“酒の肴”は映画とソーセー児と時々柴漬け

今宵の“酒の肴”は...。
鑑賞した映画と双子姉妹&柴犬♀のたわいもない話

『この世界の片隅に』の巻

2017-02-09 | 劇場鑑賞した映画

第90回キネマ旬報 ベストテン・邦画部門1位
この世界の片隅に

2月3日に発表された
<2016年 第90回キネマ旬報 ベストテン>において
邦画部門第1位となった本作。
単館系の劇場では上映されているのは知っていたが
大型劇場でも上映されていることを知り
当然...。劇場観賞して来た

 
1944年広島。18歳のすずは 顔も見たことのない若者と結婚。
生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。
それまで得意な絵を描いてばかりだったすずは
一転して一家を支える主婦に。
家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。
戦争が激しくなるにつれて 日本海軍の拠点である呉は
空襲の標的となり すずの身近なものも次々と失われていく。
それでもなお 前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが・・・。
  ・

第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した
こうの史代の同名コミックを『マイマイ新子と千年の魔法』の
片渕須直監督がアニメ映画化

第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に
ある一家に嫁いだヒロインが戦禍の激しくなる中で
大切なものを失いながらも前向きに生きようとする姿や
彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描いている作品だ。
芸能界から消えそうなほどのトラブルで
メッキリお姿を拝見することがなくなった能年玲奈チャンが
‘のん’に改名して アニメ映画の声優に
初挑戦を果たしたことでも話題に。
ちなみに ヒロイン・すずの声を担当している。
しかし 初挑戦のわりには 見事にハマッていてビックリ
いやぁぁぁ~~~。のんチャン。すごく良かったよ

第2次世界大戦下の広島が舞台...となれば
なんとなく心身ともに重くて
戦争の悲惨さや愚かさを伝える
反戦を声高に叫んだ作品をイメージしてしまう
事実。ワタクシもそんなイメージを抱いて
この作品を鑑賞したのだが 見事に裏切られた。イイ意味で・・・
‘お涙頂戴’的な展開でもおかしくないストーリー。

普通の人々が 普通に暮らす風景
日常のなかに悲劇や苦痛が入り込む戦争下
食べて、寝て、笑い、怒り、悲しみ、でも愛し合い。。。
そんな普遍的な生活が戦時下という
特殊な状況下で同居する。
少ない配給で食糧難を乗り越え
創意工夫で毎日の食卓を作り出している
その状況が実に柔らかい感じなのだ。

決して豊かではない食卓に上がる料理も美味しそう
食卓を囲む 家族には笑顔がある。
毎日の空襲警報にも慣れて
防空壕の中では世間話もする。
そんな生活を やさしい手描き作画で綴られているのだ。

素朴で美しく やさしい風景や人々。
真っ黒な背景に描かれる感情的な表現。
今までに観た事がない感じだ。

泣くつもりは全くなかったし 泣く感じでもなかった。
けれど 勝手に涙が出てしまう。
ひとしきり 映画を鑑賞してホッとしたら
エンドクレジットまでに溢れていて
また泣けてきてしまう・・・
悔しいけれど 結局 いっぱい泣いた

とりあえず...やはり 観ておくべき作品だと思った
 ★★★★☆ 星4.5ツ>


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