柴犬ラッキー

謹賀新年　　元旦
　初詣の帰りに、義父の家に新年の挨拶に行く。柴犬のラッキーも迎えてくれる。　子どもの頃は我が家にいて、トビオと権力闘争のあげく、里子に出したあのラッキーである。イギリスから来たトニーホスキンは、日本の柴犬のラッキーの大ファンでパグのトビオやクロには、何の関心も示さなかった。
　ラッキーは美男子でおとなしい。犬にはときに厳しいが、人間にはやさしい。「猫がきても逃げ出す」くらい、男っ気はないが、ハンサムなので人気がある。私が行くと、静かに顔をみて撫でろと言ってくる。撫でてやるとさらに体をひっくり返して、お腹を見せて右手で私をつついて催促する。仕草が静かで、餌もウサギのようにモグモグ食べる。ガツガツ食べる、我が家のトビオとクロとは大違いだ。
　家にいる頃、トビオをかばうために、ラッキーにはきつくしたこともある。それでもちゃんと覚えていてくれて、会うと擦り寄ってきてくれるのが嬉しい。
　もの言わぬけど、目で訴えてくるのもいじらしい。