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三重弁護士会の企画で、久しぶりに東海テレビ放送制作の映画「約束」を見た。
日弁連支援再審事件である名張毒ぶどう酒事件などを題材に、再審法の改正を求める昨日の集会で上映。
若き日の奥西氏を山本太郎が、死刑囚となった後を仲代達也が、その母を樹木希林が名演していた。
三重県は名張毒ぶどう酒事件の現地であるが、一審の津地裁は無罪判決だったため、再審は逆転死刑判決をした名古屋高裁と最高裁で争われている。
既に有罪判決の物証とされた王冠の歯形は再審の審理で証明力は大幅に減殺され、犯行に使われた農薬の特定にも疑問が呈されて、高裁でいったんは再審開始決定が出たが、異議審で取り消され、それが最高裁で破棄差戻しとなったものの、再び再審請求を棄却された。
残るは、やはり自白のほか、変遷もある複数の第三者供述に基づく犯行機会の限定という状況証拠。
客観的証拠が薄い事案の再審の困難さをつくづく思い知らされる。