アクロン(の近く)に行ったのはクリーヴランド管のLotRシンフォニーが目的だったんですが、せっかくだから・・・と翌日のコンサートのチケットも取っていました。
演目はプロコフィエフのピアノ協奏曲第三番とチャイコフスキーの交響曲第五番。
プロコフィエフ好きだし、チャイ5は昔大好きだったよなあ・・・とちょっと楽しみなプログラムでした。
ただ会場までの足が問題だったのですが・・・
一日目にどうやって行って帰ってきたかはこちらをごらんください。
かいつまんで書くと、行きはホテルからのタクシーを頼めたものの帰りを断られてしまい、(タクシースタンドで捕まえろとか言われた・・・そんなもんあるか!)会場で係りの人に頼んでなんとか予約してもらい、歩道のない丘を下る道路をクラクション鳴らされながら延々と歩いた末、ようやく帰れたのでした・・・
2日目は、行きはほかに行くところもなくて暇なので、歩いて行って(2時間くらいでつける見込みだった)、帰りのタクシーだけを予約してもらおう・・・とホテルのフロントで頼みました。
そうしたら、歩道もないし遠いから歩くのは危険だと説得され、行きもタクシーで行くことに。
そして、帰りの待ち合わせ場所を連絡してもらおうとしたら、行きの運転手に帰りの待ち合わせのことは言っておけ、とのこと。
うーん、帰りは多分違う人だと思うんだけど・・・と思ったのですが、反論できず、もういいや、ということでなすがままに(汗)(電話で、「英語喋れないけどちょっとわかる」と説明されていたわれわれ・・・)
行きのタクシーの運転手さんは、鬚づらで大柄で腕にタトゥーがバーン、と入ったワイルドなおじさんでした。会場についた時、「帰りもあなたが来るのか」と聞いたら、「電話くれたらいつでも来るよ」と言われて、ああやっぱり同じ人ではないんだなと判断。「いや会社にもう予約してあって・・・」というような会話をした後、待ち合わせ場所は指定しないままになってしまいました。
まあ、車が上がってこられなければ、下の通りで待ってるよね・・・ということにしました(汗)
前日はかなり早めに行ったら、この日のプログラムのチャイ5のリハーサルをたっぷり聞けてしまってラッキーでした。
4楽章で一旦音楽が切れるとき、オケの人たちが歓声を上げるのも聞けてしまったし。こういうのゲネプロでやるもんなんですかね。初めて聞いてちょっと感動。
で、この日は2時間前を切ったあたりで行ったのですが、行ったらなんとプロコのピアコンのリハーサルをやっている・・・
結局30分前近くまでリハーサルやってました。こんなギリギリにやるなんてすごいなあ。
ちなみに指揮はクリーヴランド管の副指揮者Andrew Gram氏。この名前を見て「おおっ」と思った私。彼、4月にドイツでやったLotRシンフォニーの指揮をやった人だったのです。なんで彼がやることになったのはわかりませんが・・・
リハーサルの指揮を見ていたら、ショア以上によく動いて面白い指揮をする人で、楽しんでみてしまいました。この人のLotRシンフォニーの指揮、見てみたかったかも。
で、リハーサル終了後この日のパンフレットをもらってみると、ん? 4曲プロになってる???
どうも、最初の2曲をBlossom Chember Orchestraがやって、後のプロコとチャイ5をクリーヴランド管がやるようでした。
どうりで・・・2曲プロっておかしいなあと思ってたんですよね・・・
指揮は後の2曲がGram氏で、最初の2曲はおなじくクリーヴランド管の副指揮だけどまだ1年しかやってない人でした。Gram氏は3年くらい副指揮やってるらしいです。
前の2曲は、ラヴェルの「クープランの墓」とプロコフィエフの古典交響曲。古典タングルウッドでも聴くんだけど・・・(汗)
しかしここで問題が。2曲プロだと思って、帰りのタクシーの時間を早めの9時45分に設定してしまっていたのでした。(この日は開演が7時)Informationで終演時間を聞いて、遅くなるようならまたadministratorで電話してもらわないと・・・と思って聞いたら、9時に終わるというので、それならこのままでいいな、ということに。
4曲プロ2時間で終わるのか?という疑問はちょっとありましたが・・・そしてやっぱりその通りだったのですが・・・(汗)
まずはBlossom Chember Orchestraの演奏。
ラヴェルはなかなか、と思って聴いてましたが、古典はかなり厳しそうでした・・・崩壊しそうな感じで(汗)崩壊はしなかったですけど。
プロコって難しいんだな・・・と思いました。
で、休憩を挟んでクリーヴランド管の登場。まずはプロコのピアコンです。
最初のクラリネットのソロからして、もう全然レベルが違って、感動すら覚えてしまいました。やっぱり上手いやクリーヴランド管。
ピアノも上手かった! 予習でアシュケナージの演奏を聴いてきてしまったので、聴きおとりしたら嫌だな・・・と思いましたが、もう全然ok。
力強くも繊細で、ミスタッチ全然なかったような。
そんなわけで堪能いたしました!
