およそアートとか芸能は、「見様見真似」で始まります。
細かい技術は先達に指導していただくほうが速い、という場合もありますが、
結局は「聴いたまま、見たまま」になぞってやってみて、さらに自分風な
やり方で身に着けていく、ということしか、会得の方法はありません。
「どう歌えばジャズっぽいか」なんて、教えようとしてもできないし、
教わってもできないものはできないんですもの。
「こんな曲だ」とか「こういう気分を表現したい」という明確な意思があって
しかも作曲家が意図した流れとハーモニーに沿って、さほど大胆でなくとも
その人らしい心地よさを追求できるなら、それが立派な「インプロビゼーション」
の一つになるわけです。
「なんでもいいから、2コーラス目は違うメロディーを考えて変えて
歌いなさい」などというアドバイスが、もしあるとしたら、それは
音楽を壊すことになる、と私は思っています。
もともとの曲は劇中のバラードとしてできたものを、アドリブを回す演奏で
使うためにリズムを大きく変えたり、速いテンポにしたり、というのは、
もちろんジャズの楽しみの一つです。 でも、歌詞をつけて歌う側であれば、
本当に楽器のようにソレに参加できるのでなければ、歌と声と表現力の範囲内で
できるだけ自分も共演者もオーディエンスも心地よくなる表現を目指すのが
真っ当な楽しみ方だ、と固く信じております
今宵は、夜は二度目の登場
バリトン・サックスの大御所にして、とっても楽しい呑み仲間
原田忠幸さんのトリオですw/森田潔(P)谷口雅彦(B)
秋の夜長、月は見えずとも、心に月明かりを灯す「凄い」演奏と
思わず笑っちゃう(ナゼ)面白トークを、あなたも
ぜひ経験してくださいませ。