー操作は1~2本掛け、シフトアップ時のクラッチ操作は2本指(操作しない時も常に中指1本掛け)です。普通シフトアップ時にはクラッチを使わない人が多いのですが、俺はドリームに関しては意識してクラッチを使っています(壊れやすいので・・レーススタート時等はさすがに使わない)。上記写真は鈴鹿の東コース最終コーナーを下っているところで、この1秒後にはもう少しインに寄りながら(さらにバンクしながら)シフトアップしますが、クラッチミス(=転倒)が恐いから、無意識に4本指シフトになっているのがわかりますね。
一方、シフトダウンはみなさんクラッチをきっちり使いますが、クラッチの使い方もいろいろあって、あの平忠彦選手は現役の頃「ワンクラッチ・2段シフトダウン」というテクニックを使っていました。要は「ブレーキングをぎりぎり遅らせたからシフトも一気に2速落としちゃえ」技ですね。う~む、これはタイミングを間違えるとスリップダウンして転倒の可能性もある恐いテクニックですね。俺はやりません(笑)。
87年2月の「月刊GRANDPRIX ILLUSTRATED」では、 敬愛すべきケニー・ロバーツ先生のテクニック特集が掲載されています。彼はフロントブレーキレバー操作は多くのライダーがそうしているのと同じ2本指。シフトアップではクラッチは使わない(たまに使ったとしても2本指で済ませる)が、シフトダウンは丹念に1回づつクラッチを握る(4本指)のだそうです。
左の写真を見てください。ケニーは深々とバンクしながら2本指で強力にブレーキングしていますね。一歩間違えばフロントから転倒するこのシーン、やっぱり4本指では繊細な感覚でブレーキングできない事を物語っています。そしてUSインターカラーの84年デイトナ仕様のowに乗るケニーの写真では、時速300キロオーバーからのシケイン進入時に、
4本指を使って丹念にシフトダウンしているのがわかります。向こう側のフロントブレーキ操作は(この写真では見えないが)やっぱり2本指で「ギュッ」と握っているのだそうです。
ちなみに以前モトクロスレースを少ししていた時は、シフトアップはもちろん、シフトダウン時もクラッチを使わない事がありました。これは単純にクラッチを切る暇がなかったからです。ただしコーナーの立ち上がりでは半クラッチをとても多用します(当たり前ですが)。このあたりは一度モトクロス場に行って実際走ってみる事をお勧めします。ロードの経験になるかはさておき、クラッチを使って走る楽しさが経験できますよ。あ、左手の握力トレーニングは絶対に忘れずに!