しかし、プロコのピアコンが終わった時点で8時45分すぎ・・・。そしてまた休憩が入ったりして・・・
うーん、これは終演9時半にはなるのでは、とちょっとあせりモード・・・
でも、チャイ5は絶対聴きたいし、とりあえず最後までは聞いて、アンコール諦めてダッシュで出よう、ということにしました・・・
で、チャイ5がまた良かった!
チャイ5は学生の時大好きで、やりたいやりたいと騒いでいたものでしたが(でも結局やったのは「悲愴」でした・・・)、その後だんだんチャイコフスキーはベタで恥ずかしいなあ、と思うようになり、あまり聴かなくなってしまったのでした。
とどめは、数年前にたまたまラジオで聞いた演奏でした。なんだかものすごーくベタな演奏で、聴いていて恥ずかしいくらいで(汗)「やっぱりチャイコは恥ずかしい」という印象になってしまったままこの日を迎えていたのでした。
でも、クリーヴランド管の演奏は、あっさりしていて全然ベタではなく、とても上品なチャイコフスキーでした。
特に3楽章が来ましたね~。あのワルツの優しさが沁みました。泣きそうになった・・・
2楽章も(リハーサルで間違えてたホルンのソロ、本番は大丈夫でした(笑))、1楽章の途中静かになるところもそうなんですが、悲しみを秘めた優しい旋律が、かえってズシーンと来てしまいました。
若い指揮者の真摯な演奏、というのもあったかもしれません。
聴いていて、まだチャイ5の頃はチャイコフスキー正気だな、と思いました(汗)全体的に悲しみを湛えながらも、優しくなるところでは、人の心を癒すことのできる暖かさがあって。
学生の頃6番目の交響曲「悲愴」を半年間練習したんですが、「悲愴」では2楽章の素朴なメロディも、3楽章の熱に浮かされたような明るさも、どこか上の空のような、偽りのものに思えてしまって、逆にチャイコフスキーの狂気と絶望の深さを感じたものでした。
4楽章の絶望的な悲しみが、チャイコフスキーの本当の心境なんだなあと・・・。4楽章は本当にチャイコフスキーがかわいそうになります。ゲネプロも本番も泣いたなあ・・・
そんな「悲愴」と比べると、まだチャイ5は、悲しいながらも、人の心を暖かくするものを持っているなあと・・・なんだかそんなことを考えてしまいました。
とにかく3楽章の優しさ、暖かさが沁みたんですよね~。
妹もすっかりクリーヴランド管のチャイ5が気に入ってしまって、しばらく姉妹でチャイ5ブームが巻き起こりました(笑)
カーテンコールはもちろんスタンディングになりましたが、この時点で9時40分くらい・・・(汗)後ろ髪ひかれつつ、アンコールは断念して会場を後にしました。
急いで昨日下った道路を歩いていると、向こうからタクシーが・・・
なぜかこの日は車が上まで来れたんですね。終了直後だったからかも?
こんな場所にタクシーなんて私たちの迎え以外に考えられず、手を上げて止めたら、なんと行きと同じ鬚タトゥーのおじさんでした!
