カシミアのストール

空気が冷たく、風も強く吹いたため、今日は本当に寒かった。

一度に冬が来たと、誰もが口にした。

夕方、民生委員の訪問で地域を歩いていたのだが、これがめっちゃ寒い。

でも巻いていったこのスカーフのお陰で、かなり寒さが防げた。

何十年も前の新婚旅行でヨーロッパを廻ったのだが、最終地がパリ。

数日間滞在して、チケットを現地の券売所で何とか買って、オペラも見た。

その時に夫が買ってくれたのが、このエルメスの大判カシミヤストール。

一辺が150㎝の正方形だ。

薄いのにびっくりするほど温かい。

どんな風に巻いても、きれいに柄が出る。

暑くなってバッグにしまっても、軽いので邪魔にならない。

　

言葉も不慣れな東洋人の若い二人が、がんばってメゾンを訪ねて、がんばって買った。

「おばあちゃん」という年配の店員は、丁寧に接客してくれた。

日本人はいいお客だったのかもしれない。

その時はうれしくて「一生大事にしよう」と思い、実際何十年も大事に使っている。

若い妻にはかなり高価なものだったが、何十年も満足しながら使えたのだから、これこそお値打ちというのではないか。

ちょっと渋めの色のストール。

歳を重ねた今、ちょうど年齢と合ってきたように思う。

首元を華やかにし、どんな冷たい風も防いでくれる。

今日なんかほんとに寒かったのだが、一枚のスカーフのお陰でほんとに暖かかった。