銀幕大帝α

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ブラック・サンデー

2011年02月17日 00時33分33秒 | 洋画アクション
BLACK SUNDAY/77年/米/143分/アクション・パニック/劇場公開
監督:ジョン・フランケンハイマー
原作:トマス・ハリス
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演:ロバート・ショウ、ブルース・ダーン、マルト・ケラー、フリッツ・ウィーヴァー、スティーヴン・キーツ、ベキム・フェーミュ

<ストーリー>
万人の観衆で埋め尽くされたスーパーボウルのスタジアム上空で、テロ集団“黒い9月”が飛行船爆破を試みる。
<感想>
日本では当初、劇場公開予定だったんですが、爆弾予告があった為に急遽上映禁止になった曰く付きの作品。
しかしこの度「午前十時の映画祭」で上映される事となったので、未見の方は是非ご覧になって頂きたい。

というのも、143分という長尺でありながら、緊張感が1秒たりとも途切れないんです。

テロリスト側の目線で描いている事もあり、政治的・社会的なメッセージを含ませた描写が多いですが、飛行船爆破に至るまでの過程の中に、犯行を阻止しようとする特殊部隊との頭脳戦攻防が目白押しで、心休ませる暇が無い。

協力者である船長に仕掛けられた罠。

これには参った。

そうくるか、と。
全く予想だにしなかった突然の出来事にビックリしたもんなぁ。
その後、他の人物が同じ行動を起こす度に、またくるんじゃないかと、ドキドキさせられましたよ。
非道だけれど、自分たちに有利にならないものは徹底的に排除する考えがいかにも悪事を企む者達らしくて怖い。

病院やホテルでの場面なんかもそう。
両者共距離は近付きつつあるのに、中々直接的な接触がない。
何時鉢合わせてもおかしくないのに、するりと包囲網を潜り抜け着実に飛行船爆破に向けて行動を起こすテロリスト側のミスの無ささには舌を巻きます。

市街地での逃亡劇は油断から生まれたものなんだけれど、成し遂げる為には死をも問わない姿勢というものに執念を見たし、重大な事を犯そうとしている人間は凡人には無い絶対的信念を持って生きてるんだと恐怖すら抱きました。

最大の見せ場は、大観衆で埋め尽くされたスタジアムにgoodyearの飛行船が突入していく後半の大パニック!!

≪見せかけだけのDVDパッケージには騙されんぞ
どうせ実際にはそんなシーンないんだろう≫

って端から期待していなかったのに、本当にやっちゃってくれちゃったから度肝抜かれた。
逃げ惑う市民の表情もまたリアルなんだよな~。

突入するまでの一連の流れの中にも「絶対成し遂げてみせる」というテロリスト側の想いと、「絶対大参事だけは阻止してみせる」という特殊部隊側の想いがぶつかり合っていて、何とも言えないドキドキ感に全身を硬直させながら観入ってしまった。

映画好きを自負するなら絶対観ておくべき大傑作ですよ、これは!!

評価:★★★★☆
11/02/14DVD鑑賞(旧作)
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レンタル開始日:2007-02-14
メーカー:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
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恋愛ルーキーズ

2011年02月13日 23時16分13秒 | 洋画コメディ
SCHOOL FOR SCOUNDRELS/06年/米/101分/青春コメディ/劇場未公開
監督:トッド・フィリップス
出演:ビリー・ボブ・ソーントン、ジョン・ヘダー、ジャシンダ・バレット、ベン・スティラー、マイケル・クラーク・ダンカン

<ストーリー>
駐車違反取締官ロジャーは、ヘタレな自分に傷付いていた。恋しいアマンダに振り向いてもらうため、秘かに特訓を受けることにするが……。

<感想>
トッド・フィリップス監督が全米で大ヒットした『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』の前に撮ったコメディって事で鑑賞。

キャストが作品を面白くしているという印象を受けました。

見た目からナヨッとした草食系ジョン・ヘダーと、実生活でも人の恋人を奪ってそうな(笑)肉食系ビリー・ボブ・ソーントンの低年齢発想的攻防戦が楽しい。

ビリー校長が指南する男として磨き上げる為の的を得た教訓(参考になります)。
ヘダーがそれらを全て身につけ優等生ぶりを発揮しちゃったもんだから、負けず嫌いのビリー校長の癇に障り、密かに恋を寄せるアマンダを横取りされそうになっちゃう。

良いおっさんがムキになる事かいな、自分で教えておいて。

以前ビリー校長に同じ様な目に遭わされ、猫屋敷に引き籠ってしまった男にベン・スティラー。
元軍人という肩書、ビリー校長の右腕マイケル・クラーク・ダンカンとの因縁といった何かを期待せざるを得ないプロットを用意させておきながら、殆ど活かされていなかったのには正直残念だったなぁ。
結局ダンカンとの間に何があったのか良く分からんかった。
ケツにヒントが隠されているんだろうけど、エンドロール前にも持ってくる位なら思い切ってぶっちゃけちゃった方が面白くなったかもしれん。

