7月19日(金)原田忠幸トリオのご出演でした
原田さんは、アルトの五十嵐親分の盟友であり、
キャリアの初めのころにアメリカで活動していらして、
帰国後は五十嵐さんと共に、日本のビッグバンドの
スターを永く務められた方です。
間近ではなかなか聴ける機会の少ないバリトン・サックスという楽器の
音圧と「普通の管楽器の人たちがやらない古い歌モノが好き」という
圧倒的な歌心で、いつもみんなの心をわしづかみです
トークもとても面白く(天然素材)、 アメリカ時代からの繋がりもあり、
様々なアーティスト達との共演エピソードには事欠きません。
私「では、シナトラの歌唱で有名な'I Get A Kick Out Of You'を」
原田「あ~~、これこれ!シナトラが来日の時には
毎回伴奏しましたよ でさ、バースも歌うんだけど、向こうから
連れて来たピアニストにね、スゴく怒ってんのね。こっちは
何が悪いんだかわからないんだけど、たぶんちょっとでもズレると
許せないんでしょう。 そのピアニスト、本国に帰ったらすぐに
死んじゃったよ。アハハ」
。。。もしもし、笑い事ではありませんよ
スタンダードの歌を好む、英語力に自信のある(たぶん)方々の中には
バース(verse:本編の前の語り部分)を歌いたがる人も増えましたが、
これは実はとっても難しいもので、覚えればできる、というものでは
ありません。 人が聴き入る朗読のように歌えること、なおかつ、
ピアニストの弾くコードのタイミングとピッタリあって、流れを
壊さないことが最低条件で、そんなもの一朝一夕にはまいりません。
原田さんのお話のように、人の命までかかっている場合も。
ちなみに、この歌のバースは、私は歌っていませんけれどね