弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

豊橋支部にも 官舎はあると フェイクの隼町「界隈」

2024年11月06日 08時28分35秒 | 予算
中日新聞に対する最高裁の担当者の答弁には、豊橋支部の人が相当怒っている。
「近隣に宿舎があるといっても,豊橋には宿舎はなく,岡崎にあるとしても,裁判官が住めば,令状処理は岡崎の宿舎でできるんでしょうかね?。しかも,裁判官同士で結婚した場合,同じ支部に勤務することは通常ない以上,単身赴任しろというのでしょうか?あるいは,どちらかが辞めるとか?。どうも,困って相当に無理な言い訳をしているという感じですね。」
豊橋には裁判官官舎がないとすると、担当者は中日新聞に虚偽答弁をしたことになる。
ないことを知らなかったとしても、その程度のことを把握していないのは、れっきとした職務怠慢である。

そもそも、自腹ホテルは豊橋支部勤務の裁判官だけの問題ではない。
有名になった新潟地裁三条支部のように、本庁のある新潟市から三条市へ宿直令状当番に出張する場合は、官舎を使えないので、三条支部近くのアパホテルに自腹で宿泊するように指定されている。
同様の支部は全国にあると思われる。
いよいよ職務怠慢による罷免も現実味を帯びてきた。
少なくとも、答弁をした裁判官は、次の任地には豊橋支部を希望して、分身の術か瞬間移動の忍術の手本を見せてほしい。

中日新聞による調査報道の続報に大いに期待したい。

「自腹ホテルも 自業自得」と 開き直った 事務総局

2024年11月04日 00時03分42秒 | 予算
自腹で「泊まり勤務」も
依願退官12人、
愛知で続々と裁判官が辞める背景
(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/981216
(写真は記事抜粋)
自分の事ではないが、全く許し難い開き直りだ。
裁判官には、住み心地が悪く、決して賃料も安くはない官舎になど入居する義務がある訳はない。
私も東京(湯島)の官舎で懲りたので、その後の転勤からは、大分・大阪・名古屋・津と通算10年以上、民間・URの賃貸マンションで暮らしている。ちなみに、住居手当の支給は皆無である。

裁判所の近くの官舎(実際には結構遠いことも多い)に入居しないのが悪いのだから、宿直令状当番の際のホテル代は自己負担でよいというのならば、自宅からの通勤手当さえ支給しなくてよいという理屈になる。馬鹿も休み休み言ってもらいたい。

まだ分からないようなので、何度でも言うが、これが民間企業であれば「ブラック企業」認定は免れまい。
そもそも、最高裁事務総局の裁判官は、裁判担当の負担を免れながら、裁判官としての報酬(東京23区の地域手当20%)を支給されている。きちんと責任ある仕事をすべきなのに、予算措置を取って改善する気はさらさら無いようだ。
著しい職務怠慢があれば、裁判官として弾劾裁判の対象となり得ることも十分弁えておくべきだろう。
(参照条文)
裁判官弾劾法
第二条(弾劾による罷免の事由)
弾劾により裁判官を罷免するのは、左の場合とする。
一 職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚だしく怠つたとき。

宿直費用も 特急券も“自腹”の地方の 裁判官

2024年06月18日 12時16分37秒 | 予算

弁護士JPニュース連載4回目が掲載された。

https://www.ben54.jp/news/1239

このような地方の裁判官の待遇の惨状に、なぜ中央の「司法官僚」(最高裁事務総局)たちは全く対処しないのだろうか。
「裁判をする裁判官」(地家裁所長を除く)として地方に勤務した経験がほとんど無い人たちだから、このような酷い不払を知らなかった可能性もあるが、もしも知っていながら何とかしようとして来なかったのなら、司法行政官としても失格である。
裁判官の身分を持ちながら司法行政に専従している以上は「職務を甚だしく怠った」ものと言われても仕方がないだろう。


令状当番 ホテルを指定 されて代金 自腹かな

2024年05月06日 00時51分24秒 | 予算

久しぶりに裁判所オンブズマンより出題。

名古屋地裁豊橋支部(豊橋簡裁)で宿直の令状当番を順番に割り当てられる裁判官の待遇で、正しいものは次のうちどれか。
①宿直手当が支給されない。
②宿直室が無い。
③泊まるホテルを指定される。
④ホテル代を支給されない。