作品として惜しいのはこれ位で、全体的にはクスクスさせてくれる良作。

ジョン・ヘダーは本当に脱童貞映画の主人公に良く似合う俳優だよね。
どうみても頼り無さそうで女性からすると一歩引いてしまう男を抜群に上手く演じて見せてくれる。
でもそれは外面だけで、内面は純粋。
恋に対しての積極性が乏しいだけ。
だからか、幾多の試練を乗り越え、恋に対しても自身の性格に対しても吹っ切れちゃったヘダーが、ラストで見せるどれもこれも別人の様な男前さにがっつりと勇気を貰えちゃいます。
『バス男』然り。
『ママ男』然り。

ビリー校長のあくどいスケコマシっぷりも絶妙にハマッていたけれど、そういや劇中で彼、2回も股間が酷い目に遭わされていたんだった。
クールぶった後に悶絶する姿が滑稽でしたww

評価:★★★☆
11/02/13DVD鑑賞(旧作)
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レンタル開始日:2010-08-04

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コララインとボタンの魔女

2011年02月13日 21時05分26秒 | アニメ(国外)
CORALINE/09年/米/100分/ファンタジー・ホラー/劇場公開
監督:ヘンリー・セリック
原作:ニール・ゲイマン『コララインとボタンの魔女』

声の出演:ダコタ・ファニング、テリー・ハッチャー、ジョン・ホッジマン
声の出演(日本語吹替版):榮倉奈々、劇団ひとり、戸田恵子

<ストーリー>
引っ越したばかりの新しい家で謎のドアを見付けたコラライン。意を決して扉をくぐった彼女を待っていたのは、何でも願いを叶えてくれる不思議な世界だった。
<感想>
海外アニメは必ず吹き替えで観ますが、何ら違和感無かったよ。
ベテラン声優・戸田恵子は流石やわ。
当然だけど飛び抜けた上手さを感じましたね。

で、何が言いたいのかというと、ダコタ・ファニングの声でコララインを観るのと、榮倉奈々でコララインを観るのとでは、可愛さが全然違うって事なんです。
ダコタんで観続けていてもちっとも可愛さを感じず、小生意気なガキンチョでしか目に映らないのに、奈々ちゃんの声に切り替えると少しずつ可愛く見えてくるから不思議。

声って大事やね~とつくづく思ったわ。

実はヘンリー・セリック監督の代表作『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は未見なんですけど、丁寧かつスムーズなストップ・モーション・アニメを作り出しているなぁと感動しました。
製作するにあたってこの技法は相当な苦労があると聞きますが、何処にも手を抜いていないというよりも「ここまで出来るのか」といった驚きの方が強かったですね。

キャラクターを動かす

ではなく

キャラクターに命を吹き込む

とはこの事なんだろうね。

ストーリー自体はそんなに面白いものじゃないんだけれど、ぎこちなさを感じさせない動きと、メルヘンだけどダーク過ぎる雰囲気に魅了された1本ではありました。

終盤で突如ガラリと風貌が変わり、コララインに迫り来る無気味な魔女の姿は、小さなお子さんにとっては受けは良いのかしら^^;
夢の世界にコララインと共に入って行ったら、悪夢の世界が襲ってくるんだもんな~。

「目玉をくりぬいてボタンにしちゃうぞ~~~~~」

普通に怖いっしょ。
プリキュアとか日頃観ている子に、本作をいきなり見せるのはハードルが高過ぎるかも(笑)。

オフィシャル・サイト(英語)
オフィシャル・サイト(日本語)

評価:★★★
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レンタル開始日:2010-08-06
メーカー:ギャガ・コミュニケーションズ
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(500)日のサマー

2011年02月12日 01時06分34秒 | 洋画ロマンス
(500) DAYS OF SUMMER/09年/米/96分/青春ロマンス・コメディ/PG12/劇場公開
監督:マーク・ウェブ
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ゾーイ・デシャネル、ジェフリー・エアンド、マシュー・グレイ・ガブラー、クロエ・グレース・モレッツ

<ストーリー>
建築家を夢見る青年・トムは、ある日秘書として入社してきた女性・サマーにひと目惚れ。運命の愛を感じた彼は猛アタックを開始するが、サマーは曖昧な答えに終始し…。
<感想>
なんだろね。
決してビッチって言うほどの女性ではないんだけれど、小悪魔な感じで、トムを振り回す所が一々気に障ります。
トムってば凄く人の良さそうな青年だけれど、何が気に食わなかったのか。
「結婚なんて考えない」とか言いながら、あっさりと結婚した男と何が違ったのか。

