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放射線リスク

環境リスク公開セミナー5回連続講座の最終回がありました。

昨年度まで環境リスクマネジャ養成講座のメニューにあった「健康リスク」が今年度からなくなったこともあり、特別講演ということで、大分県立看護科学大学の甲斐教授のお話を聞くことになったとのことでした。

放射線防護の歴史から始まり、放射線のリスク、リスクをどこまでコントロールするか? リスクの理解、新たなリスク論を目指して、まで、一般の人にもわかりやすいお話でした。

たとえば、ゼロリスク(リスクは全く無い)という考え方ではなく、リスクを「許容負荷領域」「耐容可能領域(便益が十分大きければリスクを受け入れる)」「明らかに許容可能な領域(便益を照明しなくても良い」の3領域に分けて考えることがイギリスの健康・安全政策で決められており、日本でもその考え方が広がってきているとのことでした。

また、閾値(安全と危険の境界値)があるものであれば、安全性を考えるのも簡単だが、閾値があったとしてもそれは個人差や環境の差によってばらつきがあるので、結局、信頼性の高い閾値を求めるというのは非常に困難で、不可能であるといえる。

したがって、放射線防護の考え方(リスク論)では、以下の3つの原則でリスク管理しているとのことでした。

1.正当化
 不要な被ばくをしないことでリスクを避ける。被ばくが必要とするかどうかの判断

2.最適化
 被ばくが正当化された場合、社会的・経済的な要因を考慮して、合理的に被ばくを低減する

3.線量限度
 公平に個人を防護するために全ての個人の被ばくに対する一律の上限値をもうける


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