(参考)裁判所支部問題を取り上げた朝日の連載4回目(最終回)

本庁と支部間50キロ、裁判官はタクシーで往復 「入りにくい予定」
https://www.asahi.com/articles/ASS4S0T2GS4SULFA00CM.html

(写真)連載3回目で取り上げた長野地家裁佐久支部の問題は、昨秋の日弁連人権擁護大会で佐久市長自身が充実を訴えた。エレベーターについては、地元自治体で設置費用を負担すると申し出たが、最高裁は謝絶したという。


予算で「三厘 司法」の壁を 越すに越されぬ 裁判所

2024年03月30日 14時07分37秒 | 予算
令和6年度通常予算が成立。
一般会計112兆5717億円に対し、
司法予算は3310億円。
0.294%だ。
見事なまでに0.3%に収まっている。
かつての防衛費GNP比1%時代のように、予算枠からのシーリングが決まっているようにも思える。
しかし、こちらはあくまでも予算比で、かつ、わずか0.3%未満。
恥ずかしくなるほどの低予算である。私はこれを「三割司法」ならぬ「三厘司法」と呼んでいる。
現代では縁起が悪いとされる三隣亡(さんりんぼう)と聞き間違えそうだ。

32時間 連続勤務 津地裁「民事 部総括」

2024年03月09日 17時34分23秒 | 予算
単独係の開廷日である金曜日は朝9時前に登庁。
法廷を終えると、夜5時から土曜日の夜5時まで24時間の令状当番。
連続32時間の勤務をした。もちろん、食事と睡眠の時間は確保できている。
それにしても、民事の裁判長が泊まりの令状当番までやるのかと驚かれることが多い。しかし、津地家裁は裁判官が少ないので、所長と熊野支部長(隣接の和歌山地家裁田辺支部長と交代で令状担当)を除き、支部の裁判官も含めて全員が、夜間と休日の令状当番を、本庁に待機して平等に担当している。
おそらく、当然のように令状当番を免除されてきた東京地裁民事部の裁判長らには分からない苦労だろう。
これで「ギャラは同じ」どころか、
1号俸+地域手当20%(東京)と
3号俸+地域手当 6%(津)などという格差が付けられるのだから、怒らない訳にはいかない。

法廷映さず ニュースにすれば「プレハブですか?」と驚かれ

2024年02月24日 00時24分39秒 | 予算
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20240222/3070012326.html

私は司法記者クラブから法廷撮影の申出があれば断ったことは無いのだが、申出自体が無かったケースもある。
あいにく津地裁は新築工事中で、正面出入口は仮設建物になっている。
これが津地裁の庁舎かと全国の人々に思われると、とても恥ずかしい。
できれば法廷を撮影してほしかったが、多くの裁判官は動画なのに微動だにせず、静止画と変わりない映像になってしまう。名物の「旗出し」という見せ場がある外に比べて面白くないのかも知れない。仮設庁舎を出ると、すぐに敷地外だし。

言ってナンボよ!最高裁の「予算要求 しない文化」

2023年10月05日 19時12分51秒 | 予算
本日午後に長野で開催された日弁連人権擁護大会シンポジウム第2分科会から。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2023/231005_06.html

長野地家裁佐久支部の人的・物的充実を求める運動の先頭に立っている佐久市長の発言から。
地元の関係者で何度も最高裁と財務省に陳情に上京した感想。とにかく予算要求はしてみないと始まらないという、地方の首長としての常識が、最高裁には全く通じないという。
苦労の末に支部庁舎の改修という成果を勝ち取ったものの、他方で、切実な要望であったエレベーターについては、地元の市町村が設置費用を寄付したいという申出をしたにもかかわらず、「公平性に問題がある」との訳の分からない理由で断られたそうだ。
(写真)最高裁への陳情の模様から。
地元の切実な要望があるのに、なんで「なかなか言いづらい」のか、さっぱり分からない。
結局、佐久市長を先頭に財務省に繰り返し足を運ぶことになった。