緊急事態宣言は出されたが、どうも政府の腰が決まっていないようだ。自粛対象業種や休業補償問題などで自治体との齟齬が目立つ。そんなことはとっくにすり合わせが済んでいなければならないことではなかったのか。ただ漫然と緊急事態宣言を出すというようなことでは困る。安倍さんは大見え切って「やってる感」を出しているが、「緊急事態宣言を出して、まず様子を見る。」などと悠長なことを言っている。どうも、「2009年の春に発生した新型インフルエンザの時のように、梅雨が来ればコロナも自然に衰える。」というような希望的観測を持っているのではないか。私も本音ではそれを期待し願っているが、為政者は最悪の状況を想定しておかなくてはならないと思う。
専門家によれば、今回の新型ウィルスはまったく新しいウィルスだと言われている。インドで猛威を振るっているように、高温多湿の中でも感染力が落ちないのであれば、日本人の大半が感染してしまって抗体ができるまでは沈静化しないことになる。一か月後に今より事態が良くなっているとは考えづらい。おそらく感染者はもっと増えているはず。緊急事態宣言を継続しない理由を見つけるのは難しくなっているだろう。自粛要請を延々と続けて、果たして日本経済は立ち行くのか? 半年も休校を続けていたら、子ども達の教育は?
最悪の場合は、ほとんどの日本人がり患してしまうか特効薬ができるまでは、ウィルスの勢いは衰えないのだから、日本の選択肢は次の3つの要素の兼ね合いにならざるを得ない。
① 副作用のリスクには目をつむり、新薬を早急に認可する。
② 医療従事者の過重労働と重傷者の死亡リスク覚悟で、通常通りの
経済活動を続ける。
③ 緊急事態としての自粛を継続する。
どのような兼ね合いにするべきか、それを判断するためには実態把握が欠かせない。市中感染率を把握する必要がある。無作為抽出した人々のPCR検査と抗体検査を実施すべきだと思う。現在の東京都の検査結果報告はあまりに作為的過ぎて当てにならない。検査と医療を分離すべきだと思う。今のままでは医療現場がいたずらに疲弊してしまうばかりで、かつ意図的に検査を回避してしまっているため感染の拡大がより大きくなっている。早急に制度を見直さなければならない。これは為政者の責任である。