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染付辻堂香合
江戸時代の香合の価値を位置づけた、形物香合番付で、
西方最高位の「大関」に位置した名品です。
先日五島美術館でじっくりとみてきました。
毎月一度、「茶道具の美」というテーマの講座に参加しています。
今回は「香合」が取り上げられました。
今では大寄せ茶会の床の間に座っていますが、
元来は、表舞台に出るような格の高い道具ではなかった。
でもその一つ一つをよく見ると、見事な工芸品であることがわかります。
写真の染付の香合は、日本からの注文で、
明の時代に、中国の「景徳鎮窯」で焼かれたものです。
写真ではよく目にするものですが、実物との出会いは初めてだと思います。
もしかしたら、あまり意識のない時に、一度くらい見たかもしれないのですが。
何事も問題意識を持たないで出会っても、心に残らないものです。
香合の歴史的変遷、産地ゃ材質、用法について、
映像を交えての講義を聞きながら、、
もう何を聞いても細かいことはすぐ忘れてしまうと思いながらも、
だんだん「香合も」捨てたものではないと、愛着が出てきました。
話の合間に、受講者のお一人がお持ちになった、一冊の図録を見せていただきました。
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フランスの政治家で元首相のジョルジュ・クレマンソーが集めた、
日本の香合3,500点の大コレクションのうち、600点の「珠玉の香合展」が、
1978年東京日本橋高島屋など各地で開催されたそうですが、
その時の図録です。
外国のコレクターは集め方が半端ではありませんね。
講師の先生はお若いころこれを手にして、ボロボロになるほど眺めたそうです。
茶碗に始まり、茶入れ、棗、 茶杓、 香合と、進むうちに、
それぞれの道具について別々に取り上げて頭に入れているのですが、
一つを深く知ることで、なぜか、
私の頭では茶室の中でバラバラに点在していた道具が、
少しずつまとまって見えてきたのが不思議です。
今ここに至って、知るは楽し!見るも楽し!!です。
いつも見てくださってありがとうございます。
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