行き違いにならなくて良かった・・・危ないところでした。
相変わらず深夜料金も予約料金もなし、しかもUターンして進行方向向いてからメーターを動かす親切さ。
そんなわけで、この日も無事に帰ることができました。
野外音楽祭って楽しいし、クリーヴランド管はすっかり気に入ってしまったのですが、車なしで英語も喋れない人がここに聴きにくるのは無謀だな、とも思いました・・・
また来ることは、多分ないでしょう・・・(汗)まあいい思い出になりました。
それにしてもやはり車社会アメリカですね・・・思わぬ苦労させられます(汗)
演目はプロコフィエフのピアノ協奏曲第三番とチャイコフスキーの交響曲第五番。
プロコフィエフ好きだし、チャイ5は昔大好きだったよなあ・・・とちょっと楽しみなプログラムでした。
ただ会場までの足が問題だったのですが・・・
一日目にどうやって行って帰ってきたかはこちらをごらんください。
かいつまんで書くと、行きはホテルからのタクシーを頼めたものの帰りを断られてしまい、(タクシースタンドで捕まえろとか言われた・・・そんなもんあるか!)会場で係りの人に頼んでなんとか予約してもらい、歩道のない丘を下る道路をクラクション鳴らされながら延々と歩いた末、ようやく帰れたのでした・・・
2日目は、行きはほかに行くところもなくて暇なので、歩いて行って(2時間くらいでつける見込みだった)、帰りのタクシーだけを予約してもらおう・・・とホテルのフロントで頼みました。
そうしたら、歩道もないし遠いから歩くのは危険だと説得され、行きもタクシーで行くことに。
そして、帰りの待ち合わせ場所を連絡してもらおうとしたら、行きの運転手に帰りの待ち合わせのことは言っておけ、とのこと。
うーん、帰りは多分違う人だと思うんだけど・・・と思ったのですが、反論できず、もういいや、ということでなすがままに(汗)(電話で、「英語喋れないけどちょっとわかる」と説明されていたわれわれ・・・)
行きのタクシーの運転手さんは、鬚づらで大柄で腕にタトゥーがバーン、と入ったワイルドなおじさんでした。会場についた時、「帰りもあなたが来るのか」と聞いたら、「電話くれたらいつでも来るよ」と言われて、ああやっぱり同じ人ではないんだなと判断。「いや会社にもう予約してあって・・・」というような会話をした後、待ち合わせ場所は指定しないままになってしまいました。
まあ、車が上がってこられなければ、下の通りで待ってるよね・・・ということにしました(汗)
前日はかなり早めに行ったら、この日のプログラムのチャイ5のリハーサルをたっぷり聞けてしまってラッキーでした。
4楽章で一旦音楽が切れるとき、オケの人たちが歓声を上げるのも聞けてしまったし。こういうのゲネプロでやるもんなんですかね。初めて聞いてちょっと感動。
で、この日は2時間前を切ったあたりで行ったのですが、行ったらなんとプロコのピアコンのリハーサルをやっている・・・
結局30分前近くまでリハーサルやってました。こんなギリギリにやるなんてすごいなあ。
ちなみに指揮はクリーヴランド管の副指揮者Andrew Gram氏。この名前を見て「おおっ」と思った私。彼、4月にドイツでやったLotRシンフォニーの指揮をやった人だったのです。なんで彼がやることになったのはわかりませんが・・・
リハーサルの指揮を見ていたら、ショア以上によく動いて面白い指揮をする人で、楽しんでみてしまいました。この人のLotRシンフォニーの指揮、見てみたかったかも。
で、リハーサル終了後この日のパンフレットをもらってみると、ん? 4曲プロになってる???
どうも、最初の2曲をBlossom Chember Orchestraがやって、後のプロコとチャイ5をクリーヴランド管がやるようでした。
どうりで・・・2曲プロっておかしいなあと思ってたんですよね・・・
指揮は後の2曲がGram氏で、最初の2曲はおなじくクリーヴランド管の副指揮だけどまだ1年しかやってない人でした。Gram氏は3年くらい副指揮やってるらしいです。
前の2曲は、ラヴェルの「クープランの墓」とプロコフィエフの古典交響曲。古典タングルウッドでも聴くんだけど・・・(汗)
しかしここで問題が。2曲プロだと思って、帰りのタクシーの時間を早めの9時45分に設定してしまっていたのでした。(この日は開演が7時)Informationで終演時間を聞いて、遅くなるようならまたadministratorで電話してもらわないと・・・と思って聞いたら、9時に終わるというので、それならこのままでいいな、ということに。
4曲プロ2時間で終わるのか?という疑問はちょっとありましたが・・・そしてやっぱりその通りだったのですが・・・(汗)
まずはBlossom Chember Orchestraの演奏。
ラヴェルはなかなか、と思って聴いてましたが、古典はかなり厳しそうでした・・・崩壊しそうな感じで(汗)崩壊はしなかったですけど。
プロコって難しいんだな・・・と思いました。
で、休憩を挟んでクリーヴランド管の登場。まずはプロコのピアコンです。
最初のクラリネットのソロからして、もう全然レベルが違って、感動すら覚えてしまいました。やっぱり上手いやクリーヴランド管。
ピアノも上手かった! 予習でアシュケナージの演奏を聴いてきてしまったので、聴きおとりしたら嫌だな・・・と思いましたが、もう全然ok。
力強くも繊細で、ミスタッチ全然なかったような。
そんなわけで堪能いたしました!
