弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

やっと実名 報道された 佐藤壮一郎「裁判官」

2024年12月23日 19時30分38秒 | 人事
32歳の裁判官をインサイダー取引の疑いで刑事告発 監視委 | NHK | 金融庁
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241223/k10014676501000.html

私はいずれかと言えば、大学生時代から犯罪報道匿名化の支持者なのだが、周囲の裁判官が誤認されて迷惑であろうし、国家権力を行使する立場にある裁判官であるから、例外的にしろ実名報道すべき場合とされるだろう。

(写真)同裁判官の経歴。
那覇地裁では国に対する沖縄県敗訴の判決も書いている。
最高裁人事局に見込まれた幹部候補生であったのだろう。
裁判官の身分を保持しているとすれば、罷免は免れまい。

「公開方法 工夫」もせずに「存否応答 拒否」をする

2024年12月22日 11時15分09秒 | 人事
裁判所の公文書公開請求への対応はお寒い限りだ。
司法の「冬の時代」が続き、いつの間にか「極寒の時代」となっていた。
「茹でガエル」の例えの逆の「冷凍ガエル」みたいになっている。
(写真)「公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼす」というのは、要するに、最高裁人事局が国民の批判を受けずに思いのままの昇給人事をすることができなくなるということであろう。
これでは、例えば、私の昇給を阻止してきた(最高裁裁判官会議に付した昇給候補者名簿から外した)のが、名古屋高裁長官なのか、最高裁事務総長・人事局長なのか、知ることができない。
このような場合は、国家賠償法4条が準用する民法719条後段の規定に照らし、国家賠償法1条所定の「公務員」としては、両者の共同不法行為とするほかないであろう。
いたずらに証人尋問の対象者が増えるだけにもなりかねない。
原告の立証責任は大幅に軽減され、いずれかが昇給候補者名簿から外したことは明らかであるから(最高裁裁判官会議は数分以内の形式的な審議で原案どおりとする承認しかしていない)から、候補者からすら外されたことが不当であることさえ立証すれば十分となる。被告はそれでいいのだろうか。
(参照条文)
国家賠償法
1条1項 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
  2項 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
4条 国又は公共団体の損害賠償の責任については、前三条の規定によるの外、民法の規定による。
民法719条(共同不法行為者の責任)
 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
 共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。

裁判官の 評価と昇給「所長が決める」と ミスリード?

2024年12月13日 08時24分11秒 | 人事
昨日の衆議院法務委員会の審議から。
先日の総選挙で初当選した篠田奈保子議員を初め、立憲民主党などの弁護士3人を含む議員が質問に立ち、裁判官報酬法・検察官報酬法の改正案について活発な審議が行われた上、可決された。
質疑で救われる思いがしたのは、ほとんどの議員が、裁判官については人事院勧告にこだわらず、もっと昇給して待遇を改善すべきという論陣を張ってくれたことだ。

衆議院インターネット審議中継
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=55424&media_type=

それにしても、三権分立との関係で、現職裁判官である最高裁人事局長らを答弁に立たせることは、あまりにもリスクが高くないだろうか。
万が一にも虚偽答弁があれば、責任を問われ、最悪の場合、国会議員で構成される裁判官訴追委員会に訴追され、裁判官弾劾裁判所で罷免される可能性もある。
裁判官についてもボーナスや昇給の査定を広げるべきと主張した「日本維新の会」の議員の質問にあったように、裁判官人事評価書の作成のみならず、裁判官の昇給をも地家裁所長が決めているかのように誤解させる答弁をすれば、高裁の意見を聞いて最高裁裁判官会議で決めている旨の、私の裁判における国の答弁書の記載(写真)と矛盾を来たしかねない。
人事ながら、大丈夫だろうかと心配する。
最高裁事務総局の裁判官は全員、裁判をしていないのだから、トップの最高裁事務総長と同様、裁判官の身分を離れて裁判所事務官に転官しておいた方が無難であろう。

「不当な人事」も しちゃダメだよと「注意喚起」を してもムダ?

