原作読書、ホビット庄の掃蕩の途中まで来ました。まだサルマン出てきませんが。なんとか年内には読み終われそうでホッ。明日多摩センターに行く途中で読み終われるかも。
前回の続きで、アイゼンガルドでの木の鬚ですが、メリピピとの別れは「二つの塔」での別れのままの方が良かったような気もしてしまいます。また会ってしまうとちょっと間延びするような・・・まあ物語の都合上は仕方ないのですが。
ガラドリエルが一緒に旅しているのもどうかと思ってはいるのですが、ガラドリエルが木の鬚に「ナン=タサリオンの柳の原で会えるかもしれませぬ」という言葉がとても好きです。
ガンダルフが木の鬚に「さっきからあんたは『~だった』とか『~しとった』とか言っておるが、本当のところはどうなんじゃ」とせっかちに問い詰めるあたりもとっても好きです(笑)せっかちで怒りっぽいガンダルフ大好き(笑)
サルマンの逃亡も、サルマンが巧みに木の鬚の優しい部分をついた、というあたり、サルマンの力を見せて名誉?を保っていると思うし、木の鬚の優しさも感じられて、なかなか上手いなあと思いますね。
そして、仲間たちの別れの場面。ここは映画ではやらなくて残念で、ラジオドラマでは色々とオマケをつけてくれて嬉しかったところです。
レゴラスとギムリがあっさり別れて行くのが、なんだか彼ららしくてとても好きなんです。少し切なくて。
ギムリの「ご機嫌よう、ホビットさんたち!」(英語だとFarewell my hobbitsなんですよね~)に続く台詞も大好きです、もちろん(笑)
そして、このギムリの明るいさばさばした台詞の中に、「でも全員が集まることは二度とあるまいなあ」という悲しい現実をさり気なく盛り込んでいるところが切ないです。ギムリも、まさかフロドやガンダルフとは二度と会えないなんて思っていなかったでしょうね・・・
アラゴルンとの別れの場面も、静かであっさりしていますが、切ないです。遠くから緑の石を掲げる姿が・・・ここは映像でちょっと見たかったなあ。初めて読んだ時は、これがフロドとは今生の別れだったのかと知って、とても悲しくなったものでした。
裂け谷でのビルボ、ラジオドラマはしっかりしすぎだし、映画はボケすぎだと思うんですが(汗)
フロドにつらぬき丸やミスリルの鎖帷子をまた与えてしまうあたりはちょっと切ないですね。
そして、フロドだけに静かに「あなたはここに戻ってくる必要はあるまい」と語るエルロンドもなんだか切なく感じました。
ブリー村は飛ばして(汗)ホビット庄に帰る途中のメリーの「なんだか少しずつ醒めて行く夢みたいだ」という台詞もいいですよね。やっぱりメリーは良いこと言うなあ、なんて(笑)
それに対するフロドの「私はもう一度眠りに落ちていくようだ」という答えがまた切ないですね・・・
ホビット庄に入ってからのメリーの冷静沈着な対応には惚れ惚れしてしまいます(笑)もちろんピピンもカッコイイですが、やっぱりメリーがね~(笑)
ここはぜひ映画のメリピピで見たかったです、やはり。
ただし、ひとつ間違うと、ラジオドラマのように、成長したホビットたちが大活躍で大団円、というような感じになってしまうと思うので、なかなか難しいのかもしれませんが。
でもカッコイイメリー見たかった・・・(笑)
ここでは、フロドが一人戦うことを是としないで、戦いに加わらないということが効いていると思うんですよね。これがなかったら、ありきたりな大団円に思えたことでしょう。
前にも書いたことがあるのですが、HoMEシリーズのThe History of the Lord of the Ringsによると、ホビット庄の掃蕩では、最初フロドの台詞だったものがかなりメリーの台詞に変わっていて、どんどんフロドの戦いにおける役割を減らして行ったのがわかるんですよね。
今、ちょうどThe History of the Lord of the Ringsを読んでらっしゃる
ふむ道、小道、数多くさんで最近出ていた初期のあらすじなどを読んでいると、完成版よりもかなり洗練されていないというか、意外とありきたりな展開だったりもしているなあ、なんて思いました。
トールキンは話を構築していく過程で、次第に物語を洗練した、他に類のないようなものにして行ったのですね、きっと。
あと、ロージーがサムに会った時に、「私は春からずっとあんたのことを待ってた」と言うのですが、この春(もちろん指輪が棄却された時でしょうね)に「サムが帰ってくる」と予感したという話、幻のエピローグに出てくるんですよね。
ロージーが突然心の希望を感じて歌いだし、母親に「ならず者たちに聞かれたら大変だよ」と注意すると、「かまうもんですか。もうすぐ私のサムが帰ってくるんだもの」と言ったというちょっと素敵なエピソードがあるのですが、エピローグはボツになったけれど、こんなところにその設定が残っていたんだなあと今更気がついて、ちょっと感動してました。