しかし、プロコのピアコンが終わった時点で8時45分すぎ・・・。そしてまた休憩が入ったりして・・・
うーん、これは終演9時半にはなるのでは、とちょっとあせりモード・・・
でも、チャイ5は絶対聴きたいし、とりあえず最後までは聞いて、アンコール諦めてダッシュで出よう、ということにしました・・・
で、チャイ5がまた良かった!
チャイ5は学生の時大好きで、やりたいやりたいと騒いでいたものでしたが(でも結局やったのは「悲愴」でした・・・)、その後だんだんチャイコフスキーはベタで恥ずかしいなあ、と思うようになり、あまり聴かなくなってしまったのでした。
とどめは、数年前にたまたまラジオで聞いた演奏でした。なんだかものすごーくベタな演奏で、聴いていて恥ずかしいくらいで(汗)「やっぱりチャイコは恥ずかしい」という印象になってしまったままこの日を迎えていたのでした。
でも、クリーヴランド管の演奏は、あっさりしていて全然ベタではなく、とても上品なチャイコフスキーでした。
特に3楽章が来ましたね~。あのワルツの優しさが沁みました。泣きそうになった・・・
2楽章も(リハーサルで間違えてたホルンのソロ、本番は大丈夫でした(笑))、1楽章の途中静かになるところもそうなんですが、悲しみを秘めた優しい旋律が、かえってズシーンと来てしまいました。
若い指揮者の真摯な演奏、というのもあったかもしれません。
聴いていて、まだチャイ5の頃はチャイコフスキー正気だな、と思いました(汗)全体的に悲しみを湛えながらも、優しくなるところでは、人の心を癒すことのできる暖かさがあって。
学生の頃6番目の交響曲「悲愴」を半年間練習したんですが、「悲愴」では2楽章の素朴なメロディも、3楽章の熱に浮かされたような明るさも、どこか上の空のような、偽りのものに思えてしまって、逆にチャイコフスキーの狂気と絶望の深さを感じたものでした。
4楽章の絶望的な悲しみが、チャイコフスキーの本当の心境なんだなあと・・・。4楽章は本当にチャイコフスキーがかわいそうになります。ゲネプロも本番も泣いたなあ・・・
そんな「悲愴」と比べると、まだチャイ5は、悲しいながらも、人の心を暖かくするものを持っているなあと・・・なんだかそんなことを考えてしまいました。
とにかく3楽章の優しさ、暖かさが沁みたんですよね~。
妹もすっかりクリーヴランド管のチャイ5が気に入ってしまって、しばらく姉妹でチャイ5ブームが巻き起こりました(笑)
カーテンコールはもちろんスタンディングになりましたが、この時点で9時40分くらい・・・(汗)後ろ髪ひかれつつ、アンコールは断念して会場を後にしました。
急いで昨日下った道路を歩いていると、向こうからタクシーが・・・
なぜかこの日は車が上まで来れたんですね。終了直後だったからかも?
こんな場所にタクシーなんて私たちの迎え以外に考えられず、手を上げて止めたら、なんと行きと同じ鬚タトゥーのおじさんでした!
行き違いにならなくて良かった・・・危ないところでした。
相変わらず深夜料金も予約料金もなし、しかもUターンして進行方向向いてからメーターを動かす親切さ。
そんなわけで、この日も無事に帰ることができました。
野外音楽祭って楽しいし、クリーヴランド管はすっかり気に入ってしまったのですが、車なしで英語も喋れない人がここに聴きにくるのは無謀だな、とも思いました・・・
また来ることは、多分ないでしょう・・・(汗)まあいい思い出になりました。
それにしてもやはり車社会アメリカですね・・・思わぬ苦労させられます(汗)