2024年11月22日 19時13分28秒 | 人事
今日のニュースから。
全国の裁判官と職員に対し株取引の注意喚起 インサイダー疑い受け 最高裁
(日テレNEWS NNN)#SmartNews
https://l.smartnews.com/m-13cRJLf/MLYcgY

こういう訓示は、日頃の行いが正しい人が言わないと感銘力が無い。
そもそも、なぜそんな人を見込んで金融庁に出したのか。
まるで他人事のように言うのではなく、人事局に人を見る目が無かった事についての反省が一言ほしいところだ。

最高裁から 冷遇されて 退官相次ぐ 半世紀

2024年09月19日 08時26分38秒 | 人事
今朝の朝ドラ「虎に翼」から。

https://www.nhk.jp/p/toranitsubasa/ts/LG372WKPVV/episode/te/D3KRRG1PLK/

最近の「大量退官」の事態は、約半世紀ぶりなのではなく、その間にも綿々と続いてきたものと思われる。

都会に家を 買ったりしたら 単身赴任を させられる

2024年08月09日 09時23分09秒 | 人事
「ヒラメ裁判官生む要因」指摘も 年収差生む、国家公務員の地域手当(朝日新聞デジタル)
https://digital.asahi.com/articles/ASS881VHJS88ULFA014M.html?ptoken=01J4T20QHMPEW1EFA5X2G4T8KC

(写真)今回最も驚いたのは、朝日記事で引用されている弁護士ドットコムニュースのアンケート回答のこの部分。
東京に家を買った直後に、なぜか遠方に転勤されられるという裁判官版「マーフィーの法則」の存在が裏付けられた。
何と最高裁の人事担当者は、故意に単身赴任を余儀なくさせていたのだ。
それも、単に嫌がらせのためというものではなく、おそらくは地域手当・引越費用等の支給予算の節減と、裁判官に対する支配統制のために。全く許し難い所業である。

「事務官」トップに 指図をされる「裁判をしない 裁判官」

2024年05月12日 08時59分08秒 | 人事

昨日の問題の正解は、
③ そもそも最高裁事務総長は裁判官ではないから。
(写真)裁判所法抜粋

あまり知られていないが、最高裁事務総局のトップである事務総長は、裁判官の身分を離れて裁判所事務官になるのが慣例である。
他方、その部下であり、合計数十人にも上る局長・課長・局付たちは、裁判官の身分を有し、辞令上は、裁判官経験年数によって東京高裁判事又は東京地裁判事若しくは判事補となっている。
ちなみに、各高裁の事務局長も裁判官(辞令上は各高裁判事)である。

要するに、裁判所事務官の高位ポストを軒並み裁判官が奪っていると言えなくもない。
というよりも、本来は事務官のやるべき仕事を、わざわざ裁判官の人数を割いてまで、司法官僚として差配しているというのが実情と言うべきだろう。

ところが、最高裁事務総局の「裁判をしない裁判官」の中には、現場の裁判官の上司であるかのように勘違いし、指示を飛ばし、会議を招集し、時には休廷させてまで最高裁に呼び集める者もいる。

私に言わせれば、裁判所組織内の「下克上」である。

新任判事補の採用難や中堅判事の中途退官の責任を取って、現場、特に地家裁支部の裁判官に戻ってもらうのが良いと思う。


仙台高裁「小林コート」遺志を継ぐ者 誰なのか?

2024年04月26日 00時08分32秒 | 人事

 

仙台高裁の小林久起判事が不整脈のため死去https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1136658

尊敬する小林久起仙台高裁部総括が急逝された。
謹んで哀悼の意を表したい。

全国の高裁に残る数少ないリバラル派の裁判長だった。全国ニュースで接する小林コートの判決を拝見する度に、その見識の高さに敬服していた。
実に6年半以上も仙台高裁部総括を務めていらしたので、てっきり東北ご出身だと思い込んでいたら、私と同じ愛知県出身だと知って驚いた。それならば、とっくに東京高裁部総括になっていなければおかしかった名裁判長である。
私のような地方の地裁部総括や高裁部総括にも、昇格差別を受けている判事が存在することが露呈された。
これで、判事の最上期である36期の裁判官は、中村也寸志東京高裁部総括ただ一人となった。

こういう突発的に生じた空席をどう埋めるのか、人事局の腕の見せ所である。


彼と私の どっちが上か? 同期の「評価」に 世評いかん?