私が思うには2人が映画館で観た『卒業』にヒントが隠されている様な気がしました。
観終わった後号泣していたし、思い出のベンチでさり気に手を合わせていたのは、トムにダスティン・ホフマンの様な行動を期待していたのかも。

変わった女には違いないけれど、まぁ失恋も人生にとっては良い経験だし、彼女のお陰で恋のノウハウを学んだんだから、結果オーライとしなきゃ、ね。

マーク・ウェブ監督は本作でデビューした新人だけれど、この人、センス良いねぇ。
映像、演出、ファッション、音楽。
どれもお洒落でユーモアもあって凄く良い!

「現実」と「理想」を2分割で映し出すシーンは、トムの心情を上手く表しているし、突如始まるミュージカルもトムの今の気持ちを代弁していてユニーク。
そして何と言っても500日間のサマー(夏)から1日目のオータム(秋)へと繋がっていくラストが秀逸(「季節の変わり目は恋の変わり目」なんて言うしね)。
この手のジャンルが苦手な私でも‘他人事じゃない’感覚で終始楽しんで観れたのは、男目線の恋模様といった一風変わったロマンス映画にしたって事でしょうけど、そこにも監督の発想センスの豊かさを伺えます。
どのジャンルでも言えることだけれど、要は工夫を凝らせば誰にでも受け入れられる映画になれるって事だね。

見事です。

晴れたり曇ったりで結局は惨めな恋の顛末だったけれど、新たな恋を予感させるハッピーエンドに私の心は快晴でありました。

さて本作には、観る上での最大の目的である、今一番気になる子役クロエちゃんが出演しています。

恋にウジウジ悩む兄貴に的確なアドバイスをする小生意気な妹役なんですが、クロエちゃんは何を演じてもハマッているとしか思えず、もう可愛いとしか・・・。
って、こりゃもう完全にクロエ病だね私は^^;
個性的なお鼻がチャーミング★

オフィシャル・サイト(日本語)
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評価:★★★★
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メーカー:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
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ガフールの伝説

2011年02月12日 01時06分23秒 | アニメ(国外)
LEGEND OF THE GUARDIANS: THE OWLS OF GA'HOOLE/10年/米/97分/アドベンチャー・ファンタジー/劇場公開
監督:ザック・スナイダー
原作:キャスリン・ラスキー

声の出演:ジム・スタージェス、ライアン・クワンテン、アビー・コーニッシュ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ヘレン・ミレン、サム・ニール

<ストーリー>
ティト森林王国で家族と共に暮らすメンフクロウの少年・ソーレン。彼は伝説として伝わるガフールの勇者に仲間入りを果たすべく旅に出るが、邪悪なフクロウの組織“純血団”が立ちはだかる。
<感想>
期待は全然してなかったのに。

映像の美しさにやられました。

フクロウが飛ぶだけのアニメの何が面白い?
なんて浅はかな考えを持ってしまった私を許して下さい(汗

もうね、美しさと力強さと優雅さとダイナミックさを組み合わせた映像美に観惚れちゃいましたよ。

大事なシーンはスローになるんだけれど、堪能させる又は感動させる演出としては大正解。
普通に流していたらそれほど気にも留めないだろうに、スローで状況をじっくり見せる事で

「お!」

と前のめりで観入ってしまう事多々あり。

特にフクロウ同士の空の大決闘は、一歩間違えればゴチャゴチャで何が何やら訳が分からない映像になる所を、スローを多用する事で、ツメ技や羽攻撃など細部な演出までも把握可能にし、その事で迫力ある映像としても成り得ているのだから興奮しない訳が無い。

勇者の存在を信じる弟、邪悪な道へと走る兄。
ベタなストーリーですけれど、そのベタさが逆に良かったようにも思えます。
単純な話だからこそ、映像の美麗さにどっぷりと浸る事が出来たのかも。

只、映像云々よりも独特なフクロウの顔に好き嫌いが生まれ、借りる人を選ぶかもしれません。
兄弟の妹フクロウは可愛かったけれど。

監督はザック・スナイダー。
デヴュー作となる『ドーン・オブ・ザ・デッド』から『300 <スリーハンドレッド>』『ウォッチメン』と、多彩なジャンルの作品を発表していますが、そのどれもがスバ抜けた映像世界を構築している所が素晴らしい。
否応なしに新作映画『SUCKER PUNCH』(邦題『エンジェルなんとか』はセンス無さ過ぎ!)には期待高まります。

オフィシャル・サイト(英語)
オフィシャル・サイト(日本語)

評価:★★★★
11/02/11DVD鑑賞(新作)
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メーカー:ワーナー・ホーム・ビデオ
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