2024年04月21日 10時00分07秒 | 人事

私の同期の裁判官は、今週1人定年退官し、私を除いて現職20人となる。
私と誕生日が最も遅いあと1人とを除いて、全員が高裁長官、高裁部総括又は地家裁所長などという現状に変わりはない。

https://blog.goo.ne.jp/gootest32/e/dff53f77d7f7925b2aac2d2e23d478b2

おそらく、その全員が1号に昇給していることだろう。
私はこれを「昇格・昇給差別」と呼んでいる。古来、大企業・国鉄・税関等で繰り返されて来た典型的な手口である。

私の裁判官としての能力が著しく劣っているのではないかと疑う人もいるであろうから、私の近著では具体例を挙げて反証することにしている。
東京高裁部総括を最後に間もなく定年退官する彼と私の判決・決定の比較対照である。

その優劣の評価は、読者の皆さんに委ねたい。
1件目は、彼が地裁で却下した決定を、弁護士任官2年目だった私が高裁の主任裁判官として実質的に覆した「近鉄・オリックス合併差止仮処分」の事例。
2件目は、私が地裁の裁判長として原告を勝訴させた行政訴訟の判決(写真)を、彼が高裁の裁判長として逆転敗訴させた、今から2年前の事例。

乞うご期待。


開かずの「特別」部屋にも主が? 名古屋高裁「変な家」

2024年04月19日 08時27分02秒 | 人事
(写真)名古屋高裁HP上の裁判官配置表

リアル「間違い探し」!

NHK「クイズ!丸をつけるだけ」流に、変な箇所に丸をつけてほしい。
正解と解説は明日の当ブログで。
ヒントは約半年前の当ブログに。
(出題)裁判所オンブズマン

映画「変な家」より
https://hennaie.toho.co.jp/

今年は何人 退官したか? 裁判官の 年度末

2024年03月31日 19時48分46秒 | 人事
最近の裁判官の依願退官は、深刻な状況だ。
(写真)山中理司弁護士のブログから抜粋した、昨年度末の依願退官者。
半分近くを名古屋地裁で占めていること、とりわけ岡崎支部から3人も一斉退官したことが注目された。
豊橋支部には左陪席となる未特例判事補が配置されず、右陪席クラスの判事の負担が過重となっていることは、裁判官弾劾裁判所での私の証言でも述べた。新任判事補を必要人数獲得できず、定員を大きく下回っていることが原因であるが、岡口裁判官に対する過酷な処分に代表されるような裁判所の体質が、若者に嫌われていることが究極の原因であると思う。

津地裁で私の右陪席を務めてくれた裁判官も、豊橋支部に異動後一年で依願退官してしまう。裁判官が少ないため、令状当番が頻繁に回ってくるのに、宿直室が無いので、自己負担でホテルに泊まらなければならないのだという。
このような理不尽な待遇を受けたら、私ならば国(裁判所)を被告にして裁判を起こすだろう。

所長はどうして 一年キリか? 「地域手当」を 下げぬため?

2024年02月27日 08時25分18秒 | 人事
(写真)本日付け定年退官の足立哲横浜地裁所長の後任者の経歴

東京高裁民事部総括には候補者があまりにも多数いたので、私の予想は外れてしまったが、エリート官僚裁判官はこうして出世していくのだという典型例。

それとは別に、地方の地家裁の所長の在任期間は概して1年程度である。最近気がついたが、そうすれば、地域手当の率が低い都市であっても、1年間は前任地の率が保障されるので、減俸されずに済む。

分かりやすい例として、今回の玉突き人事で、大竹昭彦東京高裁部総括の後任に栄転した筒井健夫名古屋高裁部総括(前々津地家裁所長)の後任に栄転した中村さとみ前津地家裁所長は、千葉から来て1年で名古屋に行くので、このようになる。
(地域手当率)
千葉 3級地 15%
津  6級地  6%
名古屋3級地 15%
したがって、津の1年間も15%を保障されていた。

それに引き換え、私の場合は、地域手当の保障の率は1年目100%、2年目80%、3年目以降0%となるため、名古屋から津に来たものとして15%→12%→6%→6%となっている。
憲法が保障する裁判官の減俸禁止、あるいは法の下の平等に違反しないのか、甚だ疑問である。